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44話 - 伝説の……

 神々との会合を無事に終え、

 自分の芸術センスの無さにほとほとがっかりした今。


 僕とクラムはお食事タイム真っ只中。

 たまにスパイスになりそうな植物があるんだよね。

 スローライフの為に少しずつ採取している。

 またゆっくりできるようになったらクラムに栽培してほしい。


 ★品種:べジレ

 香草の一種。香りが高く煮込み料理などに重宝されている。好みが少しわかれる味。


 ★品種:ブラックペパロン

 小さな果実。強めの刺激がありスパイスとして利用すると美味。レッドペパロンやイエローペパロンなど多数の種類があり全て味が異なる。


 クラムはべジレは割と好きみたい。洋風の香草っぽいね。

 でもあまりスパイス系は好きじゃないみたい。

 刺激が苦手らしい。


 毒食べるじゃん……っていったら

≪それとこれとはべつなの~!≫って言われた。

 まぁ好き嫌いなんか人それぞれだからね。


 キノコ大好きなのにしいたけだけ絶対食べられない子とかいたなぁ。

 好きな僕からするとなんでかわかんないんだよね。


 木々の間から空を見上げるとそこには月?衛星が3つ浮かんでいる。

 地球の月より大きく見える。

 異世界に来たんだなぁ……って実感するよね。


 いや、僕の姿が魔物だったり魔法をつかえることは置いといてね。

 環境的な問題。


 だって今まで海底で生まれて洞窟生活して……

 風景もなんもなかったんだもん!

 未だに異世界転生した実感あまりわかないんだよね……


 ここが見たことない国のジャングルだー!

 っていわれたら、へ~、そうなんだーって思いそうだ。


 クラムも初めての地上で楽しそう。

 明るくなったり暗くなったりするところからもう不思議みたい。


(ゴソゴソ…)


 っと……


 はぁ……ゆっくり二人で地上の夜を満喫してたのに……


(がさっ)

(カサカサ……)


『これ……なんか取り囲まれてるよね……?』


≪うん~いっぱいいるね~。昼のやつよりつよいやつもいそう~≫


 僕もクラムも感知能力高いからなんとなく魔力量とか感じるんだよね。

 隠蔽されてなかったら……

 そりゃ僕とクラムにも敵近づいてこなかったはずだわ。


 そういえば水龍さんは全く魔力感じなかった。

 湖から声聞こえたときめちゃくちゃびっくりしたもんな。

 あーゆータイプが1番こわいんだよね。


≪魔力だしてたほうがよかったぁ~?≫


『それはそれでなぁ……強いやつが敵意むき出しで来たりしたりするかもだしなぁ……』


 隠蔽せずに敵が寄ってきた場合……


 ①魔力を感じられない弱いやつ

 ②強さわかってて全然勝てる自信のあるやつ

 ③アホ


 のどれかになっちゃうからな。逆に怖いんだよね。

 とりあえず……”鑑定”


 ゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリン


 うぜえええええええええええええ


 たぶんこいつら③だろ。

 集団ならいけると思ってんのかな?


『全部ゴブリンだ……。昼間のやつの仲間か?この辺に集落とかあるのかな』


≪あ、あいつちょっと大きいよ!≫


 ★種族:ホフゴブリン

 ゴブリン種の進化系。ゴブリン種のなかで特に統率力が高いものが力をつけ進化する。魔の森の個体は体内の魔力蓄積量が増える傾向にあるため高レベルな個体が多い。


 LV28 / 60:経験値 31 / 210

 HP:420 / 420

 MP:68 / 68

 力:210

 防御:128

 敏捷:81

 器用:62

 知能:23

 魅力:3

 幸運:5


【魔法】

 ・なし


【スキル】

 ・統率

 ・怪力 LV3


 なるほどねぇ……

 やっぱ魔の森のやつレベル高いんだ。

 統率ってゴブリンの種族スキルみたいな感じなのかね。


 それにしても僕HP低いんだなぁ……

 このホフゴブリンとそんなに変わんない……凹む……

 MPは100倍以上あるのに……


『せめておいしそうな魔物ならいいのになぁ』


≪この辺ゴブリンしかいないよね~≫


『ひょっとしたらこいつらが狩りつくしてるのかもしれないなぁ。ここ縄張りなんだろ?』


≪そっか~。クラムたおそっか~?≫


 まぁ2、30体いるけどこいつらには多分負けないでしょ……


『そうだなぁ。じゃあちょっと勝負しよっか?』


 クラムが楽しめるようにトレーニングは遊び方式でよくやってるんだ。

 実はルール考えるの結構大変。


≪ルールは~?≫


『そうだなぁ。昼は魔法で倒したから魔法禁止でどうだ?たまには物理攻撃も練習しないとな~』


≪いいよ~?でもクラムのが力強いから勝っちゃうよ~?≫


 ふっ。それはどうかな。

 じゃあいくぞ?


『よーい……ドンッ』


(ゴスッ!バキッ!)


 ・

 ・

 ・


 もちろんゴブリンどもは相手にならなかった。

 敏捷50分の1以下の敵の攻撃なんか当たらんわ……

 悪・即・斬。


『どーだクラム!ぼくのが5体多いぞ!』


≪えー、でもクラムが強いやつ倒したよ~?≫


『確かに?ってかクラム近接戦闘うまいな~』


 正直この程度の敵相手には攻撃力の差は全然関係してこない。

 ほぼみんな一撃だし…


 だから敏捷で上回る僕の方が圧倒的に有利だとおもったんだけど……

 クラムは体のばしたりアクロバティックな動きするのめっちゃうまいんだよな。


 元人間なのが足引っ張ってるのかもしれないな。

 魔物しての戦いは圧倒的にクラムの方がうまいや。


 ちゃんと魔物としての戦いかた覚えないとなぁ。

 こりゃ完敗かな。


『じゃあクラムの勝ちだな。また戦い方おしえてくれる~?』


 しばらく近接戦闘の練習しよっと。

 魔法は被害甚大だしね。


≪やったー!いいよ~!じゃあ最後のおさかなさんクラムのねー!……あ!パパ!まだあっちに3匹のこってたよ!逃げちゃう!≫


 お、これはチャンスか……?


『いや、あいつらの後こっそりつけよっか。これから毎日晩餐の邪魔されたらたまらん。多分この量のゴブリンがいるなら住処あるはずだよ。』


≪おっけー!≫


 ”魔力隠蔽”全力!


(コソコソコソ……)

 ・

 ・

 ・


 お……やっぱり……

 そこにはいわゆるゴブリンの集落が……


 なかったわ。

 そこまで知能高くないらしい。


『洞窟があるな……?』


≪ここにみんなでいたのかなぁ~?≫


(キーキーキー)


『入っていったな。見張りとかは別にいないか……』


≪どうする~?毒か水流しこむ~?≫


 考え方が殺戮者のそれ!もう一人前だね!

 立派になって……いやいや。


 まぁ確かにそれで一掃できるなぁ。

 そんなすごい大きい洞窟でもなさそうだし……


 中の様子伺ったほうがいいのかなぁ?

 誰かさらわれてきたりしてたりする??


 お、誰か帰ってきた!

 隠れてッ!


 あれは……ホフゴブリンだな。

 手になんかもってるな……


 あれは……角生えたリス……?

 晩御飯?


 ”鑑定”


 ★種族:ラタトスク

 世界樹を守る小精霊の一種。とても高い魔力を持つが戦闘能力は低い。

 好奇心旺盛でいたずら好きな性格。

 名前:リズ


 精霊!?世界樹!?

 なんで捕まってんのあの子!!

 名前付き…?ってか名前そのまんまじゃん。


(がさッ……サササッ)


 ん……?またなんかいるぞ……?

 ボロボロの15.6歳くらいの女の子……?

 捕まってる感じじゃないけど……


 逆にゴブリンを追ってる?

 初めてこの世界で人っぽい種族みたなぁ

 あの子はあの子でなにしてんだ?


 とりあえず”鑑定”


 ★種族:ハイエルフ

 白く透き通る肌を持つ古の種族。エルフの高位種族と言われているが、実はエルフとの関連はない。精霊と共に世界樹の守り人として生活している。自由奔放な性格をしているものが多い。

 名前:エステル・エル・エーデルフェルト


 ハ…イエ…ルフ………


 ハイエルフ!?!?


 ちょっと待って!落ち着け僕!なんで伝説の種族が今僕の前でボロボロに!?いやこの世界で伝説なのかどうかはしらないけどとりあえず僕が目的にしてたエルフの上位種族じゃん!え、でもそうじゃないって鑑定に書いてる……いやそんなことは置いておいてこれはどうすればいいんだ?話かけてみるべきなのか?でも僕今スライムだし急に近寄っても≪パパー!あの子いっちゃったよー!?いいのー??≫


 んあ!?

『え、どこに?』


≪ゴブリンと一緒に洞窟に入ってったよー?≫


 はぁ!?!?

 え、これは救出すべきなのか?

 いや、救出もなにもそもそもなにしてんのかわっかんない……


 とりあえず洞窟の中行くか……

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