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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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50話 運命のカード

体力が完全に回復した私は街に繰り出すことにした。

「ラムダはここに居るの?」

「うん、その代わりレイさんが行くってさ」

さっきまで寝ていたレイさんがやる気満々でシャドーボクシングをしていた。

「……やる気は分かったんだけどシャドーボクシングして何かあるのか?」

「いいじゃんか」

私とレイさんは街に向かったが全くと言っていいほどユプシロンの足取りがつかめない。

(ユプシロンの手下を全員始末したから動けないのか?それか私たちを監視している?)

建物の屋上を見たが人は立っていなかった。

「……気のせいか」

「どうした?」

レイさんが聞いてきた。

「いいや、建物からユプシロンが私たちを覗いていないかなぁって」

「そんな事あるわけ……」

レイさんが両手の親指と人差し指で何かを囲った。

「何をしてるんです?」

「レガリアでズームしてるんだ、とても地味だけど索敵には強力なんだ」

「そんなレガリアあるんですね……」

「まぁな、私はいろんなレガリアをコピーできるから万能だよ」

そして街を歩いて行くと私は前から来た人にぶつかった。

「おっと、すいません」

「あらら」

ぶつかった人の荷物が地面に散乱するとせっせと拾い始めた。

(この人……マジシャンなのかな)

地面に散乱したものをよく見るとトランプのカードのようだった。

「今拾います……すいませんねぇ~」

「ありがとうございます……なんだかとても顔可愛いですね」

ぶつかった人がそう言うと私はなんだか照れくさくなった。

(そう言われるとなんだか照れくさいなぁ……)

ぶつかった人の容姿は赤髪でどこか陰のオーラを纏っていた。

「……」

レイさんがじっくりとぶつかった人の顔を見ていた。

「何か用ですか?」

「いや、ただ可愛いなと」

レイさんはぶつかった人にそう言った。

「ありがとうございます、今からネタの披露があるので急いでたんですよ」

「ごめんね~ぶつかっちゃって」

「いえいえ、前を見てなかった私が悪かったんですよ」

カードを拾い終えた彼女は去り際に名前を教えてくれた。

「私は多雨山凛音なので、じゃ!」

そう言うと多雨山は元気にビルの中に入っていった。

「とっても元気な人でしたね」

「そうだな」

そう言うレイさんの顔にはどこか多雨山を訝しむ感じがあった。

(レイさんの顔、どうしたんだろ)

「レイさん、どうかしました?」

「いや……ライさんのレガリアの心を読む能力で多雨山の心を読んだ、だがどこか引っかかるところがあったんだ」

「引っかかるところ?」

「何というか……裏表が無いような気がしたんだ、それはとても隠し事をしていても気が付かないほどに」

「つまり言いたいのは多雨山はとてもメンタリストに向いてるって事ね」

「そうだな」

そんな話をして街を探索していったのだった。だがその違和感こそのちに混乱を生み出すことを私たちは知らなかったのだ。



私たちが多雨山とぶつかった場所を離れて数分、多雨山は走ってとある会議室に入った。

「遅れました!」

「10秒遅かった、時間にルーズじゃあないの?」

「いやぁ……さっき人とぶつかって例のブツをぶちまけちゃったんですよ」

「他の人には見られていないよね?」

「見られてないはずです、だってカードとカードの間にブツを挟んでたんですから」

「へぇ、やっぱり元マジシャンの腕は確かのようだね」

すると多雨山はカードの一枚を取り出し、宙に投げ、カードは人間の形になったのだ。

「ちゃんとブツは届けましたよ。まったく人使い荒いんだから」

多雨山は服を脱いだがその中にまた服を着ていた。

「それでタウ、こいつは?」

「レガリアを使う人だ、こいつを有効利用してくださいよね。ユプシロンさん」

そう言って多雨山、ことタウは窓を開けた。

「なら私はこれで」

タウは自身の体を外に投げ出すとカードになってどこかに飛んでいった。

「……行ってらっしゃい、私の子。彼の脳に侵入して姿形を私好みにして」

そうユプシロンは言って誘拐してきた女の人の耳に寄生型バグを入れたのだった。

「これがラストチャンスだ……強くて頼もしくなってね」

そうユプシロンは女の人の頬にキスをしたのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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