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69話 - 次の大陸を目指して!

 

 あれからまた2か月……

 僕らが海底洞窟から地上にでたところの大陸の反対側。

 望遠を使えば海の向こうにうっすらと獣人大陸が見える位置に来ていた。


『多分この辺りが近そうな気がするんだけどなぁ……』


 遠すぎてどこが近いのかがよくわからない。

 500キロほどは離れているっていっていたが……


「そうですねぇ……対岸が見えるような気もしますけど……」


≪もういこーよー。ここのてきよわいよ~≫


 この森の敵強いって聞いていたんだが……


 エステルは今若葉色のワンピースの両側に双剣を携えて背中には弓を背負っている。

 エステルの服がボロボロになる度余った布などを使ってクラムがお裁縫している。ボロボロになっているはずなのに少しグレードアップしている気がする……

 そのうち防具とかも用意したいな……。


 それにしてもエステルはなんでこんな風に育ってしまったのだろうか……

 いや、僕は好きに成長してくれればいいんだけどさ。

 弓術師や精霊魔術をつかっての遠距離主体、双剣で近接のカバーくらいのイメージだったんだが……


 ごりっごりの近接格闘家に変貌しました。

 動きがかなり独特。かなりアクロバティックな動きをする。とりあえず当たればなんでもいいという野性味があふれた双剣、格闘スタイル。それに精霊が動きのサポートを加えたりするもんだから重心がとれない変な体制から攻撃をくりだしてきたり、加速してきたり、飛んだり、回ったり……大道芸さながらの動きを行う。



 弓もたまにつかうけど……

 エステルの弓はもちろん矢も打ち出せる。

 ただ、世界樹の魔力を内包していることもあって魔力との親和性がすさまじく高いんだよね。


 本来火とか風とか魔力を利用した矢をを打つものなんだろうが、エステルは魔法そのものを放つことの方が多いんだ。

 氷弾、火炎弾、雷撃を撃ち込んだり?

 もうほぼ魔法だ。弓打ってる感じじゃない。


 いきなり火の鳥を打ち出したりするもんだからさ?

 どういう仕組みだ?と思って精霊を観察してたら、精霊達がたくさん寄ってたかってエステルがつがえた火炎弾をいじり倒していた。


 たまに、もはや魔力ではなく精霊がつがえた弓に乗りこんでいる。

 それでいいのか精霊は。悪ふざけじゃん……


 ただ、この戦闘スタイルは本人としてはちゃんと意味があったようで……


「私の精霊術ではクロムさんとクラムちゃんの威力にはかないません。なので私は近接方面でお力になれればとおもって双剣術のほうをメインにしました」

 だそうだ。


 たしかにクラムの広範囲爆撃やばいしな……。

 精霊はウォーターエッジレベルなら出来るんだけど、バレットやウォーターカッターみたいに魔力にかなりの運動量を加えたようなものは少し苦手な様子だ。


 魔法を科学的に利用する、ということは精霊術では難しいみたい。

 だから魔法自体の攻撃力は僕らには劣ってしまうんだよね。

 

 その辺りを考えての近接戦闘だそうだ。

 形を変えるとかはむしろ精霊の方が僕らより得意みたい。

 火の鳥とか作れんし。


 まぁ得手不得手あっていいしね。

 精霊術は精霊術で、僕等よりずっとすごい魔法の使い方できそうだよ。

 並列思考要らずでしょ?


 ちなみにその後に、あの英雄の技が~とかもっと回し蹴りは回転しながら~とか言っていたのを僕は聞き逃していない。

 ノリノリでやってるじゃんか。


 最近寝る前エステルが本を読んでいたら精霊が寄って行って一緒に見ているんだ。

 精霊は絶対エステルをおもちゃに遊んでいるつもりだ……


 エステルは自分が弱いと思ってた。

 ステータスが上がってたくさん訓練頑張って、今までできなかったことができるようになったことがうれしいみたい。


 私も物語の中の冒険者のようになれる!と意気込んでるんだ。

 楽しそうでよかったじゃん。

 

 だから、もうなにもいうまい。

 エステルと旅に出てよかったよ。


 でも、君の読んでる物語では双剣使いはそんなアクロバティックな動きをしていたんだろうか……

 ちょっと気になるな……。


 まぁ最後にまとめると戦闘スタイルにこだわらず、どこからでも攻撃を当ててくる近接格闘家が弓で遠距離のサポートもできるよ。精霊もおまけについてくるよ。

 みたいな戦闘スタイルだと思ってもらえればいいかな。


 おまけが多いんだ……まぁかなり万能系だね。


 そしてエステルの今のステータスはこちら!”鑑定”


 ---------------


 ★種族:ハイエルフ

 名前:エステル・エル・エーデルフェルト

 状態:

 加護:クロムの加護

 LV16(↑12) / 500:経験値 132 / 2675

 HP:506 / 3271(↑2765)

 MP:9120 / 9120(↑8094)

 力:3126(↑2800)

 防御:2126(↑1883)

 敏捷:8961(↑8555)

 器用:11207(↑10394)

 知能:9826(↑9046)

 魅力:1381(↑761)

 幸運:1296(↑771)


【魔法】

 ・精霊魔法 LV3 → 7(水 → 全)


【スキル】

 ・弓術 LV7→LVMAX

 ・命中 LV8→LVMAX

 ・矢細工 LV4→ MAX

 ・意思伝達 LV8 → MAX

 ・投擲 LV2→5

 ・木工 LV3 → 5

 ・創造魔法(微)

 ・魔力感知 → 空間感知 LV7

 ・双剣術 LV7(NEW)

 ・体術 LV7(NEW)

 ・軽業師 LV7(NEW)

 ・怪力 LV5 (NEW)

 ・硬化 LV5 (NEW)

 ・瞬足 LV7(NEW)

 ・隠密 LV5(NEW)

 ・望遠 LV4 (NEW)

 ・魔力自動回復 LV6

 ・治癒 LV6

 ・念話


 ---------------


 こんな感じ!ほぼ追いついたね!

 エステルは器用と敏捷がベースになりそうな感じかな?

 知能や魔力系は僕バフがはいるからこの2人は意識してなくても伸びていく。


 魔法もだいたい使えるようになるんじゃない?

 苦手なものとか不向きなものはきつそうだけどね。


 ちなみにエステルの精霊はシールドも使える。

 無属性の精霊はいないみたい。


 色んな属性の精霊が一挙に魔力を流し込むと無属性のエネルギーに変化するみたいだ。


 すこし出力が遅いから突如対応するのは厳しそうな気はする。

 あらかじめ張ったまま動くとかは可能みたいだね。


 本来の僕たちの個々の性能的には

 僕が知能と魔力特化、クラムは防御タンク型。

 エステルがスピード器用特化タイプのって感じになってたんだろうなきっと。


 で、僕のステータスは他の子に影響すると。

 じゃあ僕だけ損してるじゃん……くっ。


 いいんだ……。僕最強になりたいとかないんだ……。

 みんなが無事ならそれでなによりだ……。


 で、僕とクラムは本当にエステルを伸ばす!ってことをメインにしたからレベル全くあがってない。

 エステルにつられて近接系のスキルを少し覚えたって感じかな。


 あ!あと僕は並列思考を覚えた。

 かなり同時魔法使いやすくなったね。

 そんな感じの半年ちょっとだったかな。


 これでエステルも自分のことは守れるようになっただろう。

 エステル以上の敵がきたら僕もクラムも絶対苦戦するしどっちみちみんなで頑張るしかないしね。

 エステル中心に伸ばして正解!


 この島をずっと歩いてきたら植物系、虫系、あと狼とゴブリン。

 最南端付近からオーク種やオーガも出て来た。


 でも一番強いそいつらを倒しても、2か月程前からエステルもじわじわとしか経験値が入らなくなってしまったんだよね。


 そろそろ次の島に行くときかなぁ。


『そうだなぁ。この島にいてももうみんな強くなるのきついしな……』


「ちょうど向こう岸が少し見えてますし、いいのではないでしょうか」


『じゃあ、イカダだすよ?イカダ?小舟?』


 この小舟……実はかなり苦労した。

 最初は動画とかでみたことがある丸太をツタでくくりつけたようなものを作るつもりだった。

 だが試運転するたびに……


 ・

 ・

 ・


『いくよー”ウィンド”』(ガラガラ…)

『今度こそ!”ウィンド”』(ガッシャーン)


 うーん。クラムのシールドは張ってもらってて風が直撃してるわけじゃないんだけど……

 早い動きに接続部分が耐えられん……


≪海こおらせてわたっちゃだめなの~?≫


『ダメってことはないけど全力で走っても結構かかるとおもうよ。で、その間中ずっと海の上でしょ?ちょっとこわいじゃん。それにもし、向こう岸から誰かに見られてたりしたら……』


 それも考えたよ……。でもさ……

 海の上凍らせて歩いてくるやつなんか絶対危険人物じゃん!


 もし見られてたら隠れようない!

 仕方ないから最悪逃走するけど……

 

 いきなり不審人物扱いされることは回避してもいいと思うんだよね……

 お先真っ暗になるじゃん。


 ・

 ・

 ・


 ってことで結局直径5Mくらいありそうな原木を刈り取って頑張って内部を削った。

 何度も魔法でやろうとしたけどどこかで操作狂って壊しちゃうから最終的に結局手作業。

 地味だったー。大変だった……。


 造船のしかたとかわからんって!

 頑張って木を削って隙間無くしたり、ツタの量増やして丈夫にしてみたりしたけど何やっても結局大破しちゃった。


 さすがに建築とかそういう類は無理だ。

 作り方もわからないし設計図とか掛けるわけじゃないからね。


 よいしょっと(ザッバーン)


『じゃあもういくよ?しばらくの食料と木材は持ったね?』


「だいじょうぶです~!」


『転覆したら僕かクラムにしがみつくんだぞ!最悪氷で足場作るから!』


 今は夕方。もうすぐ夜になる。

 多分5、6時間を考えれば向こうにつくときには夜中だろう。


 少し危ないんだが人にあまり見つかりたくない。

 これくらいの暗さなら大丈夫なはずだ。


≪いくよ~?”しーるど~”!おふねつかんだよー!≫


『じゃあ獣人大陸に向けて出発だ!!』


「≪おー!≫」


 ”ウィンドッ”!(バシューーーン)

この話で魔の森編を終わります!次からは獣人大陸編!

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