84話 - 外面も大切です
今日からタイトルを……
最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の引きこもりを目指したいと思います
に変更しました!!
「おう、そうだ。それと帰る前に……」
『ん?どした?』
「あ、いやおっさんからのアドバイスだ。エステルの嬢ちゃんに」
「はい、なんでしょうか?」
「そこのスライム二人にはアドバイスできんのだが。まぁ俺の方が弱いことわかってて敢えて言うぞ。嬢ちゃんとちっとだけ手合わせしたときに感じたことだ」
「はい!アドバイス助かります!」
「嬢ちゃん我流だろ?」
「そうですね……教えてもらえる人はいなかったので……」
そうなんだよなぁ……僕が戦い教えられるわけではなかったから……
「嬢ちゃんはまず動きがデカすぎるな」
「あ、はい……ダメでしょうか……」
「いいや?俺はいいと思うぞ?むしろ玄人に刺さりやすい」
『どういうことだ?』
「基本武術ってーのは隙を少なく、無駄を少なく、最小の力で最短距離で刺すと、そういうイメージで作られていることが多いな」
おお。武術っぽい。
「嬢ちゃんの動きは真逆なんだよ。ド派手だし無駄がおおい」
エステル派手な技好きだからなぁ……
「はい……すみません……」
「いや、だから慣れてるやつ程予想し辛いんだよ。無駄な動きがないっていうのは早いし強いが道筋が限られてくるんだよ。だからそこをガードしちまえば攻撃を防げたりするんだ。逆に例えば俺が嬢ちゃんを殴りにかかるとするよな?で、ちょっと避ければ躱せるのに嬢ちゃんは大幅に躱してさらにそこで回転して蹴ってくるわけだ。そういう虚を突いた攻撃ってのは躱しづれぇわけだ。ただな?」
「はい!」
「そんなけ動けるなら最短で躱すことも覚えた方がいいな。見てギリギリ躱すことも多分できるだろ?じゃあ小さく動くときと大きく動くとき、どっちも作る方が派手さが生きると思うぞ?」
『おお、すげぇ……強いやつがするアドバイスじゃん……』
「一応元A級なの!お前らが規格外なの!!」
『そうだった……』
「ったくよ……。まぁただ嬢ちゃんの場合、もうその自由奔放な動きが成り立っちまってる。今さら誰かに師事するのは進めねぇな。自分の動き極めたほうがいいと思うぞ。だからそのままの嬢ちゃんの動きで、もっと自分の長所を生かせる戦い方を考えるといいんじゃねぇか?そんだけだ」
「ありがとうございます!とても参考になりました!」
「ちなみによ?三人戦うとだれが一番強いんだ?」
「クロムさんですね?私が一番弱いです」
『パパだよ~?エステルとクラムはそんなにかわんないとおもうけどなぁ~?』
『そうかなぁ。みんなもうあんまり変わらない気が……』
「やっぱそうか。こういうのは上から見るとよくわかんなくなるもんなんだよ。下から見上げてるほうが高く感じるもんだ。じゃあエステルの嬢ちゃんの体感で2人はどれくらい強いんだ?」
「そうですねぇ……クロムさんは10倍は強いですかね♪クラムさんも5倍以上は強く感じます!」
『いや!それはない!』
『え~?』
「ちびっ子結界だけじゃなかったのかよ……。防御主体っつってたじゃねーか……。ボス猿は嬢ちゃんの10倍って……おとぎ話の魔王じゃねぇの……。あーぁ。聞かなきゃよかったぜ……」
『だから違うって!!って誰がボス猿だ!!』
「あぁ、あとな」
『まだあるのかよ、一気に言ってくれよ』
「最近物忘れが激しいんだよ!この遠征、他のパーティーも募集するからな。さすがにこんなデカいもん動かすのにお前ら1パーティー、つーかお前らの場合嬢ちゃんのソロみたいなもんだろ。さすがに外面がな……。こんな金額の素材運んできたのにお前はDランクのソロ冒険者しかつけなかったのか!って言われちまうよ……。だからせめてあと1パーティーくらい入れるぞ。なんか見られたくないもんあんなら持っていくなよ」
『え~、マジかよ…』
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ギルマスとの話を終え、
Dランクに冒険者カードを更新してもらってギルドから出てきた。
とりあえず今日この後は宿に帰り、明日は休もうという話になっている。
僕は週休2日は絶対に取りたい。
魔の森でサバイバルしているときも日時はちゃんとカウントし週休2日は取っていた。
しかも自由休日だ。
今日はのんびりしたいといえばそれでいい。
別に3人中2人が休みでもいい。
じゃあ僕もやーめた。って言えばいいことだし?
エステルは本を読んだり技の研究をしたり……
クラムは主に裁縫してたり寝てたりしてた。
ただ人の町にきてから僕とクラムが別々に休み取りにくいんだよね……
こういう部分に関しても早く空間転移を覚えたいなぁ。
魔の森とかに送り出せばいいからね。
おっと話がそれた。
取りあえず数日休んでから素材売ってのんびり準備するか。
急ぎじゃなくてもいいっていってるしね。
『とりあえず今日は夜遅いしもう宿に帰るか、ご飯はもうアイテムボックスの中の物でいいか?』
『クラムおさかな串かいたいな~?』
「まだ空いてますかねぇ~?帰りに寄っていきますか」
赤身の魚を焼いた串に甘辛いタレがかかっていて最近のクラムのブームなのだ。
あれ美味いよね。ひょっとして調味料に醤油っぽいもの使われてたりしないかなぁ……
『それにしても、他のパーティーと一緒か……あんまり気乗りしないなぁ……』
『クラムあんまりまものたおさないほうがいいかなぁ~?ひまだなぁ~』
『だよなぁ……あと見られたくないものなぁ……』
「スキル関連はもう全面的にナシですよね……魔法も……あとそれ以外に……えーっと……」
そうだな……主に魔法だよな……
でもよく考えたら僕とクラムって魔物だからある程度セーブして
属性縛れば別に全く使えないってことでもないか?
一緒に冒険行く人がいるなら魔法使って戦う人もいるかな?
ちょっと勉強させてもらおう。
あとは……何があるかな?エステルにはとりあえず精霊魔法は封じてもらって
近接こうg……
………
エステル――――!!見られたくないもんの塊ここにいたぁぁ!!
『エステル。明日買い物だ』
「え、もう色々かってきましたよ?」
『お前魔法どころか武器も全部見せられたもんじゃないからな!!』
ダメだって。ほんとに。エステルの武器の数々……
実はね?エステルってこの町にきてから誰かといるときまだ一切剣抜いてないの。
普段はバラして服の中にしまってるのよ。
ギルドのお姉さんに目立ってそうなリアクション取られたからね。
剣先ないからコンパクトになるんだよ。
ギルマスとの勝負ですら躱してるだけで終わっちゃったからね。
あと冒険者に絡まれた時も素手で押し倒してたでしょ?
ギルマスってエステルのこと双剣使いだと思ってるよね?
違うよ?この子双剣も精霊もエセだよ?
これ剣先ないから。鞘なんかダミーだから。
この前森でボア相手に剣抜いたら剣先射出したからね。
何よそのハイテク武器。何のお話で読んだんだ……
弓打った方がいいってその攻撃は没になってたな……
精霊魔法ってその場で使うの難しいからさ……
打合せしてるってことでしょ?
最近クラムもそこに入っていってるからもうガンガン言葉通じちゃうんだよな……
ノリノリでやるなよ……精霊も……。
『とりあえず弓はもうしまっておこうか……』
「この双剣は……使えないんです?」
『ダメに決まっとるだろーが!』
ってか人の大陸に来てから氷魔法とかすら一切見ないんだよね……
だから今のところ氷の刃すらやめた方がいい気がする。
最悪土属性で鈍器つくるのはありだけどその他パーツ世界樹だもんな……
商人さんとか目ざとそうだし危ないって。
『人前で双剣使いたいならもう銀貨とかでかえる鉄の短剣2本とか持っとく方がいいな』
「剣はこれ以外使いたくないです……」
そんなこだわりあったんだ……。
「クロムさんとクラムちゃん……お金払いますので作っていただけませんか……?」
そんなウルウルした目で見つめられても……
『いいよ~?』
『ダメだ』
『「なんで~!?」』
『エステル絶対愛着持つだろ!?今回必要なのって壊れても捨ててもいい前提の武器なんだぞ!すぐ壊れる武器に愛着持たれても困るし、魔物の素材も鉄もあるけど一応B級のもんしかないから僕たちにはまだランク的にオーバースペックだろ……』
ちなみに半年一緒に暮らしたのでこういう地球の言葉もエステルにはきちんと伝わる。
あー。でもこういうところにもランク低い弊害がでるのか……
B級くらいだったらこの素材とかミスリルとかで武器つくってやってもいいんだもんな……
「たしかに……それはそうですね。壊す前提の武器作っていただいても……」
『たしかに~?』
『まぁとりあえず明日この町の武器屋いこうぜ。特にいいもの必要なわけじゃないしな』
人と活動する前提の武器かぁ……
考えてなかったなぁ……
そういえばエステルってソロにみえるんだもんな。
そのうちパーティー勧誘にも合いそうだなぁ。
外面なぁ……
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