54話- もうエルフの国いいかな……
あれからすぐクラムが出勤した。
あの地獄の跡地に豊穣を魔力半分なくなるくらいまで使ってくるんだって。
こっから僕はどうしようかな…?
集落を隠れてみてまわろうかな……
その後、昼くらいからテント作ろうかな?
布どうしよ……交易は無理そうじゃんね。
エステルに何が交易に使えるのか聞いてきて取ってきてもいいんだけど……
エステルがいきなり大量に交易しだしたらエルフに怪しまれるでしょ……
だからエステルが持っていていらないもの、とくらいしか交換はできないかな。
まぁ魔物の皮かなぁ。なめし方わっかんねー。
しかもかなり時間かかるでしょ?あれ。
あ、もう座礁した。どうしよ。
ここに来るまでに既にざっくりとした人の常識をエステルがわかる範囲で教えてくれた。
訓練してもらう前に先にも助けていただいた感謝やこれからのお礼、自分ができることはなるべくさせてほしいとのこと。ほんといい子だな……
あの子を冷たくあしらってパパ冷たいといわれてしまった僕。泣きそう。
まぁこんな感じ。
実際にお金などはニヴルヘイムではほとんど流通していないため見聞きした情報を伝えるだけになるけど……とのことだ。
世界に流通している貨幣の単位は「コルト」
ただ皆、銅貨〇枚で~と取引しているのであまり使われないとのこと。
この世界には銅貨、銀貨、金貨、白金貨がある。
価値はこの集落のものは信用できないからもし見かけても気にしない方がいいらしい。
物語で読んだものよりめちゃくちゃ高いそうだ。
で、その物語基準だと、銅貨30枚で安宿に泊まっていたと。そして100枚で銀貨と両替していたらしい。
銀貨100枚で金貨。金貨100枚で白金貨…といった感じだ。
銅貨一枚で果物1つかパン1つくらい。
それを統合すると、
銅貨=100円
銀貨=1万円
金貨=100万円
白金貨=1億
こんな感じの価値かな?100刻みで簡単。
交易ができるようになるのかはわからないけどまぁ知ってて悪いことはないだろう。
魔物の資材とかそのうち取って取引とかしたいし………
今思ったけど……僕とクラムって強い敵基本木っ端みじんにしてないか……?
素材とっとけよ!!これから気を付けよう……だって……気にしてる場合じゃないんだもん……
時間の単位はクラムに1時間とか教えちゃったけどそんなのないんだって。
まぁこっちのが便利だから僕らの中ではこれ使おう。
この世界にも時計とかはあるらしいけどすごいおおざっぱだしいわゆる金持ちの道楽用らしい。
この世界には月以外に時間の目印になる星が8つある。
今空には朝の白い星と昼の赤い星とその真ん中のオレンジの星が見えている。
昼でも結構明るく見えるみたい。
昼までに見える星が全部見えていて、
オレンジの星が真上からちょっと傾いている。
だからいま多分午前10時くらい。以上。
簡単すぎて笑った。
だいたい3時間おき位に星が出てきてその間隔がちょうど1日を8等分にしているくらいなんだって。
だからみんな昼の星が沈んだらね~とか夜の星が出てきたら~とかそんな感じで予定立ててるらしい。
時計要らんやんこの世界。空に時計があるわけでしょ?
これも場所によって見え方はちがうからそれはその場所で8つのうちの好きな星に時間の目安つくればいいと。
へぇ。ざっくり。
曜日は
光、火、水、風、土、闇
これ魔法属性じゃんね?
光の日から一週間が始まって闇の日はお休み。
それを5回でひと月30日
12か月で1年。この辺は地球と同じだ。
3か月おきに春夏秋冬が変わる。ただ、この辺りは気候の変化あんまりないんだって。
世界樹の魔力が強くて気候の影響うけないらしい。
ちなみにエステルには休みはないんだって……クソが。
エルフに憧れてこの世界きたのにもう既に嫌いになった。
2日無断で休んだから怒られるかもっていっていた。
一応寝込んでいたとは言うらしいが……
まぁしっかり自分の目で見極めないとね。
エステルの言葉鵜呑みにするのも常識偏るしそれは違うよな。
エステルもエステルでここにくる騎士?としか会わないわけだからひょっとしたらエルフの「騎士」が嫌なやつばっかりなのかもしれないしね。
ただなぁ……話聞いてると僕とクラムって多分ハイエルフと結構感覚近いんだよね……
のんびりできればそれでいい、っていう。
さすがにあの集落に閉じ込められるのは嫌だけどそれはエルフのせいでしょ?
エルフいなかったら魔物狩って肉取ってくるから野菜とチーズちょうだい?みたいに普通にここで交易してクラムとのんびり生活したかったくらいなんだけど…。
この集落小さいけど落ち着くんだけどなぁ……はぁ~。
まぁいいエルフもいてくれることを願おう。
エルフ転生しなくてよかったわ。本当に。
既にあんまりエルフの国に行きたいと思わなくなってしまった。
お?ということを考えていたら誰かあの成金屋敷から出てきたぞ……?
忍び寄って聞き耳を立てよう……”魔力隠蔽”、”隠密”っと。
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「……とどれくらいだ?」
「ルイズ様がこちらに来られたのが先々月の3の週からであったのであと任期は2週間くらいかと」
「なぜ私がこのようなド田舎で劣化エルフの面倒をみないといかんのだ。」
「そうは言いますが、これも領を納めるものになるものとしての義務ですので……」
「そのような事いちいち言わんでもわかっておるわ!私は高名な騎士を呼びつけ幼き日より指導をしてもらい神童とまで言われていたのだぞ!なぜこんなところの魔物を倒すのに剣を振るわにゃならんのだ。戦場にでて功績を挙げる為にやってきたのだ!なぜこのようなところへ……。そして何の娯楽もないこのような場所で領との往復を考えると1年だぞ!時間がもったいなくて仕方がない……。私が領主になればこのような仕組み撤廃するよう取り計らってくれる!」
ほう。神童ねぇ。
「それは…国の制度ですので少々難しいかと……ただ、私はこちらへの徴兵に関しては楽でいいとおもってるのですがねぇ」
「どういうことだ?」
「他国への徴兵などに比べて危険もありませんし。ニヴルヘイムにくる魔物を適当に追い払っておけばそれで済む。劣化エルフも少々睨んでおけば従うではありませんか。他種族を相手にするほうが気が気ではありませんよ……。ここには文句をいう目障りな上官もいないですし……適当に日々を過ごしておけば問題になることもない。こちらに配属が決まった時は手をたたいて喜びましたよ。今から帰るのが億劫で仕方ないですな」
「ものは考えようか……ただ遊郭とはいわん!酒場くらいせめてあってもよいであろう!?」
「いや…そのようなこと私にいわれまして……
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行ってしまった。これ以上は集落に近付きすぎるな。
なるほど?ここにきているのは徴兵制度あってのことなのか……
義務がある、と。で、あいつは近場の領主候補なのか……騎士じゃなかったな。
隣のやつが騎士だったのか?どっちもめちゃくちゃ胡散臭そうなやつだったが……
ただエステルが言っていたようにやる気は全くないんだな。
エルフ目線だと嫌な役割を国から押し付けられてしぶしぶきているだけって感じかな?
とりあえず鑑定してみるか…失礼とかいいだろ。
逆に気付かれたら鑑定に気付くかどうかの証明になるな。
領主候補のほうを見てみようか。
なんか金髪ロン毛のフリル付き衣装。すげーチャラそうなやつだった。
エルフ貴族の衣装なのかね。あれで仕事するのか?
人を見た目で判断するわけじゃないけど……真面目に監視しているとは思えなかったな。
あ、そう。時計つけてた。笑った。
まぁ領主候補だろ?貴族ならつけるのかもしれないなぁ……
まぁそれはさておき……
高名な騎士から指導を受けた神童?
自称かどうかはわからないけど参考にしやすい情報をどうもありがとう。
”鑑定”ッ!
★種族:エルフ
名前:ルイズ・クルジオ
状態:
加護:なし
LV32/ 200:経験値 12 / 2100
HP:481 / 481
MP:315 / 315
力:527
防御:464
敏捷:512
器用:412
知能:478
魅力:113
幸運:105
【魔法】
・火属性 LV5 地属性 LV3
【スキル】
・剣術 LV6
……え、マジで?
この前のフレイムウルフに勝てるくらい…か?
ボスにはこれ勝てんだろ。これで神童か……剣術Lv6なのが神童なのかな?
人であの狼に勝てそうって考えるとつよいのか……中堅狼と同じ程度って考えればいいのか……
まぁそれはおいといて……必要経験値めちゃくちゃおおいな。
上限は200と。人間の倍。ハイエルフの半分以下。
ということはエステルはこれよりこのレベルになるとおおくなるのか?
僕はどうなるんだろうこれから……今度クラムと確認してみるか。
エステルに引き続き魔物じゃない生物の鑑定してみたけど人の必要経験値量おおいな!
でもよくよく考えたら魔物は上限きたら進化するもんな。
レベルパパっと上がっても問題ないもんね。
その生物の系統の頂点なわけじゃないから。
進化できない種族だとこうなるのかもしれない。
そんなすぐにカンストするような経験値なわけないか。
2歳俺、悟った。とかになるもんな。
あ、そう前も言ったけど寿命もちょっと関係ありそうな気がしてるんだよね。
格?が高い生物は寿命長めとかね。
じゃあ必然的に必要経験値にと上限値高いはずよね?
逆に寿命短い魔物の必要経験値高くされても無理ゲーじゃんってなるよね?
それって生物としてどうなんってなるじゃんか。
人間の寿命は100年くらいだからMAX100。
エルフは200年くらいだからMAX200
ハイエルフは500年くらいだからMAX500。
魔物は別計算。
どや、この推理。知らんけど。
エステルにハイエルフの寿命きいてみよっと。
計算式とかあるのかわかんないけどあるかもしれないから数値ある程度覚えとこっと……
魔物と全然システムが違うことは判明したな。
あーーそりゃワカメになるわ。理解した。
システム的に構成してるのなら経験値システム違う生き物に進化入れたらバグるわな。
逆に人間で進化出来ちゃったら次必要な経験値どう算出するねんってなるよね。
≪どうなんでしょうね~ふふ。それは自分で考えてみてね♪≫
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「お待たせしました!」
≪エステルやっほ~≫
『大丈夫だったの?エルフには気付かれてなかった?』
「18番目の兄が体調をくずして寝込んでいるって言ってくれていたみたいです。家族には心配をかけたのですが、エルフには特に集落からでていたことは知られていないようでした。」
『18番目の兄!ハイエルフっぽいな。なかなか聞けないフレーズだ。まぁそれならよかった。あ!そうだ』
「?」
『ハイエルフって寿命どれくらいなの?』
「そうですね……病死とか魔物に襲われたとか……何もなくだと1000年生きるのでしょうか……?実際それだけ長く生きてそんなことはなかなかないのですが……」
想像の倍だったな……。
この辺りから少しずつ人間(亜人獣人含む)の文化にもふれだします!




