109話 うどん地獄
翌日、結局徹夜して千尋さんの手伝いをした私はフラフラだった。
「せっちゃん大丈夫?」
「いや千尋さんのせいでこうなってるんですよ!?」
「いやぁ~私ね、電子機器に弱いから助かるよ~」
(全く、千尋さんは人使いが荒いなぁ)
そして昼行動はみんなでうどん屋突撃だった。
「これが本場のうどんかぁ」
「讃岐うどんだね、コシが凄い良いんだよな」
ふと私はレイさんの事を思い出した。
(そういえばレイさんは白い物が好きって言ってたなぁ、レイさんを連れてきた方がよかったか)
「それであんたら三人は何をしてるのよ」
ラムダとジータ、あとタウは各々揚げ物をうどんに漬けてた。
「いいじゃんか、食べ方は人それぞれだよ?」
「ねーちゃんの言うとおりだね!」
「ラムダ、良いこと言うじゃんか」
「あんたらグルか!?」
鏡花さんはうどんを噛まずに食べていった、人それぞれ癖があるのだ。
「千尋さん、この後はどうするんですか?」
「敵は昼間動いていないっていう確証はないからな、情報収集するぞ」
私たちはうどんを食べ終えると3人一組で情報収集していった。
「私たちは昨夜ゾンビが現れた場所に行くぞ」
「ゾンビの元は人間ですよね?」
「ウイルスに感染して変異してるんだろう、だとするとどこかで人を調達していると言う事になるな」
「つまりどこかから人を誘拐しているってことでござるな」
「そうだな、仕方ないが裏の力を頼るしかないようだ」
千尋さんはどこかに電話を掛けた。
「もしもし、四国の情報屋ですか?」
(情報屋……なんだかワクワクする単語だなぁ)
「ええ、ではそこで待ってますので来てください」
千尋さんは電話を切ると路地裏に向かって歩き出した。
「千尋さん何処に行くんですか?」
「情報屋とコンタクトをとった、待ち合わせ場所に行くだけだ」
私と鏡花さんは千尋さんの後を追って路地裏に入っていった。中はとても暗く、じめじめしていた。
(こんな場所で待ち合わせ?なんだか胡散臭いなぁ)
すると暗闇から黒スーツの人がやってきた。
「さっき電話をくれた人だね」
「そうだ、昨夜のゾンビの件を伝えに来た。その代わりにここ最近で起こっている誘拐事件、知っているのなら教えてほしい」
「いいよ、僕も全くゾンビの事について知らなかったから助かるよ」
千尋さんはゾンビの習性やら特性を話していった。
「興味深いね、さすが南の傭兵さんだ」
「それで誘拐事件の件、分かってるか?」
「ああ、最近夜の時間帯に繁華街で誘拐事件が多いね、それと全国の刑務所から囚人が忽然と消えると言う事が起こっている。
「繁華街か、それって半グレとかの事件も入ってるか?」
「そうだね、主犯格の二人は半グレを金で雇い人を攫っているという」
(主犯格は二人、恐らくだがアルファとオメガの事かな)
その時路地からふらふらと歩いてくる人間が来た。
「おっと、今は昼なのにゾンビが現れたようだけど?」
「暗ければ活動できるのか、まぁそれはそれでいいか」
私は刀を出した。
(遮蔽は無い、つまり奴は撃ってくる!)
私は集中力を高め、そしてゾンビが撃ってきた弾を斬っていった。
「へぇ、知性あるのか」
「そんなことを言ってないで速く逃げてください!」
私はじわりじわりとゾンビに近寄っていった、奴の弾切れを待っていた。
(まだか、まだ弾切れしないのか)
弾切れを起こすと私は一気に詰めた。
「お前の鉛玉はもう飽きたんだよ」
私はゾンビを縦に斬った。
「チェリャァァ!!!」
そして私はゾンビを蹴とばした。
「凄い戦闘力だ、こんな狭い場所で刀を振り回すとは」
「これが私たちの力だ」
「やっぱり南の傭兵さんは凄いなぁ」
そして私たちは情報屋から情報を聞き、そしてホテルに戻っていった。
(これで情報が割れた、最初に半グレを始末する、そして親玉のアルファとオメガを始末するっていう手順かな)
「千尋さん、半グレを始末してからアルファとオメガを始末しますか?」
「今の状況で考えられる戦略はそうだな、だが不確定要素がある、それはアルファとオメガが潜伏している場所だ。場所が分からない限りきっちり始末できるとは分からない」
そう言って私たちは部屋に入っていった。
「さてと、半グレ襲撃は選抜部隊で行く、3人だ。せっちゃんとラムダ、あとタウだ」
千尋さんの人選、それは何かを見越していた。
「どうして私は選抜メンバーに入ってないのでござるか?」
「私とジータ、そして鏡花さんは残ってもらう、鏡花さんは私とジータを、私は二人を、そしてジータは私と鏡花さんを守ってほしい」
「敵はセツナを狙っているわけではないと言う事でござるか?」
「そうだね、だから2組で動くことになる。そして半グレ襲撃犯は夜にお願い」
「分かりましたよ~なら夜まで自由時間ってことですね」
「そうなるな、なら解散!」
千尋さんの号令で私たちは自由時間になったのだった。
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