131話 自警団
「ねぇ、その斧を持ってた奴の元に連れて行ってもらっていい?」
ライさんはそう言った。
「危険だと思うけど、千尋さんはどうするんですか?」
「戦闘しなければ大丈夫だけど」
ライさんは私と鏡花さんを連れて外に出ていった。
「いつ襲ってくるか分からないからね、気を付けないと」
ライさんは武器を持っておらず、私と鏡花さんは刀を持っていた。
(しかしどうしてライさんは斧を持った奴に会いたいって言いだしたんだ?)
そして斧を持った奴とあった場所に向かうとまだあの野郎はいた。
「おい!そこのお前!」
「あ?さっき逃げた奴だな?」
斧を持った奴は私たちに向かうとライさんは奴の思考を読んでいそうだった。
(ここは一旦ライさんの指示待ちかな)
ライさんは斧を持った奴に声をかけた。
「ねぇ、あなたって一体何者なの?」
「何だ?声をかけて」
奴は足に力を入れたが全く歩くことが出来なかった。
「どうしてだ……動けない」
「私はあなたの動きを止めている、心を読んでみたけどあなたはここの自警団の人たちだよね」
目の前にいる奴はその事を聞いて驚いていた。
「私たちは敵意がない、ただこの地域で暴れていた奴を始末しに来ただけだ」
「その話を信じろと言われても俺は信じ切れないな」
「そうだろうな、いきなり体の自由が無くなってるからな」
ライさんは後ろに下がり、私たちの後ろに着いた。
「あなたは地域を守るために私たちを殺すのか、やってみな」
奴が動き出すと私は刀を構えた。
(こいつは殺したらダメだ!どうにかして動きを止めないと)
「四季の舞・冬!」
私は最小限の動きで奴の懐に潜り込んだ。
「重たい物を持ってると小回りが利かないよね」
私は奴の首筋にみねうちを食らわせた。だが奴の首筋が隆起してガードした。
「何だよこれ化け物か!?」
奴の斧が私に振られていたが私は刀を斧の刃に合わせガードした。
(すごい一撃だ!これを数発受けたら刀が折れるぞ!?)
私は再びみねうちを食らわせようとした、だがその時何処からか大声が聞こえてきた。
「おい柳楽!やめろ!」
すると奴の動きが止まった。
「むっ……」
奴はバックステップを踏み、とある男のそばに飛んでいった。
「ふん、中々だ」
「あなた、その斧を持った奴の親玉?」
「そうだ、お前たちはいったいなんだ?」
「俺らか、この地域の悪人を裁く自警団だ。気になるのならこの場所に来るがいい」
奴は地図を投げ捨て、消えていった。
「へぇ、消えていったのか」
ライさんは地図を拾った。
「とりあえず事を伝えないといけないか」
私たちは一旦ホテルに帰り、この後の行動について考え始めるのだった。
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