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310話 - おめでとう?

『やった~!またクラムのかち~!クラムは1まんぴったりだよ~?』


「……1万2千くらい。もうちょっと。むずかしい……」


『僕……、約10万ダメージとかなんだけど……。断トツでビリだ……。風竜倒しちゃった……』


『パパへた~!まけたからよるごはんはパパたんと~ね~?』


『は~い。つくりま~す……』


 ぴったんこHPゲームおもろい。

 でもめっちゃ難しいなぁ。

 僕この系統の訓練ってあんまりしたことなかったかも。

 クラムが考えたゲームは為になるなぁ。


「………スライムの時の方が上手かった。訓練不足」


 ……訓練不足、か。

 お子に訓練不足って言われるようじゃまだまだだなぁ僕。


『そうだなぁ。魔力手(マジックハンド)の出力調整の練習が全然足りないね。物掴むとか日常生活は平気なんだけど、攻撃に使うとめっちゃ強いんだよ……。微妙なラインがダメだね。ちょっとこれ1人でも練習していくよ』


 僕が魔力手(マジックハンド)で敵倒すと大体弾け飛ぶんだもん……。

 このままじゃダンジョン生活終わったら外の魔物狩りとかできなくなっちゃうよ。

 素材やお肉勿体ない……。


 いや、まぁ光線(レイ)つかえばいいかな?

 あの魔法、貫通力高すぎるのと周りに被害が入らないからかなり便利なんだよね。

 急所狙いにもってこいだ。


 でもとっておき系の魔法は人にあんまり見せたくないんだよなぁ……。

 う~ん……。


『パパのまほうつよすぎるもん~』


「……うん。魔力手やめたら?訓練になってない」


『そうしよっかなぁ……。でも、これの調整訓練したいんだよねぇ』


「……なるほど。……目的があるならいい」


『パパ~。レイおしえて~?』


『あれなぁ……。ロジックとか無いから説明してあげられないんだよねぇ。熱線くらいまでなら説明できるけどちょっと違う気がするし……。パパは極光(ルミナス)使ってイメージのみで出してるからよく見ててみな?出来るかも知れないよ?』


『わかった~!じゃあいっぱいつかって~!』


『了解!任せろ!』


「……深淵(アビス)は?」


『闇方面か……。苦手だからなぁ……』


「……他でもいい。……ぼくが使えそうな魔法教えてほしい」


『他でもいいのね?おっけ!ちょっと考えてみるね!』


 やっぱ2人と訓練すると楽しいなぁ。

 子供と過ごす時間は僕の癒しだ。

 最高の時間だな!


 昨日92階層に新しく作った訓練場。

 屋根もあって闘技場みたいな感じだね。

 僕等の魔法で作ったんだ。


 参考は王都ギルドの訓練場。

 これに昨日、1日費やしたの。

 ベルが居たから内部の作りを教えて貰ってたんだよね。


 飲物飲めるところとか休憩室もあるよ?

 1日で出来ないって?

 ほぼクラムだもん。


 さらに僕等が訓練する時はクラムが結界、闘技場(スタジアム)を張ってくれるんだよね。

 馬鹿でかい半円結界(ドーム)だね。

 クラムの結界の訓練にもなって一石二鳥だ。


 この闘技場は単体訓練、少数の訓練、魔法の試作練習の時に使うの。

 もっと激しい戦闘や全力で魔法ぶっ放したいときは何もしていない93階層に行くって訳。


 91階層は家関連。

 92階層は訓練場。

 93階層は土地そのまま。


 ちなみに94階層は予備だ。

 ここはその時の状況に合わせてカスタムするつもりだ。

 家族みんなが違う訓練したいときもあると思うからね。


 全然関係ないけど100階層はそのうち城になるらしい……。

 クラムがお砂場遊びがしたい気分のときに、ちまちま建設していくようだ。

 クラム城、乞うご期待。


 あ、そうそう。

 ポケダンを使えば魔物を出すときに細かい出現場所も選べるんだよ?


 今までは広範囲魔法で階層の魔物一掃してたからこの機能あんま使わなかったんだ。

 階層指定しかしてなかったの。

 どこから出てくるかわからない敵を倒す方が訓練になるからね。


 だから、この訓練場の中指定で僕が次々魔物を出せば風竜との単体訓練が出来るって感じ。

 まぁ、すなわちクラムの結界は風竜の攻撃を軽々止めちゃえるって訳だ。


 攻撃を止められないレベルの魔物を出して訓練場が壊れたらクラムが怒るからね。

 出現魔物はクラムの許可制だ。


『怪我はしてない?次の風竜出すよ?』


『いいよ~?またかつけどねぇ~!』


 ここにダメージカットの魔道具置いちゃえば……?

 って声が聞こえてくるようだけどズルはダメって言われてるからね。


 あれは僕ら同士の訓練にしか使っちゃダメなんだよ?

 僕等同士で訓練する時はまた別途使う感じだね。


 今日からしばらくはお子2人との戦闘訓練になりそうだ。

 お弁当持参でほのぼの訓練を楽しみたい。


 外はピクニック日和だし。

 今は訓練所の中だから室内だけどね。


 ちなみに91階層~100階層までの僕等の生活階層ってさ?

 本当に外と環境が似てて、雨とか降る時もあるんだよ?


 まぁ単純に別の星を利用してるだけなんだもん。

 天候の変化くらい普通にあるよね。


 よく見たら上の方の階層はちゃんと天候の変化もするみたい。

 僕等ががっつり天候が変化する場面に立ち会わなかっただけらしいね。


 そして僕等が長居してるのって溶岩階層とかボス階層だもん。

 全部洞窟だもんなぁ。


「……パパ。……次、もう少し強くして?弱い」


『うーん。一応これでも調節してるんだけどなぁ。クラマよりステータスちょっと強いくらいなんだよ?まだ行く?』


「……うん。訓練にならない。ちょっとずつでいい」


 クラムとクラマはかなり訓練に使う時間が長い。

 今、2人はぐんぐん成長中だ。

 クラマはステータス上ではエステルをちょっと抜かしたかもしれないなぁ。


『ちょっとよわすぎるよね~』


『う~ん。わかった。次行くよ~?ぽちっとな』


 ・

 ・

 ・


 今日の朝。


 ちょっと不安だったクラマと風竜の対決。

 僕の予想に反してクラマは最初から全然落ち着いていた。

 クラマは大人だよなぁ……。


『クラマ大丈夫?怒らない……?』


「……ダンジョンの魔物とじぃじの仇は別。もう気にしない」


『ほんと?冷静にね?これ疑似生命体だからね?』


「……大丈夫。わかってる」


『……じゃあ行くよ?ほいッ』


 魔物が出現する時って近くの魔素が煌めいて魔物の形を構成していくんだ。

 エステルが倒したグリフォンの時にゆっくり見たよね。

 不思議な光景だなぁ。


 そろそろ完成かな?


 GYAAAAAAAAAA!


「…………」じーっ。


『……クラマの仇はこいつで合ってる?』


 シュッ。

 ズバンッ。

 スタッ。


 秒で首落とすじゃん……。

 縮地、天駆からの無属性の刃の抜刀だね。

 クラマの得意なルーティーンだ。


 でも今の風竜、戦闘力35万くらいはあったんだけどなぁ……。

 ちゃんと1人で事前に注ぐDPの微調整してきたもん。

 今のクラマととんとんだったよ?


「………………………」ぽか~ん。


『く、クラマ?大丈夫?』


「……ん、……合ってる。……合って、る?……多分」


 クラマがレアな表情を浮かべてる。

 刀をじっと見つめた後に訓練所の天井を仰いでるよ。

 感慨深いのかな?


 カチン。

 グリッ。


「……ふぅ。……パパ。……次、お願い」


『あ、ミスリル剣でやってみるんだね?クラマの言ってた自分の力だけってやつ?』


「……うん。……折れないようにだけ強化する」


『いや、折っていいよ』


「……いいの?」


『予備作ってるから。気が済むようにやりな?』


「……ありがと。……じゃ、剣から魔力抜く」


『了解。いくよ?せーのッ』ポチッ。


 GYA……


 シュッ。

 ズバンッ。

 スタッ。


 ……今、速度と風圧だけできり飛ばしたな。

 天駆のスピード乗せてしっかり丁寧に、さっきより早く抜刀してた。

 あれなら剣の耐久度とか関係ないよね。


 鉄でも行けるんじゃない?

 いや、鉄だと刃の方がクラマの速度に耐えられないかもなぁ。

 どうだろ?


「………………………」ぽか~ん。


『………だいじょうぶ?おめでとう?』


『おめでと~?』


 倒せたことを祝ってあげたいんだけど……。

 あまりにあっけなさすぎてなんて言えばいいのか……。


「……ん、……合ってる。……合って、る?……多分……合ってる……合ってるはず……」


 ……リプレイ映像かな?


『よわいね~?』


「………………………」ぽか~ん。


 あ、クラマのこの表情呆れてる感じだ……。


 ・

 ・

 ・


 そこからは、風竜につぎ込んだDPを少しずつ増やして強くしていった。

 鑑定しながらちゃんと調整してね?


 最終的にクラマの戦闘力の倍くらいのステータス。

 ステータス平均60万くらいまでの風竜を出してみたんだ。


 パパとしてこれ以上はちょっと怖い……。

 だがしかし、ここまで全部秒殺。

 結局クラマは妖術すら使っていない……。

 どうすればいいんだろうか……。


 って僕が悩んでたら僕とクラムも一緒に訓練しよってクラマが譲ってくれたの。

 一旦満足したみたいだね。

 だがしかし僕等も当然倒せる。


 クラムは電磁砲(レールガン)で1撃。

 面白くないって素手でパンチしてたけど、だがしかしワンパン。

 僕は先日もっと強いやつ相手にしてきたし言わずもがな……。


 訓練にならなすぎるし皆余裕がありまくりだからHPゲームしてたって訳だね。

 これじゃみんなちょっと物足りなさそうだ。

 ちょっとじゃないな……。


『えっと……どうする?まだ強くする?』


「……ん……とりあえず下、行きたい。広い場所。……1匹だと訓練にならない」


『そうだね~。93かい行こ~?』


 今日は初めての風竜戦だから92階層で単体戦をやってみようと思ってたんだけどなぁ。

 風竜単体と訓練しても全然相手にならなかった。


 午前中はなんだかんだ風竜と単体訓練で色々試した。

 とりあえず訓練所でお弁当食べて午後からは93階層に出向くことにした。

 複数戦闘の訓練だ。




 そして93階層……。


 戦闘力50万くらいの風竜の数を少しずつ増やしての特訓をした。

 …………ダメだった。

 余ったDP殆どを消費して100匹出してもダメだった…………。


 トカゲ100匹と同じくらいのDPを注いでるんだけどトカゲは戦闘力625000だったかな?

 トカゲはお得パックだから風竜に同じだけDP注いでもちょっと弱くなっちゃうみたいだね。


 ちなみにGPはちょっと増えてた。

 昨日ダンジョンのダメージを飛ばす結界を切ってもらったからだね。


 でもこれは僕がアンの転生システムに使えるGPじゃないはずだ。

 世界に使える分だ。


 アンのに使えるのは僕が稼いだ分って言われてるからね。

 細かくはわかんないからソフィア様が起きたらまた見て貰おっと。

 これは余談だったね。


 最終的に3人でやるならって条件で50体で戦闘力100万相当の風竜も出したんだけどなぁ……。

 僕結構身構えてたんだけど……。


 わかった。

 もうダメだ……。

 こいつ性格が雑魚だわ……。


『……で、クラマの感想はどう?もうだいぶ倒したけど……』


「……雑魚。……単調。……飽きた。……つまらない。……もういい」


 ぼろかす!

 つまらないものをたくさん切ってしまいましたねぇ……。

 今日だけで風竜1000体以上切ったんじゃなかろうか……。


 確か昔クラマが溶岩竜を退治したときにクラマだけの力でドラゴンが100匹来ても倒せるように鍛えてやる!

 とか考えた気がするんだけどなぁ。


 もうなってたらしい。

 恐らく100階層に行く訓練した時くらいから全然倒せてたんだろうなぁ。

 あの時数か月こもりっきりで訓練したからなぁ。


 ってかクラマって出会った時から風竜のこと多分倒せるって言ってたんだよ。

 あの時大体ステータス2000位だったでしょ?

 外のドラゴンって話を聞くに10000位のステータスなはずなんだ。


 同じステータスの魔物だと全然相手にならないのは知ってたんだよなぁ。

 それより強いクラムなんて尚の事だよ……。


 僕等、神様の加護あるし、僕の創造魔法で作った魔法使ってるしさ……。

 多分がっつり構えればステータス倍以上の相手にも勝てちゃうんだよなぁ。

 ってか5倍くらいでもしっかり対策を練れば倒せるんだろうねぇ。


『うん~。クラムもあきた~。トカゲたおしてるほうがたのしい~』


「……ねぇね。付き合ってくれてありがと」


『いいよ~?すっきりした~?』


「……ん。……どうだろ。……わからない。……パパもありがと」


『いや、全然いいよ。クラマの気が済んだなら何より。ただなぁ……』


「……うん。このステータスのトカゲには勝てない。……こいつが雑魚。訓練……がんばったのに……。はぁ……」


 クラマがため息ついてるよ……。

 わかる……。


『ほんとそれ。こいつが雑魚なんだよ……』


 僕が昨日1人で実験で戦った時から思ってたんだよね……。

 風竜マジで弱いんだよ……。

 すっごい違和感があったんだ。

 やっぱこうなったか……。


 こいつトカゲより柔らかいしトカゲより攻撃遅いしさ?

 スピード面もステータスはまだ100万もないけど、天駆を使うクラマより全然遅い。

 こいつは飛行型。


 クラマはこんな速度見慣れてるでしょ。

 おばあちゃんの方が圧倒的に早いし。

 ってかパワー型のエステルの方が早いし……。


 僕等は工夫して飛んでるしね。

 飛ぶときは飛行タイプのおばあちゃんやエステルでも魔法でブーストかけたりするもん。


 魔物ってその辺りがちょっと劣るんだよなぁ。

 ……ってか多分天駆使えるグリフォンのが全然強いよ……。


 強いて言うなら知能が高い、……ずるい?

 とは思うんだけど正直このレベルの敵にずるい事やられても別になぁ……。


「……ちょっと観察していい?」


『あ、いいよ。分析も大事だね』


 僕も賛成。

 もし、万が一、億が一、クラマの実際の仇討ちの時に危なくなったら嫌だもんね。

 何が強いのか分析するべきだ。


 そこから1時間ほど僕等は風竜の攻撃を避けたりガードを中心に戦闘した。

 じゃあさ?


 クラマと戦ってて勝てないってわかったら逃げて僕等に攻撃してくるし。

 でも、僕等の方がクラマより強いし……。


 で、それが無理なら他の魔物を盾にして逃げようとするし……。

 まとめて倒すから意味ないし……。


 ってかクラムが閉じ込めるし。

 クラマが無属性の剣伸ばしてまとめて切り飛ばすし。

 もう散々だよ。


「……時間の無駄」


『わかる』


『もういい~。たのしくない~』ズズーッ。


『ジュースなくなった~!パパ~!』


 クラム……。

 ジュース飲みながらやってんじゃん……。


『はいはい。これでいい?はちみつと柑橘類で作った炭酸ね』


『ありがと~!』ちゅー。


 ストロー気に入ったんだね。


「……ぼくも。……炭酸ミルク」


『そうくると思った。はい』


「……ありがと」ちゅー。


 舐めプの極みだな……。

 しゃーないじゃん!


 ジュース飲みながら倒せるほどに弱いんだもん!

 そしてそれ見てイラつくのか更に弱くなるッ!


 イラつく知能あるならもっと生かせよ!

 こいつマジで中途半端だ!

 ステータス全然生かしてない!


 風竜って格下相手特化型なんだろうなぁ……。

 あと飛べないやつとかね?

 ずるい性格ピッタリって感じだ。


 竜種(ドラゴン)が強いのってカスタム前だと他の魔物よりすっぴんの能力が高いってだけの話だな。

 同じステータスにしちゃったら音に反応して隕石連発してくるトカゲの方が全然厄介だよ。

 工夫して頑張ってる分弱い魔物の方が強いかも知んない。


 絶対スライムの方がつよいよ……。

 このステータスのスライム出せたらめっちゃ強そうだもん……。

 魔物の特性や性格ってすごく強さに関係してくるなぁ。


『いっそ龍とか出せたらいいのに……。龍の巣に行くのが少し安心になるのになぁ……』ちゅー。


 出せたとしても水龍は出さないけどね。

 それと同じでフェンリルもやだ。

 ケルベロスもヘルハウンドも無理!


 スライムも貝もカニもワカメも全部お断り!

 同族意識ないって言っても複雑な気分になるもん……。

 ワカメはいないか。

 選択肢多すぎて全部見てないんだ。


 その他のウルフは……もういいや。

 あいつらは僕等にかかってくるからね。


 まぁどっちみち龍は選択できる魔物の中には居ない。

 多分疑似生命体として構成できないとかシステム上の問題があるんだと思う。


『ずずーっ。アイスコーヒーなくなった。はぁ……。どうする?これ以上減らして強くすることは出来るんだけど、DP足りないからどんどん数が減ってくよ?もうちょい強くする?単体戦闘に戻る?でも数減らすなら風竜相手じゃない方が良いと思うよ?こいつ単体戦闘更に弱くなるもん。まぁ一応倒してもいいけど、効率悪くない?』


「……うん。……今日はいい。またやる。……冷めた」ずずーっ。


「……炭酸ミルクもなくなった」


 とうとう冷めちゃった……。

 最初に風竜切り飛ばした瞬間のクラマの顔と言ったらもう見てられなかったもんね……。

 あの辺りから熱量落ちてたんだろうなぁ。


 よく半日も戦ったよ。

 えらいぞクラマ。

 きっとステータスは伸びてるよ。


 外の風竜なんか絶対オーバーキルだよ。

 斬撃の風圧だけで消し飛ぶな。


 クラマの恨みも消し飛んでくれればいいなぁ。

 よくここまで頑張ったね。


『里の仇討ちしたらもう風竜と関わるのは止めよ?世界に何体いるのか知らんけど』


「……うん。訓練相手にもならない雑魚。……もう関わりたくない。仇だけ殺す。あとはいい」


『そうだね。で、今日はどうする?トカゲ相手に戻る?僕とトカゲ隕石躱す練習でもする?あれはめっちゃ特訓になるよ?』


「……どうしよ」


『またゲームする~?パパ考えて~?』


『あ、ゲーム?いいよ?そうだなぁ。重なった敵を同時に何体倒せるとか、風竜相手に地上縛りプレイするとか?……ってか帰る?ちょっと暗くなってきたね。良い時間じゃない?スマホッ』


 あ、夕方か。

 外と時間合わせてくれてるんだろうな。

 今16時くらいだね。


 いや、ちょっと早いのかな?

 夕方にしてはなんか薄暗いけど……。




 パラッ……

 パラパラ……。




『あめ~?』


『雨か。なるほどね』


 雨雲で暗くなってたんだな。

 夕立かな?


『”半円結界(ドーム)”。風邪ひくし帰る?魔法で雲散らそうか?まだ夕方だし訓練したいなら洞窟タイプの他の階層に行ってもいいよ?』


『ん~。どうしよ~?きょうおもしろくなかったしな~。ふかんぜんねんしょ~』


 おお。

 やるなクラム。

 むずかしい言葉覚えたなぁ。


「……雨。影がある……。ねぇね。……あれ、練習しよ」


 あれ?

 あれってなんだ?


『あれ~?いいよ~!いいおてんき~!』


 いい天気?

 雨だけど……。


「”闇纏”」トプンッ。


『”あんて~ん”』トプンッ。


 闇纏(あんてん)ッ!?

 アンの得意技じゃんッ!


『あ!それずるいッ!パパそれ使えない!』


 ……でも闇纏(あんてん)か。

 アンの体を借りたダンジョン生活の最終目標にしてる魔法だ……。

 この機会に2人に教わるべきだな。


 とりあえず観察からだ。

 見る機会ちょっとだけだったからね。

 2人にゆっくり戦ってもらおう。


『やっぱ闇纏(あんてん)使って戦ってくれない?パパ見てていい?』


「……わかった」トプッ。


『いいよ~?いってくる~』トプンッ。


 顔だけ出して話すとかできるんだ……。

 何だこの不思議魔法……。


『じゃ、行くよ?”半円結界(ドーム)”かいjy……』


 トプッ。


『もうでてるよ~?』


 結界無視ッ!?

この小説を読んでいただきありがとうございます!



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