59話 慎重の一手
私と千尋さんはライさんに鏡花さんをこの会社に入れていいかと直談判しに行った。
「失礼します」
「入って~」
私と千尋さんはライさんの部屋に入り、厳粛な雰囲気の中で千尋さんが口を開いた。
「その……せっちゃんの推薦でこの会社に入れたい人が居るようですが」
「そうなの?私から見れば着物の女の人が見えてる」
(着物……鏡花さんの服装か)
「その鏡花って言うのはいったい誰なの?」
そういえばライさんのレガリアで考えていることが筒抜けだったことに今思い出した。
「そうですね……刀を使う人ですよ」
「そうなの?とても和風だね~」
するとライさんがこんなことを言ってきた。
「見せてよ、その舞ってのを」
その言葉に私はどっと汗をかいた、だがここで考えればライさんに知られるので私は舞をやった。
「ふぅん、それが習った舞なのね、とても窮屈な場所での舞だけどとてもまとまっている、いいな」
ライさんは私の姿を見ながら心も見ているように感じていた。
(習ったことをもう一度思い出して舞うんだ……)
そして舞が終わった後、ライさんは私に見とれていた。
「……とっても良かった、それほどいい指導者なんだな」
「そうですよ」
「よし!一旦私の前にその鏡花を見せてくれ、いや、今すぐ連れてきてくれ!」
「分かりました!!!」
私は急いで寺に急いで鏡花さんを呼びに走った。
(急ぐんだ……)
寺に着き、私は永遠に咲く桜の場所に行くと鏡花さんがまだいた。
「鏡花さん!」
私は鏡花さんのそばに急ブレーキで止まるとさっきあったことを話した。
「そうか、なら行こうか」
そう言って刀を鞘に納め、背中に背負った。
「なら走ろうか」
私と鏡花さんは一緒に会社に向かって走った、入り口にライさんと千尋さんが立っていた。
(なんで入り口にいるんだよ!!!)
するとライさんがこっちに飛んでくるとこんなことを言ってきた。
「うん、採用~」
「グベラ」
ライさんは私に突撃してきて押し倒した。
「……これは……一体なんでござるか!?」
その光景はまるで異様、だが私たちにとってはかなり普通の光景だ。
「これからよろしく、それでだけどどこで働きたいの?」
「……出来るならばセツナの元で働きたいでござる」
「おっけ、ならついてきて」
鏡花さんはライさんに連れられ、私は千尋さんに引っ張られた。
「まったく、ライさんは突撃好きなんだから」
「そうなんですか?」
「一体どこで何を間違ったんだろうな」
そして私と千尋さんは超常現象対策課のオフィスに入り、ソファーに寝転んだのだった。
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