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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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29話 ゾンビ

私は頭から血を流している人に近づいて行った。

「大丈夫ですか……?」

私は頭から血を流している人の肩に手を置こうとした。だがその人は急に立ち上がり私と取っ組み合いになった。

「何!?いや!!」

奴が私の首元に噛みつこうとしたが千尋さんの鉈が奴の頭を切り裂いた。

「私の前で部下を傷つけさせないよ」

「千尋さん、ありがとう……」

「この人はもう死んでいる、バグが操っているんだ」

「でもバグが出てこないですよ?」

「恐らく脳に寄生してあって私の鉈の一撃で殺せたんだと思う」

「そうなんだ……」

「だからこのビルにいた人はほとんどが敵だと思わないといけないってね」

「だとしたらあの倒れている人は?」

私は倒れている人に指をさした。

「あれもバグに寄生されてるね」

「……まるでゾンビだね」

動きはまるでゾンビのようで君が悪いが死んでいると言われ、罪悪感は無かった。

「ひゃひゃひゃ!!」

ジータが笑いながらゾンビをナイフで切り付けていった。

「ジータ……一体どうしてそんなハイになってるんだよ」

「だって私の地元を荒らしたんだ、傷つき傷つけあいたいなって」

(ジータの地元はこのあたりだもんね……憤慨するのは当然の事か)

だが私は気が付いた。

「千尋さん、そういえば私の武器ってないですよね」

「そうだね、レガリアも基本的に遠距離だね」

戦闘用のレガリアはビー玉から軽トラを出すレガリアと自動追尾する矢を出すレガリア、遠距離で効果を発揮するレガリアだけだった。

(あれ、そういえば列車を破壊した奴を食べたよな……)

私はそのレガリアをどうやって発動するかわからなかった。

「……殴ればいいのかな」

私は廊下にいたゾンビ目掛けて走っていった。

「あいつで試してみるか」

私は思いっきり拳を握った。すると赤い閃光が走った。

「どっせい!!」

私がゾンビに向けて打った拳、それはとても速いストレートでゾンビの体を粉々にぶっ壊した。

「うわぁ……」

千尋さんはその威力に少しだけ引いていた。

「千尋さん、これってレガリアですよね?」

「そうだけど……それって食べた奴のレガリア?」

「多分そう、列車をぶち抜いた奴だと思う」

「あぁ、あの真っ二つになってた奴ね」

ラムダはさすがに大人しくしていた、レガリアが屋内で使えないのだ。

「ラムダ、私近距離で使えるレガリアあるからね~」

「ぐぬぬ……」

ラムダは悔しそうにしていた。ラムダのレガリアは酸性の霧で屋内では私たちもろとも溶かしてしまうのだ。こう思うと仲間思いなのかな。

「千尋さん、一体この建物に人何百人いるんですか!?」

「知らん!だけどこんな大量のバグ、さすがにきな臭いんだよね」

千尋さんはスマホを出し、どこかに電話をした。

「もしもし?北海道の例の件、恐らくアルターエゴが関わっている可能性あります」

私はジータのようにゾンビを粉砕していった。

「フン!!!」

「わぁ、セツナさんすごーい」

「ジータの方が凄いと思うよ、動き回って敵を斬りつけるのは」

私とジータは1階にいるゾンビをあらかた壊し終え、千尋さんの元に戻った。

「二人ともなんだかすっきりしたよね」

「そう?」

「私も強くなったのかも」

すると千尋さんがこの戦いについて分析していった。

「そういえば私なりに考えたけどさ、恐らくこの寄生するバグを連れてきたのはアルターエゴだと思うんだ」

「アルターエゴがこの事件を?」

「そうだ、恐らく一部のアルターエゴはこの人間社会を奪い取ろうとしているのかっていう考え」

「……つまりそいつらをぶっ倒せばいいってわけなのか?」

「そうだね、変なことが起きる前に私たちが解決するんだっていう心構えが大事だね。だがこの事件を引き起こしたアルターエゴは何処に居るかっていうところなんだよね」

「多分上じゃあないの?」

「どうして?」

「馬鹿と煙は高いところへのぼるって聞いたことはない?」

「聞いたことはあるけど……一旦せっちゃんのいう事に従おうか」

「じゃ、行こ―!」

そして私たちは最上階に向かって歩いた、この事件の主犯が居ると助かるのだが……。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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