04話 - 異世界到着。ここは…どこだ?
真っ暗だ…
何も見えない。音も聞こえない。体も動かせない。
というか感覚がすごい薄い気がする…
少し温かいような気がしなくもないな…
ここは…どこだ?
…
日時感覚がない。目が見えないから明るいのか暗いのかもわからない。
どれくらい経ったんだ…
すごい時間が流れたような…全然時間が経ってないような
よくわからないな…
…
さすがにもう1月は経過した気がする
お腹も減らない。ただ体が大きく成長している気はする…
少しだけ感覚が強くなってきた気がする。
たまにちくちく触れるものがある…ような気がする
…
わかった!母体だな!?
僕はきっとまだ産まれる前なんだ。
転生だもんね。赤ちゃんからスタートか!
なるほどね…
でも、そう考えたらすごいスタートダッシュじゃない?
お腹の中から意識がある転生ものなんか見たことないぞ!
これは…もしママのお腹の中だったとしたらあと体感8か月はこのままのはずだ。
新しい家族とも仲良くできればいいな。今度は絶対親孝行するんだ。
お腹の中からトレーニングを始めてみよう。
とりあえず、目が見えないしさすがに母体の中で筋トレは無理だな…
となると、目の代わりになりそうな…
『感知』系統の能力とか手に入らんかな?
僕たしか魔力がすごい高いんだよね。
どんな魔法でも覚えられる可能性があるって神タブに書いてた気がする。
たしか…魔力をこね回せばトレーニングになるとか前世で見た気がするぞ。
手の感覚はまだないからおなかの辺りで…
…
体感時間3か月くらいか?
少しずつおなかの中心に温かいものが感じられるようになってきた。
これが多分魔力?流れている感じがする…
これを思った通りに操作できれば…よし。
少しだけどなんとか動かせる。
右回転したり上下に動かしたり…
じゃあこれを外に送ることができたら僕の周りの感覚くらいつかめないかな?
…
外の魔力を感じるのにすごい時間がかかった。
体感…5か月にはなったかな?
よし、このままうすーく魔力を広げる感じで…
≪スキル【魔力感知】を取得しました≫
ん?ソフィア様?
ソフィア様の声が聞こえた気がする。なんか久しぶりに声聞いた気がするな…
さて…じゃあ魔力感知ON!
…あら?壁がない?
ここ母体じゃなかったの?
5か月もずっと感覚を研ぎ澄ます練習をしてればなんとなく水の中でゆられているのかなぁ…って感じがしてきてたんだけど…
とても嫌な気がする。産まれる前じゃないのに目が見えない…
というかそもそも光を感じることすらできない…
ずっと自分は産まれる前の赤ん坊だと思って思考から抜け落ちてたんだけど…
まさか…目がない!?
嫌な予感がしてから自分への感覚を魔力で研ぎ澄ました。
外部から魔力をぶつければ僕の形がなんとなくわかってきた。
ゆらゆらゆれて動いている。
手と足は…ない。
たまに周りを魚のような泳いでいる感じがする。
ここは…海中?
え、嘘…だろ…?
いや、まだ確証はない。焦るな~
あ、そうだ!鑑定能力とか手に入らんかね?
転生者御用達じゃん。
『ステータスっ!』『鑑定っ!』
言ったつもりだ。声はでない。
気持ちを精一杯こめて叫んでいるつもりになりながら魔力を使って僕や周囲の形の認識をしてみたり外部のものに魔力を通そうと試みたり…
≪スキル【鑑定】を取得しました≫
きたっ!1週間くらいかかったか?
あ~。めちゃくちゃ嫌な予感がする。
いざ手に入れてみると自分に鑑定を使うのがとても怖い。
でも…これだけスキルの練習をしてればこの世界の理がなんとなくわかってきた。
【鑑定】を手に入れた時にはもうほとんど自分の姿や固さ、どんな材質かを何となく識別できてきたんだよね。
だから「スキル」は要するに自分がすでにほぼほぼ実現可能なものを簡略化してくれる能力だ。
【鑑定】をおぼえたから鑑定できるわけではない。自分の努力でほとんど鑑定に近いことができるようになって初めて「スキル」として手に入るみたいだ。
…諦めよう。『鑑定』
【ステータス】
種族:植物(海藻):新種
名前:なし
加護:創造神ソフィアの加護(小)
LV1/5
HP:2/10
MP:12/20
力:0
防御:2
敏捷:0
器用:2
知能:80
魅力:120
幸運:30
【魔法】
なし
【スキル】
・転生者:前世の記憶を持ったまま転生した者
・治癒LV5 :自然治癒能力が上がる。※LV5…軽傷なら一日で治癒できる程度
・精神耐性MAX:ストレスを感じない。精神系魔法が一切効かない。
・属性魔法(全):属性魔法に対する全ての才能を持つ。
・創造魔法(小):具体的な創造が可能であればその魔法についての創造が少し可能。但し難易度は極大。
・鑑定
・魔力感知
・不死:朽ちることの無い魂を持つ
・進化:レベルが一定に達すると同種族内の高位に進化が可能になる
・寄生:生物に寄生可能(条件あり)
・光合成(種族限定)
…
やっぱりワカメだったああああああああああああああ