105話 うどんの国
飛行機が無事に着陸すると私は足ガクガクで降りた。
「良かったぁ~」
「お疲れ、レミちゃんが流れてくるのを待とうか」
私は荷物を受け取る場所に向かい、レミちゃんが流れてくるまで待った。
「せっちゃん、香川県に来たらまず何をする?」
「さぁ、何するか分からないんだけど」
「うどんを食べる事でしょ」
千尋さんはそうドヤっと言ったが私は冷めた目で言った。
「そうなのね」
「せっちゃんなんだか冷たいなぁ、よしよし」
「どうして私の頭をよしよしするの!?」
鏡花さんは荷物を受け取る場所にしがみついていた、刀がいち早く流れてきてほしいと思っていそうだった。
(ラムダとジータは静かに荷物が流れてくるのを待ってるのに鏡花さんが迫真の格好で刀を待っているのにすべての感情が持っていかれるな)
「おっと、流れてきたよ」
私の荷物の上にレミちゃんが刀を持って出てきた。
「うぉ……なんだか刀を持ってる」
「ありがとぉぉ一緒に持ってきたのね~よしよし~」
鏡花さんは刀を持ってきたレミちゃんを撫でていた。
「さてと、宿泊するホテルに行くぞ~」
「それでここからホテルまで徒歩何分ですか?」
「徒歩だと1時間だね、だからバスで行く!」
私たちはバスに乗り込み、レミちゃんをカバンにしまった。
(バスかぁ、いい思い出が無いんだよな)
私たちはバスで宿泊するホテルの最寄りまで乗った。
「道中襲われないっていう保証はないからな、私はこれに手を出しておく」
千尋さんは万が一襲撃された時に反応できるように鉈に手をかけていた。
「そうだよね、千尋さん頼むよ」
どんどんとバスが進み、静けさだけが耳に聞こえ続けていて平和を感じ取れていた。
(本当にこの土地で超常現象が起きてるのか?)
そして無事にホテルの最寄りに着くと私たちはバスを降りた。
「ふぅ、ここから少し歩くぞ」
「無事についたなぁ~」
「よかったよかった」
私たちはキャリーケースを転がしながらホテルに向かって歩いて行った、そしてホテル前に着くと私たちは仰天した。
「毎度毎度だけど凄い大きいホテルだなぁ」
「でしょ、なんだか毎回こんなホテルに泊まらさせてくれるライさんに感謝だな」
「そうだね、中に入ろうか」
私たちはホテルの中に入り、チェックインを済ませて部屋の鍵を貰った。
「エレベーターで上に行こうか」
「分かったけどこのホテルにコンビニは無いのね」
「その代わり売店はあるけど」
何か食べたいものがあれば売店に行けばありそうだ、そして宿泊部屋までエレベーターで移動して部屋に入っていった。
「まぁまぁ広いな」
大阪の宿の部屋よりかは少し小さいが5人宿泊するのには十分すぎる広さだった。
「さてと、今日から動いていくぞ」
千尋さんは私を連れて香川の街に繰り出した。
「平和な街だと思いますけどね……」
「そうだね、本当にここにいるのだろうか?」
私たちは街中を歩いたが全くと言っていいほどに敵が居なかった。
「敵いなかったね」
「そうだね、不思議だ」
私たちは宿に帰ってくるとなぜか騒がしかった。
「なんだなんだ?」
ドアを開けるとなぜか部屋中にラムダの服が散らかっていてキャリーケースの上にタウが下着姿で立っていた。
「なんであなたが居るのよ!?それにどうして下着姿なんだよ!?」
「レガリアの偶にあるバグなんだ、これがあるから自身をカードにしたくないんだよな」
「……なんでタウがここに居るんだよ!?」
私たちはタウを一旦拘束した。
「いつから隠れてたの?」
「昨日からキャリーケースに隠れてたんだ、多分だが洗濯物を持っていったときに入り込んだ」
「でもどうしてラムダのキャリーケースに入ってたの?」
「だって同郷の仲間だし~」
「とはいってもどうして私のキャリーケースに入ってたんだ?酸性の霧の球飲み込むか?」
「いいや、体の中がドロドロになるから嫌だ」
(でもどうしてタウはラムダのキャリーケースに入り込んだ本当の理由は何だろう?)
私たちはタウの拘束を解き、服を貸し出した。
「ありがとう、恩に着るよ。この恩は忘れない」
タウは部屋から出ようとしたが去り際にこの一言。
「ラムダの服、良い匂いだった」
タウは徒歩で部屋を出ていった。
「まさか移動費を節約するためにラムダのキャリーケースに?」
「まぁ大阪人は節約したがるからね、仕方ないよ」
そして私たちは収穫無しで今日の探索を終えたのだった。
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