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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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78話 路上ライブ

私と千尋さんは外に出ると大きく息を吸った。

「しかし大阪に来てみて思ったこと言っていい?」

「いいですけど……」

「周りの人の関西弁が凄いゴテゴテだね」

周りから聞こえてくる関西弁が分からなかった。

「話し相手いるだけでもほんと良かったよ」

そして私と千尋さんは歩道橋に上がった時、誰かが歌っているのが聞こえてきた。

「路上ライブをやっているな」

「そうですね……でも路上ライブ禁止って書いてるんですけど……ルールを破る人もいるんですね」

「自由を追い求めてるのかもしれないね」

私と千尋さんは歩道橋の下で行われている路上ライブをちらっと見ることにした。

「これってロック調の曲だよね」

「そうみたい……うげっ」

千尋さんは何か引きずった顔をしていた。

「千尋さん、どうかしました?」

「誰かと思えばアイツじゃあないか……ここで会いたくなかったよ」

「もしかして知り合いですか?」

私と千尋さんは歩道橋の上で見ていたのでまだライブをやってる奴は気が付いていない。

「いや……以前あいつに襲われてな……その時は川に突き落としたから助かったが……ここであってしまうとは」

千尋さんは急いでその場を離れようとしたが私が肩をがっしりと掴んだ。

「ちょっと!?」

「私はこの曲気に入ってるので最後まで聞きたいです」

「……ばれない程度にね」

曲が終わると千尋さんはすぐに逃げようとした。

「良いから早く!」

「分かってるよ……」

私と千尋さんはライブ会場を離れたが後ろからとてつもない勢いで走ってくる人が居たのだった。

「せっちゃん、走って逃げるよ」

「えっ、ちょっと待ってくださいよ!?」

私は千尋さんに手首をがっしりと握られ、後ろから追ってくる奴から逃げた。

(いったい誰から逃げてるんだよ……)

私は後ろを見た、そこに居たのはさっきまで路上ライブをしていたガラの悪そうな人だった。

「そこの人止まってくださいよ~!」

「あなた誰なの?」

「あーしですか!?」

すると後ろから来る彼はギターを弾いた、するとグイーッと走るスピードが上がり千尋さんの目の前に現れた。

「久しぶりですねアネキ!」

「アネキ!?」

「せっちゃん、ちょっとこれ以上ややこしくしないで!?」

私は千尋さんを止め、どういうことかと説明を求めた。

「千尋さん、このことは一体何ですか!?」

「……私はこいつを川に突き落としたんだ、だがどうしたんだその容姿は」

どうやら千尋さんとこのバンドマンは知り合いのようだった。

「川に突き落とされた後ですね、大阪に行こうと思いこんな見た目になったんですよ」

「とってもパンキーだねぇ~その服手作り?もしかして奥さんいるの?」

「いないですよアネキ……」

「多分だけどこのバンドマンは千尋さんに喧嘩を売って返り討ち、そして大阪に来てこんなことを……」

「大方はそうだぜ」

私は頭を抱えた。なぜなら知らない所で千尋さんとの関係が現れたのだから。

「それでどうしてアネキはここに?」

「ちょっと仕事の関係でここに来てるんだ、それで今は散歩中」

「そうですか……なら一曲聞いてくださいよ!」

そうバンドマンが言うとギターを弾き始めた。

「ってここはまずいよ!?」

だがバンドマンが弾いたものはとってもゆっくりな曲調だった。

「あれ……?」

「前みたいに至近距離から聞かせるなんてなくなりましたんで」

私たちが立ち上がるとバンドマンは奥を指さした。

「それであの鳥は一体何ですかね?」

「鳥?あれは……ん?」

私と千尋さんは飛んでくる鳥をじっくりと見た。

「千尋さん、あれってなんだかメカメカしくないですか?」

「そうだな……まるで無機質な奴……ペットロボじゃあないか!?鉈持ってきてないんだけど!?」

「どうしてですか?」

「散歩に要らないと思ってな」

千尋さんはそう言って清々しい顔をしていた。

「仕方ないですなアネキ、ここはその仕事内容が知らないあーしが、やっつけてやりますよ!」

バンドマンが指を鳴らすと周りにスピーカーやアンプが出てきた。

「これって……」

「あーしの特殊能力みたいなものです、いつの間にか出てきてたんで使ってるんです」

バンドマンの後ろ姿がまるで雷神のような感じになるとギターを弾いた。すると空間が揺れ、鳥型ペットロボが壁にぶつかり始めた。

「あんた、それこいつも使えるけど」

千尋さんは私の事を指さした。

「まぁ、似たようなことは出来ますね」

私は刀を出した。

「あーしと同じ運命っていう奴っすね」

「違うかもしれないな」

私は鳥型ペットロボに向かって走り出し、後ろから爆音が鳴り響いていた。

「せっちゃん!バンドマンの攻撃方法は音波だ!」

「分かった!」

後ろから音波が私を押してくれ、走るスピードが上がっていくと鳥型ペットロボに向かって刀を振り下ろした。

「四季の型・夏!」

私は思いっきり刀を振り下ろし、鳥型ペットロボを一刀両断した。

「こいつ一羽だけなのか?」

私は真っ二つになった鳥型ペットロボを見た。

(カメラやセンサーが取り付けられているな……もしかして偵察?)

私は別の鳥型ペットロボがいないか探した、だが他のペットロボはいなかった。

「千尋さん、こいつ一匹だけですね」

「それならよかったものの、まさかこいつに助けられるとはね」

「いやいや、あーしはアネキのサポートをしただけですよ」

「……そうか、なら連絡先交換しようか」

千尋さんは表情一つ変えずにそう言った。

「おっ、逆ナンすか?」

「別に」

そして私と千尋さんはバンドマンと別れ、商業施設に向かった。

「それであのバンドマン、とってもよさそうでしたけど」

「いやあいつ一回私を襲ってるからね」

そして私と千尋さんは一直線にマッサージチェアに向かい、二人同時にマッサージをしたのであった。そしてマッサージを終えた後は飲み物を買って宿に帰ったのであった。だがあの鳥型ペットロボは一体何だったのか、真相はまだ闇の中だ。





その時電脳世界では……

「あれ、接続切れた」

シグマは犬型ペットロボにまたがって何かの画面を目の前に映していた。

「あのアルターエゴのなりそこないにやられたかな、だけどとても操作が重くなった、一体あのバンドマンは誰だ?」

シグマの侵略の網は遅くとも着実に私たちに向かっていたのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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