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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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159話 進化

私たちは鏡花さんの家をあとにして会社に戻った、オフィスのドアを開けるとそこに居たのは見知らぬ女の子だった。その時私たち全員はこう思っただろう。

(誰!?)

そう、レミちゃんしかいなかったオフィスの鍵を閉めたのは千尋さん、つまりこの子は千尋さんの隠し子なのか!?

「千尋さん、私たちに黙って結婚してたんですね?」

「いや違うから!?私も知らないよこの子!?」

千尋さんの声を聞いた知らない女の子はしょんぼりしながらソファーに眠った。

「……しかしこの状況どうしたらいいのだ……?どうしたらいいのラムダ」

「いや私に言われたとて対処法が思いつかないんやが」

各々困っていると女の子がソファーの隙間からこっちを覗いてきた。

(ぐぅう……誘われているのか?でも敵だとしたらブスリだし味方だとしてもこんな警戒するのか???)

するとジータがこんなことを言ったのだ。

「でもあのソファー、いつもセツナさんとレミちゃんが座っていた場所だよね」

「……そうじゃん。だから誘われてるのか?」

(それにあの女の子、どこかで見覚えがあるようなないような……気のせいか?)

私はソファーにいる知らないこの事を覚えているようで覚えていなかった。

「せっちゃん、一度あの場所に行ってみて。レミちゃんが無事かどうか見てきて」

「分かったけどそれで死んだら骨は拾えよ」

私は静かにオフィスに入り、ソファーに近づいて行った。そしてソファーの距離が近くなるごとに知らない女の子の鼻息が荒くなっていった。

(なんだか怖いなぁ……)

ソファーを覗くとレミちゃんはおらず、その代わりに女の子が腹を出して転がっていた。

(レミちゃんは一体何処に行ったんだ!?)

私はレミちゃんを探しにオフィスの隅から隅まで探していった、だがどこにもレミちゃんがいないのだった。

「どこなのレミちゃん!?」

私は部屋中の家具をひっくり返しレミちゃんを探した、すると知らない女の子がなぜか慌て始めた。

(なんだこの女の子、しぐさや動きがまるでレミちゃんそっくりだ。それに目の色が似ている……まさか)

私は知らない女の子に近づき、頬をつねり、引き伸ばした。

「千尋さん、この子レミちゃんです」

「嘘ぉ!?!?あの事本当だったのか!?」

千尋さんは過去大阪に行ったときにレミちゃんの言葉を代弁していた。その時に言ったのは人間になりたいという言葉だと言うが……

「ほら、このモチモチ感、どことなくレミちゃんじゃない?」

「確かにモチモチがレミちゃんだ……だがどうしてレミちゃんとわかったんだ?」

「どこを探してもレミちゃんがいないのよ、その代わりにこの子がいた。つまりレミちゃんだよこの子は」

「どんな理屈なんだよ……」

私はソファーに座るとレミちゃんらしき女の子は太ももの上に乗ろうとしてきた。

「うーん、こりゃレミちゃんだ」

千尋さんも納得した、どうやらこの子はレミちゃんが人間になった姿のようだ。

「もしかしてだけど体調が悪かったのって人間になるための前準備だったのかな?」

「そうだろうな、だが凄い可愛いぞ」

千尋さんはレミちゃんの頬をつねったりもちっとしたりしていた。

「でもこれで安心できるよ」

こうしてレミちゃんは私が生きている内に人間になったのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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