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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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52話 夜闇

豪邸に戻ってきた私とレイさんは後ろを見て襲撃者が追ってきてない事を確認した。

「追ってきてないね」

「そうだな……追ってきてたら顔を確認してやろうと思ったがな」

レイさんはそう言って縁側に座った。

「それでお前らは何をしてるんだ」

レイさんはラムダとジータが何をやっているのかを聞いた。

「軍人将棋」

「また昔の物を……」

「興味を持っただけ、これってルール難しいのね」

「まぁな、駒が多いしで大変だと聞いたことはある」

ラムダが駒をじっくりと見ていた。

「昔の軍人ってこんな格好をしてたのね、とても古風だなぁ」

その時レイさんの動きが異様に少なくなった。

「レイさん、どうしたんですか?」

「……気のせいか?」

「何が気のせいなの?」

「このあたりの気配がやけに増えた気がするんだ、気のせいだとは思うんだがな」

「その気配を感じるのってレガリア?それとも第六感?」

「レガリアだ、なんだ?この違和感は」

レイさんは周りの建築物を見ていった。

「見渡せば見渡すほど怪しくなくなっていくな……」

「やっぱり気のせいですよ」

レイさんは警戒を解いた。

「もう暗くなってくる、今日はこのあたりで寝よう」

「分かりましたけど……さすがにお腹がすきます」

「そうだな……コンビニに行くか?」

「いきましょ……」

お腹の虫が鳴っている今、何かをおなかに入れておかないといけないという使命感に駆られ、レイさんとコンビニに向かった。

(あの狙撃犯は一体誰だったんだ?)

そのもやもやとおなかが空いたという感覚だけが私のすべての考えだった。そしてコンビニに着き、カップ麺を買うのだった。

「セツナ、カップ麺買いすぎじゃあないのか?」

「いいや、これでも足りないって思っちゃうから」

「まったく、どんな胃袋をしてるんだ?」

大量のカップ麺を持って私たちは豪邸に帰った。そして腹ごしらえを終えた私たちは夜空を見ていた。

「月が綺麗だな」

「……月か」

レイさんはそうボソッとつぶやいた。

「まったくいい思い出がないものだ」

「レイさんって月出身なんですか?」

「馬鹿言うな、あそこなんて酸素無いんだぞ」

「そうですよね……」

その時、レイさんはこんなことを言った。

「……月か」

そう言ってレイさんはペンダントを開けた。

「今でも輝いてるな」

「それって何ですか?」

思わず私はペンダントに映っている人達の事を聞いた。

「過去の旧友たちだ」

「過去の旧友ですか……でもこの写真と月の関係って一体なんですか?」

「セツナには関係のない話だ、首を突っ込まないでくれないか」

「そんなことを言うなら突っ込まないけど……そんな重い事なのね」

レイさんはペンダントを閉じ、胸元にしまった。

「それよりも、夜ってすごく良いな。敵にあまりばれずに動けて」

そう言うとレイさんは外に出る準備をした。

「どうしたんですか?」

「行かないのか?ユプシロンを潰すんだ」

レイさんはもう今夜でユプシロンを潰す予定のようだ。

「まだユプシロンの潜んでる場所分からないのに?」

「ああ、あのままだと分からなかった。だが多雨山の心の中を覗いた時、引っかかるところがあるって言っただろう?」

「まぁ……言ってましたね」

確かにレイさんは多雨山の事を訝しんでいた。だがその情報だけでユプシロンの潜んでいる場所まで分かるはずがなかった。

「その引っかかるところ、それは裏表が無い事だ。それでラムダやジータ、そしてユプシロンの共通点はなんて言ったか覚えているか?」

(ラムダやジータ、ユプシロンの共通点……確かギリシャ文字だったよな……)

「ギリシャ文字ですかね?」

「そうだ、多雨山の名前は見るからにギリシャ文字が使われていない。だがカタカナにして紙に書いてみるとな」

そう言ってレイさんはペンと紙を用意して多雨山の読みをカタカナにした。

「タウヤマだろ?何かに気が付かないか?」

「……私にはさっぱりだけど」

「ならギリシャ文字、全部言えるか?」

「アルファ、ベータ……分からないや」

レイさんは頭を抱え、答えを言ってくれた。

「タウヤマ、こじつけかもしれないけどな……恐らく奴はアルターエゴ、タウだ」

レイさんの考えていることはまぁまぁわかりやすかった。

「……確かにタウって文字が使われてますね」

「私の見立てだとタウが入っていった建物、そこにはユプシロンが居るっていう事だ」

「それって確実なの?」

「いや、私の机上論だが確実性はある」

「ならラムダとジータを連れていった方がいいと思うけど」

「いや、ラムダとジータはここに置いて行く。私たちがここに居るとユプシロンに情報が流れていると仮定するとここは襲撃される可能性がある、ラムダとジータには警備に着かせた方がいいんだ」

「なら二人に警備してくれって言ってくるよ」

「ああ、頼んだ」

こうして私とレイさんはユプシロンをこの夜で始末する準備を整えていったのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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