104話 ハイテクテクノロジー
「いやぁ~まさか会社の中に洗濯機があるなんて思わないよ」
会社の中に洗濯機が置いてあり、張り紙にはご自由にどうぞと書かれてあった。
「これ私が要望した洗濯機なんだけどな……住み込みで働いている人にはありがたいんだ」
「確かにありがたいですね、でもどうして鏡花さんは布切れを洗うんだ?」
「着物やら下着でござる」
私たちは洗濯機に洗濯物を入れた。
「じゃ、ここをぽちって押したら勝手に洗濯始まるから10分待とうか」
「10分……なんだか短いな」
十分経ち、千尋さんは洗濯機を開けた。
「うん、見事に洗濯されてる、それに乾燥機にかけられてるし最高」
「とてもハイテクだなぁ」
私たちは洗濯物を取り、キャリーケースの中に入れていったのだった。
「しかしハイテクすぎるのもなんだか身の丈に合わないんだよなぁ……せっちゃんはどう思う?」
「便利になっていいと思います」
「聞いた人が間違ってたようだ」
千尋さんはそう言うとせっせとキャリーケースに荷物を入れていった。
「でも今度は香川に行くのか、ホテルは何処になるんだろ」
「千尋さん、今思ったんですけど会社の金ってどこから湧いてくるんですか?」
私は会社の資金源について千尋さんに聞きに行った。
「大体は投資とかで集めてるって聞いたことがある、あとパン屋の収益だね」
「パン屋って、元々はパンを焼いていたんですか!?」
「いいや、今の生活課で働いている人が一生懸命にパンを焼いて収益を上げたんだ」
「そうなんですね……つまりライさんとパン屋は仲がいいって事ですね?」
「そう考えれるな」
そして私たちは明日の移動に備えて眠ることにした、千尋さんは棚から布団を取り出した。
「広くなったんだしこれを敷いて寝るぞ」
前までは狭い部屋ですし詰め状態で眠っていたが広くなったおかげで布団を敷いて寝れるようになったのだ。
「快適だなぁ」
「ゴロゴロできる、今はそれだけでいいな」
「ねーちゃん、一緒に寝よ~」
千尋さんが部屋の電気を暗くすると私たちは目を閉じた。
(疲れがどっと来るけど明日は香川に行かないといけないのか、さすがに体のどこかに不調が出そうだなぁ)
私はそう思いながら眠りについた、鏡花さんは刀と共に寝ていったのだった。
翌日、目が覚めると私は新聞が積まれている場所に向かった。
(あれ、レミちゃんが落ちてる)
どうやらレミちゃんは新聞を読むのに没頭しすぎて眠ってしまったようだった。
「仕方ないなぁ」
私はレミちゃんを抱えると私の布団に入れた。
(さて、新聞を読み始めるか)
一度読んだ新聞でも忘れた頃に読むとかなり面白く読めることを発見した私は一度見た新聞や新しい新聞を見ることに没頭した。
(この紙質が何だかいいんだよな、何にでも使えるような紙だ)
新聞を読み始めて数時間、みんなが起きてくると千尋さんが声をかけてきた。
「せっちゃん、ここに居たのか」
「千尋さん、もう出ますか?」
「そうだ、着替えて出発するぞ」
私は外服に着替え、近くの空港に向かっていった。
「みんなキチンと寝れたか?」
「ジータが横でもぞもぞしてたからあまり寝れなかった」
「ねーちゃんが起きなかったからでしょ?」
「そこ二人は仲が友人だなぁ~いいね~」
鏡花さんは刀を堂々と腰に提げて移動していた。
「鏡花さん、その刀隠して街中を歩かないんですね」
「ああ、これとは一心同体だ」
(鏡花さんって刀に対しては恋人のようにケアをするのか、全く男に興味なさそうだなぁ)
そして空港にたどり着くと私たちは保安検査場を通った。そして毎度のお約束で鏡花さんの刀とレミちゃんは貨物室行きだった。
「私の刀がぁぁ」
「何回その件やるのよ」
「まぁまぁ、剣士にとって刀は友達なんだろ。人の友達なんていなさそうな鏡花さんだもんね」
千尋さんは鏡花さんに向けて辛辣な言葉を向けた。
「私だって友達いるよ!!」
「おっと、それはごめん」
そして外を見ると荷物が飛行機に運ばれていく様子が見えた。あそこに鏡花さんの刀とレミちゃんがいるとなるとなんだかおもしろいなと感じた。
「おっと、もう少ししたら搭乗時間だし準備しようか」
私たちはトイレの用事を済ませ、飛行機に乗り込んでいった。
(でももう飛行機に乗り慣れたからいいけど今回こそは無事に向こうに着けるといいなぁ)
私は墜落しない事を祈りながらジュースを飲んでいった。
「さて、もう離陸するからね」
千尋さんは私の手を握り、安心させてくれた。こうして飛び立った飛行機は香川の空港に向かうのであった。
「いい匂いだな」
だが貨物室のとあるキャリーケースの中に誰かが紛れ込んでいたのだった。
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