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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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48話 光の軌跡

電脳世界に来た私たちはとにかくハチャメチャに戦うことにした。

「あのカマキリには要注意だ、よく逃げるからな」

「分かってる、それを踏まえての戦いだな」

私は周りに矢を出した。

「……レガリアを二つ持っているのか」

「そうだ、だが同時発動は出来ないってのが難点だ」

私は遠距離からチクチクとカマキリ男に傷をつけていく作戦だ。

「なら私はそのまま突っ込む」

安城寺さんが敵に向かって突撃していった。体に見合わないぐらいの大剣を持って走っているのだからいろんな筋肉が発達しているのが伺える。

(だがあの幼女のレガリアはいったいなんだ?)

カマキリ男の動きはどことなくぎこちなく、操り人形のようだった。

「動きがのろまだぞ!」

安城寺さんがカマキリ男を一刀両断した、そこまではよかった。

「なんだ……体が……」

突然体が浮き上がり、光に包まれた。

(なんだ?これってあの幼女のレガリアか?)

光が消えた後、見えた景色はさっき安城寺さんが突撃する前の景色だった。

「……これはいったいなんだ!?」

「分からない、だが私が斬ったカマキリの胴体が治っている。それに立ち位置がさっきと変わっていない……なんだ?」

安城寺さんがもう一度カマキリ男に突撃していき、次は首を斬った、だがまたしても光に包まれ、元の場所に戻っていた。

(元の場所に戻っているだと……?どうしてだ?)

こんな時に時計さえあればよかったが……

「セツナ、地面に何か掘れ」

「地面に何かを掘れって……一体何を掘ればいいんだ?」

「何でもいい、だが目印をつけるんだ」

私は地面に矢で傷をつけた。

「なら私は突撃する」

安城寺さんがカマキリ男の体を斬りつけたと同時に光に包まれ、デジャヴのように元の場所に戻っていた。

(だからこの光はいったいなんだよ!?)

「なるほどな。セツナ、地面を見て見ろ」

「地面を見たって何も……ってアレ!?」

私は確実に地面に傷をつけた、だが光に包まれた後に地面を見たら傷が無かった。

「私はあの幼女のレガリアが分かった。後はどうやって幼女を殺すかだ」

安城寺さんがそう言うと私の手を見ていた。

「……私の手を見ても何もないですよ?」

「己で考えるんだ、どうして傷が直っているのかと」

(傷が直っている……自己修復?だけど地面は無機物、自己再生するわけがない。だとすると幼女のレガリア、周りを元に戻す?都合の悪い出来事をぶっ飛ばす?)

私はもどかしくなり、カマキリ男に突撃していった。

(もうわからないしやるべきことは一つ!あの幼女をカマキリ男から離す!)

「ぶっとべぇぇぇ!!!!」

私は渾身の一撃をカマキリ男の肩を狙って拳を振った。

「ウグ」

カマキリ男の肩が弾け飛び、それと同時に幼女がカマキリ男の後方に飛んでいった。

(ここでデバウアーで奴を喰ってもいい、だがメリットよりデメリットの方が目立つ)

ここで幼女を喰うとレガリアが分かるがそれと同時に寄生型バグに寄生される危険性があるのだ。

「すまん!私にはとどめを刺せない!私はこのカマキリ男を相手にしてる!」

私は安城寺さんに幼女の処理を頼んだ。

「分かった、その方がいいのだろうな」

私は片腕が欠損しているカマキリ男に拳を叩きこんでいった。

「ドララララララララ!!!!」

奴は痛覚が無いらしく、反撃してこようとしてくるが鎌が一つしかないのか決定打が打てずにいた。

「これでとどめだぁぁ!!!」

私は釜きり男の顔面に過去一強いストレートを打ち込んだ。顔の骨が折れる感触が指から伝わり、どんどんと顔の形が変形していき、奴は糸が切れた人形のように地面に叩きつけられた。

「……これで終いだ」

そして安城寺さんの方に目を向けると幼女の首に剣を突き立てていた。それはまるで歴戦の戦士のようなたたずまいだった。

「これで終わったんですね……」

「そうだ、だがまだ奴は逃げている。いずれにしても早く始末しないとこいつらみたいな人形が量産されるぞ」

「……言ってる通りですね」

私は地面にヒビを作り、現実世界に戻っていったのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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