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36話 - ちょっとだけネガティブなんです。

クラムとの洞窟探索1日目の夜。たぶん。


日光の有無がわからないので昼夜がしっかり把握できるわけではないのだが、この半年以上かかさず1日1回魔力枯渇を繰り替えしていたのでだいたい感覚で把握できるようになった。


『今日は久しぶりに魔物と戦ったな~』


≪そだね~。でも簡単にたおせちゃったね≫


『油断はダメだぞ~クラム。いつ勝てない魔物におそわれるかわからないからな』


≪そっか~。がんばらないとね~≫


さっきのコウモリは敵にならなかったけどいつ命の危機に見舞われるかわからないし……。


僕の目指すスローライフにはもちろんメンタル面も含まれている。

だれかに倒されちゃうかもしれない……そんなことを思いながらソワソワ過ごしていたのでは真のスローライフとは言えないだろう。


少しだけネガティブだって言われることもあったけど、

いつだって最悪を想定して最高の結果を出せるようにすることは間違っていないと思うんだ……


★最悪の想定とは…


今、HPとMPを除く僕とクラムのステータスの最大値は約3000くらいだ。

僕が敏捷と知能3000付近。クラムが防御力3000付近。


例えばさっきのコウモリのHPとMPを除いたステータスは30前後。

レベル違いがあったとして少なく見積もって50平均だったとする。


コウモリの親玉にはヴァンパイアなどがいるのがお約束でしょ?

さすがに部下に寄ってたかられても親玉は負けたりしない……

ということはコウモリ100匹の親玉のステータスはスーパー少なく見積もって100倍。

平均5000だ。


もうこの時点で今の僕とクラムは勝てなくなるな。


そしてヴァンパイアには「爵位」があるとも聞いたことがある。

こんな海の底に位の高いやつなんかきっといないだろう。

じゃあ最低の男爵級だな。


上の位になるにつれてステータスがウルトラ少なく見積もっても1.5倍にはなるはず。

じゃああいつを男爵級だとして…


男爵 5000 子爵 7500 伯爵 11250 侯爵 16875 公爵 25312.5


ほらみろもう25000だぞふざけんな。

そして例えば魔王軍なるものが存在したとして中枢部には四天王がいるのがお決まり。

四天王というくらいだからエクストリーム少なく見積もってもヴァンパイア公爵の2倍は強いはずだ。


四天王なら最弱でもアルティメット少なく見積もってステータス60000はきっとある。

最強のやつならそれの二倍は余裕で超えてくるだろう。余裕でな。

ってことはルナティック少なく見積もってステータス150000だな。


それを支配下におく魔王なんてもう四天王全員や他の幹部候補でかかっても絶対倒せない。

じゃあドラゴニック少なく見積もって絶対10倍以上は確実でしょ?


ほれみたことか。

大台の100万なんか余裕で超えちゃった。

もうすぐ200万じゃねーか。


そのあとも裏ボスとかでてくるかもしれない。


これはマズい。

ステータス3000なんぞ塵芥に等しいぞ……

絶望した……この世界に神はいないのか……




…と、こんな感じで異世界スローライフは大変なのだ。


ソフィア≪……あなたに付き合わされるクラムちゃんが不憫だわ≫



ちなみに僕もクラムも戦いになんか全く興味はない。

出来る限りぐーたらすごしたいタイプだ。

頑張らない為に頑張るのだ。


ん?頑張ってるって?

哲学かな。


まぁ今日だけは久々の冒険のご褒美にさっさと寝るか。

今日だけな!


『とりあえず今日は久々の冒険で疲れたね。腹ごしらえも済んだし、魔力消費して寝よっか……』


一度MPを枯渇させる方が少し魔力増大量が多いようでずっとやっている。

努力は一日にしてならずなのだ。


基本僕もクラムも多大に自然エネルギーを消費するような魔法を使うことはなく

多分やろうと思えばできるんだがこの限られたスペースでそんな怖い魔法を使いたいとも思えない。


いつも魔力消費に時間がかかってしかたないんだよね……




≪んん~……≫

(キュッキュッ)


『ところでクラムはなにしてんの?』


≪からだばっちいの~やだ~≫


クラムが自分の貝殻をみがいている。

あの殻はクラムの宝物らしい。


『クラムって貝殻から出られたんだね?』


≪この姿になってから出られるようになったよ~?≫


『……でも確かに汚れ気になるな。』


今までは海で生活していたから気にならなかったけど…うわ、洞窟探索でドロドロじゃん……


水魔法で流すか……


『クラムこっちきて~。水で流してあげるよ』


≪は~い≫


せっかくだったら雑菌や消毒もしておこうかな。


えっと……

水魔法で汚れを流して、光魔法で隅々まで除菌。

病原菌とかいたらいやだしそれも殺菌するイメージを付けておこう。

あ、そもそもウォーターエイドつかえばいっかな。


聖属性とか覚えてたし効果よくわかんないけどそれも使っとくか。

なんか浄化できそうだしね!


で、風と火魔法で魔法で乾燥っと。

火にも風にも殺菌効果あったりするからね!


じゃあせっかくだしアンチポイズン効果も……


これでどや!

とりあえず汚れくらいならなんでも落とせるんじゃないかな?


あ、そうだ!

いちいちこんなことやらなくてもちゃんと具体的に効果イメージできるし創造できるよね?

ソフィア様に創造魔法の効果教えてもらったところだし!


試してみよう!

魔法創造!”クリーン”!


(キラキラキラ…)


≪魔法【神聖属性】を取得しました。≫


おお…ん?あれ、なんか違うやつ覚えたな…?

神聖魔法?聖属性の上位互換か??


創造魔法つかったのに……

属性魔法に近いのあったのかな?まぁできた…ぞ?


---------------------------


さくっと使ったこの魔法、実は……

体をきれいにする効果なんかはモノのついでに成り下がっており、

体力回復、病気治療、毒、呪いの浄化効果をもつ水+光+風+火+聖5属性複合のとんでも超回復魔法になっていた……


人間界で使えば神の奇跡だと崇めれてもおかしくない程の魔法だ。

だがしかし、そんなことはもちろん知る由もない。


---------------------------


『あれ、ちからがすごい抜けた……』


≪だいじょうぶ~?≫


種族:グリムジェイドクラブ

・MP:6280 / 8250


うわ、めちゃくちゃMP消費したな!?

なんでもかんでも複合しすぎたか……

最初だしとりあえず思い切り力こめたしな……

5属性も複合するとMP消費すごいな。


≪クラムにもおしえて~?≫


『いいよー!クラム使えるかなぁ?』


浄化とか治癒関連はいらない?

水+すこーしだけ風、火でくらいでいいかも?ほいっ


≪創造魔法【クリーン】を作成しました。≫


あ、できたできた。ちょっと盛りすぎたんだね。


≪クラムもそれできたよ~!≫


『お!ナイスー!じゃあパパにつかって~』


まぁ1日の終わりには全力でクリーン使おっと!

最近MP消化するのにも時間かかって困ってたからちょうど良かった。


魔法と魔法混ぜたら別の魔法ができたな…。

効果低めの魔法混ぜてみるのもいいな?


アンチポイズン+ウォーターエイドで「キュア」とかできそうだ。

ウォーターエイド+聖属性で「ヒール」とか?


≪パパ~クラムもう寝るよ~?≫


『あ、はーい。今行く~』


あれからだいぶステータス上がったし1回魔法みなおそっかな。

ポーションも全部クリーン水に変更だな。


あ、夜は魔力消費ついでにそれつくればいっか。

コツコツ作り直していこう。


いつ何があるかわからないからね。

異世界怖い。

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