25話 親友
私はレガリアの矢を出し、酸性の霧の円の中に居るカイに向けて投げた。
「へぇ、やるじゃんか」
カイは地面に軽トラックを出し、酸性の霧の円の外に出た。
「酸性の霧は軽トラックを溶かすんだよ!!!」
酸性の霧は軽トラックをどんどんと溶かし、カイを再び酸性の霧の円の中に居れた。
「セツナさん、私の手を掴んでて」
「わかった……でもどうして手を掴むの?」
ラムダは私が出した矢に紫色の球をぐいっとつけた。
「これを奴に投げる!」
紫色の球が引っ付いた矢はカイの足元に刺さった。
「へぇ、毒ガスと毒ガスのサンドイッチね」
カイは酸性の霧と酸性の霧の間に避難した。
「今だ!」
私は千尋さんたちに合図を出した。
「ヒャッハー!!!」
ジータは持参のナイフをぶんぶん振り回して酸性の霧に突っ込んでいった。
「私とジータってもしかして最高の組み合わせなのかな」
ジータが迫ってきているのを感じたカイは何も見えない中ビー玉を投げていった。
「何か来るぞ!?!?」
「じゃぁん」
ジータは肌を溶かされながらもカイに食らいついた。
「ぐおあぁぁ!?!?」
カイはぶっ飛ばされて酸性の霧の外に投げ出された。
「い……痛い……痛いよぉ」
「ぐえっ」
私とラムダは地面に思いっきり叩きつけられた。
(こりゃ打ち所が悪いなぁ……肋骨1本か2本折れてても仕方ないぞ)
私はよろめきながらも立ち上がった。
「肌がもうボロボロじゃあないかぁ?」
「なんだよお前ら!?」
「私たちの事か?」
私はカイの近くまで歩いていた。
「超常現象対策課だ」
そう言って私のデバウアーはカイを頭から吞み込んだ。
「……とても塩っぽい」
何故か味は旨くなく、とてもしょっぱかった。
「ラムダ、これでいいんだよな?」
「……ありがと、一部の過去を食べてくれてね」
いつの間にか痛みが無くなっていた。
(バグかアルターエゴを食べれば傷は治るのかなぁ……?)
千尋さんがこっちにやってくると私たちの怪我を見ていった。
「大丈夫!?」
「ラムダと私は多分肋骨折れてるかも」
「まぁあんな派手に着地したからね……仕方ないよ」
私は千尋さんに、ラムダはジータに肩を貸してもらってとにかくヒビの外に出た。
「ふぅ……今回はとても疲れたね……」
「そうだけど……何かごめんよ」
「いいんだよセツナさん、あいつは今考えてみると考えられない思考の持ち主だったから」
「でも裏切者……」
「いいんだ、今は超常現象対策課が私の居場所だからね」
「そうか……なら会社に帰ろうか」
「はーい」
私たちは駅まで歩き、電車に乗り込み会社に帰っていった。
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