108話 鈍痛
ご飯を食べている途中でラムダたちがやってきた。
「こっちこっち~」
「あっ、千尋さんとセツナさんいた」
ラムダたちが席に座るとレミちゃんが私の膝に座ってきた。
「これが気になるのか?」
私はフォークを使ってレミちゃんにカツオのたたきを食べさせようとしたがレミちゃんが私の手を抑えてきた。
「んなごなご」
レミちゃんは私の握り方を真似をしてフォークを掴んで自らの口に食べ物を運んだ。
(レミちゃんなんだか成長早くないか?)
私は親ばか気味にレミちゃんをほめちぎった。
「えらいねぇ~自分で食べれるのか~」
「なんだかセツナが親ばかなんだけど、あの謎生物は何なの?」
「タウ……あれはバグだけどセツナに懐いている奴、それで親ばかはセツナさんの素だからね」
ラムダはタウに私のことを言っていた。
「何変なことを言ってるのよ」
「事実を言ってるだけだよ~」
そして食べていくうちにみんなの好みがじわじわと分かってきた。
(千尋さんはバランスよく食べ、ラムダとジータは肉を食べる、そして鏡花さんは野菜中心かぁ、なんだかこうしてみると面白いな。もしかしてライさんはこういう光景を物凄く楽しめるってことだな)
私は人間観察が好きと思えるようになってきていた。
「せっちゃん食べないのか?」
「食べるよ、食べるけどさみんなの好みがわかって来たなぁって」
「まぁ、肉食やら草食やらわかって来たね」
私はレミちゃんを席に置き、食べ物を取りに行ったがなんだかもめている様子だった。
(なんだかめんどくさそうな人がいるなぁ……遠回りしていこうかな)
私は遠回りをして食べ物を取りに行った。すると揉めているババアが皿を投げ私の頭にクリーンヒットした。
「ガッ!?」
持っていた皿がパリーンと割れ、地面に倒れた。
(なんだこの痛みは……視界が)
視界がぼやける中、割れた皿の破片が足に刺さった。その痛みで意識がはっきりとした。
「いってぇぇ!!」
私はこみあげてくる怒りとババアの殺意を抑え、立ち上がった。
「みんな、大丈夫だ」
「頭から血出てるけど!?」
頭を触ると血がかすかに出ていた。
「大丈夫って言ったら大丈夫だ」
私は血の付いた手のひらでババアの服を汚した。
「何よアンタ!?私の服に」
「服が……何だって?」
私は不気味に笑いながらババアの顔を見た。
「ヒッ……いやぁぁぁああ化け物ぉぉぉお!!!」
ババアは私の顔を見て逃げていった。
「せっちゃんだいじょうぶなの!?」
「今から気絶するよ」
私はそう言ってから倒れた。
「なら無茶をするなよ!?」
ラムダは白色の球でわたしを回復させた。
「さすがに皿が頭に当たった時が効くね……」
「仕方ないよ、灰皿を頭にぶつけて殺すってこともあるから死ななかっただけマシだよ」
「そうだね、ありがとうよ」
そして私と千尋さんはごちそうさまをし、先に部屋に帰った。
「まったく食事で流血沙汰になるとは」
「どうしてこうなったのか……」
「でもあのババアはこのホテルに宿泊してるんでしょ?」
「そうだね、まったく休める気がしないよ」
そう言って私はベッドに横になった。
「私はもう寝るよ、千尋さんはどうするんだ?」
「私はライさんに送る資料があるからね、作って送ってから寝るよ」
「なら先に寝ますね、お休みなさーい」
「おやすみ」
私は目を閉じると千尋さんはパソコンを取り出した、だが涙目でわたしを起こしてきた。
「ごめん、資料を作ってくれない?」
「そういえば千尋さんはパソコンを扱えないんだっけ、いいよ」
そして私は寝ようとしたが千尋さんがライさんに出す資料を作ることになった。その間に千尋さんは紙にゾンビの事について書いて行ったのだった。
「明日からどうします?」
「恐らく奴らは夜に活動するやつらだ、夜まで自由時間で銃声が鳴り次第そこに急行するという感じでいいね」
「夜ですか、わかりました」
明日からの動きは大まかに決めて私はその事を含めて資料を作っていった。
「なら資料をライさんに送ってくれない?」
「千尋さんやってくださいよ、あなたの仕事でしょ?」
「そう言われるとなぁ……よし、横で声を出してアドバイスをしていって」
私は千尋さんの横に来ると声を出してアドバイスをしていったのだった。まったく千尋さんは機械に対してポンコツなのだから介護しないといけないのだ。
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