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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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45話 焦っている奴

私たちはタクシーで目的地に向かっていた。豪邸のようだが……一体誰が所有しているのだ?

「ここですね、代金は」

「はい、2000円ですね」

私は2000円を支払い、タクシーの外に出た。

「さてと、ここがライさんの言っていた場所か……」

外装から予測するとどこかの政治家が住んでいそうな家だった。

「これって家と読んでもいいのかな」

ラムダがそう言うと入り口らしき場所から人が出てきた。

「あの人誰だろう」

見るからにインテリヤクザのような人が手招きしてくれていた。

「……一旦行ってみようか」

私たちはキャリーケースを引きずってインテリヤクザの人の元に行った。

「あなたは誰ですか?」

「ようこそ、ライお嬢から聞いてます、ささ、中に」

(ライお嬢?だとするとライさんの別荘なのかな、でも召使いのように見えなかったな……)

私たちは中に入り、客室に通された。

「どうも、ここの組の管理をしている組長だ」

「組……?」

私はそういう類の事には疎いのだ。

「聞いていないのかな、アレだよアレ、ジャパニーズヤクザ」

私たちを外国人のようにしてくるが……日本人だ。

「ヤクザ……?」

「日本語だと極道っていうがな」

私は極道という聞きなじみがない言葉にハテナマークを浮かばせていた。するとレイさんが何かわかった様子でこう組長に聞いた。

「つまりあの頑固ジジイの協力組織と言う事か」

「あいつ頑固ジジイって言われてるのか……」

私は話の糸が見えず、レイさんにどういうことかと聞いた。

「レイさん、全く話の糸が見えないんだけど、1から10までしっかり教えてくれ」

「分かった。今所属している会社の協力組織として大和組っていう極道組織があるんだ、そこの協力組織がここって事」

「……なるほど、わからん」

ラムダとジータもわからない顔をしていた。

「まぁ、そこの3人が分からなくてもいい。というか分かるな」

そして私たちに部屋を貸し出され、布団が4人分敷かれていた。

「……ここで寝泊まりしてもいいのかな」

「良いらしいよ、あの人が言っていたんだ」

レイさんがさっそく布団に寝転がった。

「それにしても和風な建築だね、まるで千尋さんの友人の巫女さんが住んでいる寺とほとんど同じ造りだなぁ」

(千尋さんの友人の巫女が住んでいる寺の方が薄汚れているけど……別にこんな綺麗なのは逆に落ち着かないな)

私たちはその場でくつろぐ暇がなく、さっそく街中に飛び出していった。

「レイさんはどうしたんだ?」

「寝泊まりするところで寝てるよ」

(あの自由人……とてつもなく自由だ……)

助っ人なのに全然仕事をしないレイさんに霹靂としている中、私はコンビニに寄った。

「……ん?」

私はコンビニの横で飲み物を飲んでいる人が気になった。

(なんだろう……あの人どこかで見た気がする……)

私は見覚えがある人を凝視していた。

「セツナさんどうかしました?」

「いやぁ……なんだか見覚えがある人がいるなぁって」

「どした~?」

私が凝視している内に見覚えのある人が飲んでいるドリンクの量が急に減り始めた。それと同時に何やら冷や汗をかいているようだった。

「いやなんでもない、あの人はとても喉が渇いてるんだろうね」

私たちはコンビニに入ったがジータはその人が気になるようで犬のように近づいて行った。

「ジータ……何をやるんだ?」

ジータはその人の目を見て何かを訴えていた。するとジータは私たちの元に帰ってきた。

「ただの美人だったよ~」

「そうか~」

すると大きな音と共に美人さんが地面に落ちていった。

「ちょっと今の音は何!?」

「さっきの美人さんが落ちていった!?」

ジータが急いで外に出た。

「地面にいるのに落ちるってなんだ?ジータの戯言か?」

私は持っている物を一旦会計し、外に出た。

「……これってヒビだよね?」

そこにあったのはヒビだった。

「まさかあの人、アルターエゴだったの?」

私はヒビを広げ、電脳世界に入っていった。そこに居たのは見覚えのある女の人とカマキリ男、そして体がグンバツな女が居た。

「よっと、まさかカマキリ男がいるとは……!」

すると美人の人が振り向いた。

「お前らは……」

私は美人の人の顔を見て思い出した。そう、私たちが唯一ヘリコプターで逃げた時に居たあのアルターエゴだった。

「……久しぶりじゃあないか、あの時より強くなってるぞ」

「まだ弱そうに思うがな」

「だけどおまえはユプシロンの手下なのか?」

「ユプシロン?笑わせるな。そのユプシロンを追ってるんだ」

その時分かった、この人は悪い人じゃあないと。

「なるほど今の一瞬でわかった。お前は敵でもなく味方でもないって事をな」

私は美人の横に着いた。

「今は共闘だ、同士討ちは無しだ」

「ラムダとジータ、今は休憩しておいてくれ。こいつらを私とこいつが片づける」

私はビー玉を手のひらから出し、戦闘準備をした。

「2人でかかってこい、俺とこの後輩は最強だ」

カマキリ男がそう言うと美人は何処からか剣を出した。

「ふん、セツナだな、お前は遠くからその球を投げてろ、私は避けながら奴を始末する」

「了解、なら行くぞ」

私はカマキリ男と体がグンバツの女のそばから離れた。

「ふん、2対1なら勝てる」

「それはどうかな」

私はビー玉を複数投げた。そしてそのビー玉は軽トラックに変わった。

「おっと、こんなことが出来るのかよ!?」

(現実世界ではこんな事できないけどなぁ……電脳世界だと暴れられるんだよ!!!)

軽トラックをカマキリ男が避けようとしていると美人が剣で奴をぶった切ろうとした。

「移動手段を消すんだよ」

「こりゃ苦しめられるが……俺たちには不利だな」

するとカマキリ男の真下にはヒビが現れ、そのままカマキリ男が消えた。

「逃げたか」

「……そうだな」

美人は私の方を向いてこういった。

「残る敵はあと一人って事か」

「人間関係、無理な物はムリッ!って事ね」

私は美人が振った剣をサイドステップでかわすとこういった。

「何動いてるんだ、今解放してやるって事だ」

「解放?人生からの解放ってことか?」

美人はため息をつき、再び私に向けて剣を突き刺して来ようとしたが私はサイドステップの後隙で動けなかった。

(貫かれる……!)

美人が突き刺した箇所、そこは私の影だった。

「居ないと思ったらそこにいたかマヌケめ」

美人が剣を引き抜くとそこから現れたのは体がグンバツの女だった。

「ぐっ……何故ばれたんだ」

「……私を狙ってたんじゃあなくてこいつを」

美人はどうして私の陰に奴が潜んでいたのか話した。

「戦いの途中にお前は姿を消した、最初はカマキリ男と同じように逃げたと錯覚させるように。だがここは電脳世界、太陽が無いのに影が見えてたなぁ」

「確かに太陽ないね……」

「お前は確実に殺す、体内にある起爆装置は壊してある、じっくり死んで行け」

美人の剣は奴の胴体に突き刺さっていて後数分で死ぬような傷だった。

「私を殺したって……ユプシロン様の事を話すわけないだろ……」

「私はユプシロンに近づくだけで十分だ」

そして美人は奴の体を剣の柄の部分まで突き刺した。

「死んだか、人間は脆い」

ここで私は気になっていることを聞いた。

「……あなたって一体何なの?敵でもなければ味方でもない、だとしたら何なの?」

「そうだな、自警団でもあり巡礼者だな」

そう言って美人は下にヒビを作った。

「ここを通って帰ろう、向こうで詳しい事を話そう」

「……はい」

私はラムダとジータを呼び、美人が作ったヒビを通って現実世界に帰ったのだった。だが美人の人の最終目的が分からない以上、不用意に近寄らない方がよさそうだ。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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