144話 最後の準備
ライさんはどこかに電話し終えると私たちにこう告げた。
「今日でここから去る、逃げるぞ」
「どうしてなんですか?」
「恐らくミューはすでに私たちの居場所を分かっている、いつ攻撃を受けてもおかしくないんだ」
「それはそうですけど今から行動するんですか?」
「ああ、今すぐ荷物をまとめて逃げるぞ!」
その声で一斉に荷物をまとめ始めた。
(ミューは私たちの居場所を分かってるのか、なら急がないと)
先に部屋から出たのは鏡花さんだった。
「ほら早く行くでござる」
「鏡花さんの荷物少ないなぁ」
「いやあいつの下着やら服やらは洗ってないんだぞ?そりゃ荷物少なくて済むんだよなぁ」
数分後、あらかたの荷物をキャリーケースに入れ終え、急いでホテルから出ていった。
「みんな、近くの駅に電車を用意してある!急いでそれに乗り込むぞ!」
「飛行機だと駄目なの?」
「ああ、予想だがミューはレガリアで墜としてくる。だから飛行機は使えないんだ!」
「幸運恐るべし」
知覚の駅に向かうとすでに会社に停まっていた電車があった。
「乗り込めぇ!!!」
電車に全員乗り込むと発進し始めた。
「しかしこの電車に乗り込むの初めてだ」
そうライさんが言うといろいろなところを探し始めた。
「駅弁システムここでもあるんだ……」
「それ、せっちゃんがいつも3箱4箱平らげるぞ」
「セツナってもしかして胃袋無限なの?」
ライさんは私の方向を見た。
「私ね、満腹をあまり感じにくい体なんだ、今の腹の調子は空腹でもなく満腹でもないって感じ」
「ありゃ~なら後で焼き肉奢らないとな、もちろん食べ放題だね!」
そんな事を話しながら電車は300km/hを越えていた。
「一体この電車は何処を走ってるの?」
「線路だね、まぁ偶に線路じゃない所を走ってるけど」
「線路じゃない所?」
「ほら、電車が走る場所って地上だけだと思ってるでしょ」
すると急に電車が浮き始めた。
「一応だけどこの電車はまだ未公開の電車、名前はPEGASUS号、空中に線路を作り出して早く目的地に着く目的で設計開発された電車だ」
「ならいつか地下にある電車はお役御免になるんですね」
「そうだね、でも移動時間がグンと縮まるね」
ライさんはPEGASUS号の事について話していた、空を飛ぶ電車はなんだかロマンがある。
「もうすぐしたら会社に着くぞ、衝撃に備えろよ」
「えっ?」
PEGASUS号はけたたましい音を鳴らして線路に着地した。
「どわぁぁ!?!?」
「まだ未公開の電車だから訳ありなんだよ、まだ衝撃を抑えるものを作れてないんだ」
「だから未公開なのね……」
そして電車は会社の地下に着き、各々の課に戻っていった。
「ライさんはどうして私たちに着いてくるんです?」
「千尋に話したいことがあるんだ、こっちに来てくれるか」
ライさんは千尋さんを連れてどこかに行った。するとライさんは脳に直接声をかけてきた。
「ついてこないで」
「……脳内に直接声をかけないでくださいよ」
そして私たちは千尋さんが帰って来るまで荷解きをしたのだった。ただライさんが千尋さんを連れていくときの顔はなんだか笑っているようだったが……気のせいだろうか?
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