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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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57話 永遠に咲く桜

数日後、何とか退院できるまで回復した私と千尋さんたちは空港に向かっていた。

「しかしこの北海道遠征のほとんど寝てた気がするんだけど……そのせいか体がこりにこりまくってるぞ」

千尋さんは体を伸ばしているがボキボキボキと体の隅から隅まで鳴り響いていた。

「そういえばあの人に言っておかないと」

私は思い出し、とある人に電話を掛けた。

「もしもし?」

「私の電話番号を知っているのは……そうか、もう北海道を出るのか」

「そうだけど、付いてくるの?」

「もちろんだ、永遠に咲く桜の在りかをどこだか調べるためにな」

そう聞こえると電話を切られた。

「……場所分からないでしょうに」

「それはそうとして宮杉の持っている刀、あれ飛行機に積み込めないでしょ」

「確かに……どうするんだろ」

数時間後、空港に鏡花さんがやってきた。荷物をまとめているようでカバンの背中には刀が飾ってあった。

「いやそれ保安検査場で引っかかるでしょ!?」

「そうか?」

「没収されても知らないよ」

そう言って私たちは空港の中に入っていき、保安検査場を無事通過したが鏡花さんは無事に検査に引っかかった。

「その刀、危険物ですよね?」

「私の相棒なんだ、飛行機で抜刀しないしいいだろ?」

「ですが規則ですので」

「規則とはなんだ?」

(うわぁ……とってもめんどくさそうな客になってるなぁ……目合わせたらだめな奴だ)

数十分後、保安検査員に散々ごねていると解放された、だが刀の姿はなかった。

「荷物で運んでくれる……とな」

「良かったじゃあないですか、一緒に飛行機に乗れて」

「そうだ、だが肌身離さずだったからこうしてみると……」

(鏡花さんって相棒の刀がないととても弱くなっちゃうのね……)

そして飛行機に乗り込む時間になり、私たちは飛行機に乗り込んでいった。

(しかし北海道とはお別れか、名残惜しいって思っちゃうけど……あれ、私って北海道でどこを観光したんだっけ?)

私は北海道でやったことを思い浮かべていったが全くと言っていいほど思い出せなかった。

(北海道観光の思い出があまり無い気がするが……いいか)

そうして飛行機が飛び、私は窓から下の景色を見た。

(すごいなぁ……)

そして私たちは飛行機で山口宇部空港に着くまでリラックスした時間を過ごした。


数時間が過ぎ、もう山口宇部空港に近づいてきた。

(そろそろかな)

見覚えのある景色が通り過ぎ、飛行機は着陸態勢に入った。

(もう降下し始めてる、空の旅はもう終わりかぁ)

そして着陸して降りた。

「やっぱりこの空気を吸うと実家に帰って来たような気がするなぁ」

私は大きく息を吸い、吐いた。

「うん、やっぱりだ」

私はみんなを空港ロビーで待ち、続々と人が降りてきていた。

「せっちゃん、とっても楽しい北海道旅行だったね」

「うん、戦ってばっかりの北海道旅行をどう楽しいって思えるのかな」

千尋さんが存在しない記憶を語りだしていき、それを私がべらべらと聞いているとみんなが集まってきた。

「私は鏡花さんを連れていくんで千尋さんはほかのみんなを会社に」

「分かった、なら一旦はここで解散かな」

「じゃ、私は行ってくるよ」

私は鏡花さんを連れて永遠に咲く桜があった場所に向かった。

「ここだ」

「……見た感じ寺だな、こんなところに桜が?」

私は寺の中に一歩踏み込んだ、そう、そこは千尋さんの知り合いの綾瀬さんが住んでいる寺だった。

「すごいな、こんな結界術、見た事が……!」

鏡花さんは寺に入った途端、目を見開いて感嘆していた。

「この気温……この湿度……そしてこれが……永遠に咲く桜」

鏡花さんは季節外れに咲いている桜の元に向かった。その時綾瀬さんがやってきた。

「あれ、千尋さんの……」

「どうも、ちょっと用があってきたんだ」

「用って……あの女性の事?」

私は綾瀬さんの横に座った。

「そう、どうもあの人は永遠に咲く桜を探している様子でね、もしかしたらって思ってここに来たんだ」

そう、ここの桜は季節が外れているのに咲き乱れている事を覚えていたのだ。

「永遠に咲く桜ね……」

その時の鏡花さんの表情はまるで目的の物を見つけ、喜んでいるような目だった。

「ありがとうセツナ」

そう言うと持ってきていた刀を抜刀した。

「刀を扱うのね、しかしとても美しい舞だな」

鏡花さんは刀を振り始めた、その光景は桜の下で舞を踊っているような感覚だった。

「……なんだか見とれるな」

そして数時間、鏡花さんの舞に見とれていたのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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