145話 総動員
数時間後、部屋に千尋さんが帰ってきた。
「面白い事を聞かされたよ。聞きたい?」
「内容だけ言ってくださいよ千尋さん、面白そうだと思ったら聞きます」
「そうだなぁ~この街の人々がミューを探すのに協力するって」
「気になる、詳しく」
私は千尋さんが持ってきた話題が気になり中身を聞いた。
「この街に居る極道やら半グレやらに協力を仰いでミューを潰す事だね」
「つまりこの街はとても騒がしくなるのね」
「そうだ、それにここにミューがいる事、つまりミューの側近がいる可能性があると言う事。どこもかしこも戦いになるかもな」
その事を聞いてラムダはため息をついた。
「私の仕事を増やさないで」
「大丈夫、大戦争に伴って医療班が再編されるから安心して」
「そうか、なら私はここにいる人員に気を配ればいいっていう感じね」
「そしてミューは私たちがここにいる事が分かっているかもしれない、だから大きな事を起こさないだろう。だが少なからず目的に向かって突き進んでいくだろう、その事を鑑みてミューを嵌める罠を作るぞ」
「作るって熊を捕らえるような籠罠を造るの?」
「いやそんな物理的な物は作らないよ、それに作ったとしても引っかからないぞ」
私はカバンを探し、レミちゃんを出した、だが何故だろうか、レミちゃんがぐったりしていた。
「レミちゃん大丈夫!?」
「ぐったりしてるね……何か病気にかかったのかな」
「ならこれを使うでござる、バグでも治るかもしれん」
鏡花さんが回復薬を渡してくると私はレミちゃんに注射を打った。
(おっと、暴れるなよ~)
注射を打ったがレミちゃんはぐったりとしたまま動かなかった。
「ぐったりしたままでござるか……」
「酷い扱いしたことなかったのにどうしてなんだ?」
私はレミちゃんを寝かせ、すぐ回復するように水とご飯をそばに置いた。
「とりあえずレミちゃんを治療してからかな」
「じゃ、ミューを探すのは捜索課と解析課のタッグが探してくれるらしい、私たちは疑わしい場所に向かって確認する役目だ、それまでは待機という事だからゆっくりしていてくれ」
千尋さんは私たちに待機指示をするとアイマスクを着け眠った。
(千尋さんはとても眠かったんだね)
私は千尋さんに布団をかけ、別室に置いてある新聞を読み始めたのだった。
最後まで見てくれてありがとうございます。
少しでも続きが気になる、それか面白ければブックマーク・評価・いいね・感想・レビューをお願いします!




