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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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65話 謎の猟奇殺人事件

翌日、外服に着替えた私たちは大阪府警察本部に向かったのだった。

「千尋さん、本当に正面から入ってもいいんですか?」

「ライさんが上に言ってあるから大丈夫だけど……」

すると入り口で警官に止められた。

(まぁ止められるよね、一応私と千尋さんは未成年だし)

「すまないがここは警察の働く場所なんだ、一般人は」

「私たち、超常現象対策課なんだけど、知らされてないの?」

千尋さんがそう言うと警官は少しだけ困っていた。

「ちょっと聞いてきますね」

そう警官が言うと建物の中に入っていった。

「千尋さん、警察の建物ってなんだか……恐ろしいですね」

「まぁな、下手な行動をしたらすぐ逮捕してきそうで怖いんだよな」

千尋さんも少しだけビビっていた、そして出入口から50代のジャケットを着た男の人がこっちに来た。

「どうも、連続殺人事件を追っている刑事だ、奥山俊三だ」

そう言って警察手帳を見せてきた。

「奥山さんですね、よろしくお願いします」

「こんなところで立ち話は往来の邪魔になるので中に入って話しましょうか」

そして警察の本部の中に入り、とある一室に案内された。

「それでだが……この刀は仕事道具なのか?」

「まぁな、敵が現れたらこれで一斬りだ」

「……むやみに人を殺すんじゃあないぞ」

鏡花さんは銃刀法違反で逮捕になりかけたが奥山さんはそれを許した。

「それでだが……あんたらの上司、ライに聞いた情報によると大阪で不可解な殺人があったという話を聞いているな?」

「まぁ……私たちは別の人から聞いたんですけどね」

「そうか、その人の名前を言ってくれ」

奥山さんはそう言うとメモを取り出した。

「タ……いや、多雨山が言ってました」

「ほう、それでどのように言っていたんだ?」

「無実の少年を食い殺した奴、そして大体の潜伏先は大阪って」

「そうか、協力感謝する。そして昨日、飛行機の乗客や乗務員がペットロボに殺害された事件、知っているか」

千尋さんがこの事を事細かく話すと私にこっそりと言ってきた。

「千尋、飛行機の時の事は私が覚えてる、みんなは口を出さないで」

そう言うと千尋さんは一枚の紙を出した。それは飛行機の全体図だった。

「その飛行機、私たちが乗ってたんですよ」

「そうなのか?」

「はい、私たちは真ん中の席に座ってました、そして殺害された乗客の座っていた位置はこの前の方の位置。おそらくそのペットロボが潜んでいた場所、恐らく前の位置、又はコックピットです」

「そうか、それでペットロボの種類は何だった?」

「犬のペットロボでしたね、ですが明らかに殺意マシマシの目で私たちを狙ってました」

「なるほどな、そのペットロボの出所が分からない今、出来ることはペットロボの犠牲となった……」

すると私は大事な事が抜けていることに気が付いた。

(あれ、この刑事さんってこの事件の首謀者の事について知らないのか?)

「ちょっと待って、奥山さんってこの事件の首謀者の名前わかります?」

「いや、誰だか分からないな……」

「多雨山が言ってたんです、犯人はシグマ、私たちが追っているアルターエゴという存在です」

「シグマ……それってハンドルネームじゃあないのかね?」

(そういえば刑事さんってアルターエゴが出来るメカニズムを知らないよね)

すると千尋さんは私の考えていることが分かったのか話し始めた。

「アルターエゴというのは電脳世界で殺された存在、記憶が失われるんです。私たちもアルターエゴについて研究不足なのでパッとしたことは言えないんで」

「そうか、そのアルターエゴってのはお前たちの管轄か」

そう言うと千尋さんはペットロボによる殺害事件について話しだした。

「それでペットロボによる殺害事件っていくつ発生したんですか?」

「ここ最近では12件、そのうち未成年がホトケとなって発見された数は11人だ」

「……未成年が狙われているってことですかね?」

「そう考えるのが妥当だろう、そして昨日発生した事件、被害男児は杉本雄介君だ、恐らく逃げた犬を追いかけていたらたまたまペットロボに見つかってしまい、そのまま殺害されたのだろう」

「でも野良のペットロボが?」

「ここ最近まではペットロボの発見件数が0件だったのだが……」

すると警官が私たちにいる部屋に飛び込んできた。

「奥山さん!!!入り口にペットロボが!!!」

「それは本当なのか!?今すぐ捕獲するんだ!」

それはペットロボが警察本部の前に現れた報告だった。

「いえ!私たちには対処できない量が来てるんですよ!!!」

「なんだって!?」

奥山さんが窓から外の様子を見ると顔を青ざめていた。

「嘘だろ……一匹か二匹だと思ったら……見た感じ数千いるぞ」

その声にラムダが反応した。

「広い道にペットロボがいるんですよね、人の被害が出る前に迎え撃ちましょう」

「だが警察にはそんな戦力は……」

それに続いて千尋さんが言った。

「警察じゃあない人がここに5人いるじゃあないですか。ね?奥山さん」

そう千尋さんが合図を出すと私たちは自らの武器を手に取った。

「……そうだな、頼むぞ」

そう言う奥山さんをよそ眼に、私たちは部屋を出て急いで外に出た。そして私はペットロボに向かって啖呵を切った。

「おいこのガラクタ共め!!!私たちが出てきたぞ!!!」

そう、このペットロボは私たちを狙ってここに来たのだろう。

(一人で千体ぐらいの相手するのはとても骨が折れる、だが今は仲間が居るんだ)

ペットロボがこっちに気が付き、白い波が私たちを殺そうと狙ってきたのだった。

「私はつっこむでござる」

鏡花さんは刀を持ってペットロボに向かっていった。

「四季の舞……秋!」

鏡花さんは舞を戦いに落とし込み、ペットロボの胴体が切れていき、爆発していった。

「鏡花さん!!そいつら機能停止したら爆発するぞ!!」

私も刀を持ち、構えた。

(ちょっと待って……私のレガリアと四季の舞の夏を併用したら……)

私は拳の威力が増加するレガリアの派生形として足に力を溜めた。

(出来ると思えば出来るはずだ……!!)

そして私の足はとてつもない爆発力を生み、ペットロボと距離を一気に詰めた。

「四季の舞……夏・神足!!!」

私はとてつもない速さでペットロボを斬っていき、ペットロボの集団を抜けていったが全くスピードが落ちなかった。

(これってまずい!!!)

私は受け身の体勢をとった、そしてそのままの勢いのまま木にぶつかった。

「ぐぼぉあ!?」

「これは……すごい臨死体験だな……」

頭から血が流れ出していたが千尋さんたちの方を見た、するとラムダとジータがなぜか出入口に向かって走っていった。

(ラムダとジータは何をしようとしてるんだ?)

ラムダの手には何かがあったが頭が回らなくて全く焦点が合わなかった。

「くそっ……肋骨が何本折れようとも……民間人には犠牲を出させないよ」

そう言って私は剣を構えた。

(さっきの技は封印だな……さすがに無茶が過ぎた)

すると鏡花さんが私に向けてこう叫んだ。

「さっきの技凄かったぞ!!!」

私は叫んで答えた。

「ですがこれ負担が凄いですよ!!」

そして私はとある一体のペットロボに狙いを決めた。

「四季の舞……夏!!」

私はペットロボに向かって四季の舞・夏を食らわせ、真っ二つに斬った。そして爆発はしなかった。

(なんだこれ……爆発する個体としない個体がいるのか?)

すると何かが割れる音がした。

「セツナさん!!この割れる音は!?」

「さぁ、だが何かが割れた音……まさかな」

私は警察本部の屋上を見た、そこに立っていたのは2つの影だった。


「ここからだと私のレガリアが大いに役に立つね」

「そうだね~」

「私が酸性の霧を出し、ジータがお得意のパチンコでペットロボを溶かす……なんて最高のコンビだろうな」

それはラムダとジータが援護してくれている姿だった。


「ありがとなラムダとジータ!!!」

姑息かもしれない、だが今は民間人の安全が最優先だ!

「皆さん!!!これを!」

奥山さんが何かを持ってきた、だが千尋さんに渡そうとした奥山さんがこけ、何かが宙に舞いあがった。

「まさか……!」

すると宙に舞った何かから勢いよく電流が流れ、数千のペットロボを動けなくした。

「EMP手榴弾……無事起爆だ」

「奥山さん!?」

千尋さんが奥山さんの様子を見ている間に私たちは最後のとどめをペットロボたちに食らわようとした。

「二人で一緒に決めるぞ」

「分かりました鏡花さん」

私と鏡花さんは一緒に構えた。

「四季の舞……」

「秋・双!!」

私と鏡花さんは同じタイミングでペットロボに斬りかかり、そして最後に残ったペットロボを斬り、勝負はついた。

「終わったな」

「そうですね、鏡花さん」

後ろを見て見ると動いているペットロボは0匹、すべて機能停止をしていたのだった。


最後まで見てくれてありがとうございます。

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