152話 システムの番人
超常現象対策課のオフィスに帰ってくるとテレビが刑務所のシステムが元に戻ったことを知らせていたのだった。
「全国のシステムを直したのか、凄いなシグマ」
「そうだな、それにこの事はミューが関わっている事が分かった以上調査に取り掛からないとな」
千尋さんはそう言ってどこかに電話をし始めた。
「千尋さん、どこに電話をしてるんですか?」
「この地域の極道だ、まぁ極道と言っていいのか分からない奴らだけど」
千尋さんは電話をしながらオフィスの外に出ていった。
(千尋さんってどれだけ人脈が広いんだ……?)
本格的に超常現象対策課が動き出し、最初に行ったことは千尋さんの知り合いにこの事を伝える事だった。そして千尋さんが帰って来たので私はどうして極道にこの事を伝えたのか聞いた。
「あー何故極道にこの事を伝えたかって?回答は一つだけ、極道はシマ荒らしを許さない。たとえそいつがシマの外に居てもだ」
「シマって極道の縄張りですかね?」
「そうだ、それにあいつらは任侠組織だ。目くじらを立てて捜査するだろう」
「でも私たちはこの後どうしたらいいんですか?」
「当然街中に出てミューを捕らえる。だが姿形が分からないから不意打ちっていう形で戦いに入るだろうな」
千尋さんは鉈を持って外に出た。
「だから今から街中を歩いて不意打ちしてくる奴を狙う。せっちゃんついてきて」
「分かった、他のみんなは何をさせてたらいいの?」
「ここに待機しておいてほしいね」
そして私と千尋さんは街中に出た、刑務所の騒ぎがあり街中に人はあまりいなかった。
(やっぱりあのニュースが流れてると人がいなくなるよね、でも逆にありがたいかも)
後ろから来る人の音が良く聞こえるからとてもありがたいと言えるのだ。
「千尋さん、とっても道が広いですね」
「こんな街中は見た事無いな……」
千尋さんはこんな人のいない街を見た事が無いようだ。
「店もやってないしなんだか寂しいですね」
「そうだな」
街中を歩いて行くと人が全く歩いていない商店街があった。
「ちょっと待って、電話が来た」
千尋さんは電話に出ながら飲み物を飲もうとした、だがその相手が予想外すぎて吹いたのだった。
「ブッフゥゥウ」
「千尋さんどうしました!?」
「いや……電話の相手がシグマだった」
すると電話からシグマの声がでかでかと聞こえた。
「やぁ、元気かな?」
「まぁ元気だけどそっちは?」
「ゲロマズの飯でうんざり、だけど今からそっちに護送されていくからね」
「どうして護送されるんだ?」
「あんたらが居るからね、それで私と霧切が一時的にだけど釈放されることになった」
「そうか、よかったな」
「じゃ、着いたら電話するね」
電話を切ると千尋さんは訝しむ顔でこっち見た。
「シグマってあんな陽気だっけ?」
「いや、子供だったような気がする」
そして私たちは街中を歩く人を見つけに街を歩いて行ったのだった。ただ街中を歩く人たちは恐らくミューの仲間かもしれないという懸念点があるのだが……
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