表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

158/161

157話 運勢

そして準備を終えた私たちは総出で倉庫街に向かった。

(ここから最終決戦だ、気を引き締めないと)

主に戦うのは私とジータ。他のメンバーは後から来るミューの増援を処理する役割だ。

「多分だがここにミューがいるのか、作戦開始」

私はドアを蹴り開けた。するとそこに居たのはミューだった。

「待っていたぞ、超常現象対策課の二人」

私とジータは得物を持って中に入っていった、だがミューの手には武器なんてなかった。

「どうして武器、持ってないんだ?」

「私には武器はいらない。そもそも似合わない」

そう言ってミューはファイティングポーズをとった。

「来い、ラッキーパワーでぶちのめす」

(どういうことだ、ミューはどうしてこんな肉体派なのだ?)

私は奴の覚悟に乗じて刀を消した。

「いいだろう、その覚悟に乗じて拳で戦う」

私も拳で戦う事にするとミューは薄ら笑いをした。

「同じ土俵で戦うとは、気持ちがいい奴だな」

「ああ、来いよ」

ジータは私の命令が無い限り動くなという作戦だ。

「じゃ私から行かせてもらう!」

ミューは右のストレートを繰り出してきたが私はそれを受け止めた、だが左のストレートが私の腹を打ち抜いた。

「うっ」

(腹にストレートを喰らった……なかなかのやり手か)

「ほらほら来ないのか?」

ミューが再び右のストレートを打ち込んできたが私はそれをかわし、ミューのそばに入った。

「どらぁ!」

私はミューの伸び切った右腕を掴んで投げ飛ばした。

「ゴァ」

背骨が砕ける音が倉庫に響いたがミューは立ち上がった。

「まだまだだ……まだ行くぞ!」

ミューは背中をなんだか悪い動きをしながら私に殴りかかってきた。私は再びミューを背負い投げをして地面に叩きつけた。

「おらぁ!!」

「ガァァアア!!!」

背骨が折れる音が倉庫内に木霊するとミューは立ち上がろうとした。

(もしかしてミューは戦いの経験値が足りないのか……?)

「背骨が折れても私は立ち上がるぞ」

私はミューに対して思っていたことを言った。

「どうしてそこまでボロボロになりながら戦うんだ?」

「私の夢をかなえるためだ……来い!」

私は拳を降ろした。

「いや、私はもうお前を殴らない」

「どうしたんだ!来いよ!!」

私はどうしてミューと戦っているのか分からなくなったのだ。

「どうして私たちは戦ってるんだ?」

「何を言ってるんだ?」

「何を大義に戦ってるのか、分からなくなってね。もうやめにしないか?」

そう、大義が無い戦いになってきていた事に私は疑問を持ったのだ。

「確かに大義は無い、これ以上戦っても無駄だろう。だが私は今闘争を求めている。戦おうぞ」

ミューは私に拳を振ってきたが弱弱しくなっていた。

「もうやめようよ、なぁ」

「うるさい……」

私はミューを軽く突き放し、ミューは頭から地面にぶつかった。

「あなたの夢は知らない、なんなの?」

「……私はただ……バカを出来る仲間が欲しかっただけだ。その過程で犯罪者が知らないうちに入り、そして私がそれを知らずにレガリアを幸運の力で与えてしまった。すべての責任は私にあるんだ」

確かに戦ってきたアルターエゴには明らかに一般人と似た思考の持ち主がいた。全員ミューに心酔していたわけではなかったのだ。

「それで、これからの落とし前はどうするの?死んだ人たちや被害に遭った人たちにどうやって保証をするの?」

「……それは後で決める」

その時何処からか白い球を投げられてきた。それはラムダのレガリアの回復霧だった。

「何だかボロボロじゃないの?」

「ラムダ……どうしてミューを回復させるんだ!?」

「私個人の思い入れが強いかな。レガリアを手に入れたきっかけがミューだったんだ。だから感謝をしている」

「……背骨が治っていく」

ミューはゆっくりと立ち上がると体をひねり始めた。

「もういいね」

「そうだな、完敗だな」

ミューはそう言って笑った。

「罪は一応償ってもらうからね」

「分かってる、獄中でも楽しくやってくるよ」

そう言ってミューは自ら警察に赴いたのだった。

(なんだかあっけない終わり方だったな。でも平和に解決するのが一番いいのかな)

私たちは倉庫の外に出るとみんなが待っていた。

「じゃ、一緒に会社に帰ろうか」

「そうだな、なんだかあっけなさすぎる最後だ」

「そうだね、でも平和的に解決したんだから誉めてほしいな」

「はいはい、周りに被害を出さずにえらいな」

こうして私とミューの戦いは静かに終わり、この街に一時の平和が訪れたのだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

少しでも続きが気になる、それか面白ければブックマーク・評価・いいね・感想・レビューをお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ