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297話 - 竜人

『なんだよ……。くだらん情報なら協力拒否るからな』


「私は竜人だ」


 …………。

 あぁ。そんな種族居たなぁ。

 魔族より話に出てくることも無かったから記憶から消えかかってたよ……。


 トカゲの人じゃなくて竜人だったんだ。

 そういえばブレスとか使ってきたしなぁ……。

 確かに竜っぽいと言われれば竜っぽいのかな……。


『だから何だよ!お前が何人でも興味ねぇわッ!!』


「それは本当か?私が竜人だと知っているものはこの世にはもう居ない。全て殺した。国王すら知らぬことだ」


 ……え、何?

 急にシリアスな話なの……?

 竜人だから何なんだよ……。


 全て殺した?

 殺す程の何かがあるの……?


「先程年齢を小声で伝えただろう?」


『あ、うん……』


「さすがに蜥蜴人で216はこの外見では無理がある。私の容姿なら化粧等で誤魔化しても50が限界だ。私は今32で通っている。会長になったのは偽りの年齢で25の時だ。誤魔化すのに無理が来る年齢の度、姿を眩ませて生きてきたのだ」

 

 竜人って今まで見たことなかったし、確か王様も見たことないって言ってたんだよね。

 姿を見られちゃダメって事かな……。


「年齢の事を周りに悟られるわけにはいかない。万が一にも憶測されると種族がばれる可能性があるのだ。だから私が会長で居れる時間は残り18年程。そうなればまた行方を眩ませることになる……。もう時間が無いのだ」


 18年って時間がないのかな……。

 ちょっと感覚がわからん……。


 まあでも確かにそうだよな。

 エステルも普段はハイエルフって偽ってる。

 人間っぽい外見でも200歳で20代みたいな外見してたら絶対に人間じゃないってわかるもん。


 将来の為にそう言ったんだよね。

 誤魔化すにも限度があるよね。


『じゃ、なんで僕に年齢の事話したの?小声だったからなんかあるんだろうなとは思ったんだけど、話さなくて良くなかった?』


「私は既にクロ殿の事を信用しているのだ。どうしても協力してもらいたいことがある。その為に色々演技して本質を確かめたのだから。私は殺されてもいい心積もりでクロ殿の前に姿を見せたが、万が一生き残れることがあれば話を聞いてもらおうと思っていたのだ」


『協力?人を強くする話ってこと?目的は同じって言ってたよね。』


 イマイチ信用にかけるけど……。

 僕が会長と話したこれまでの時間、嘘が9割だからな……。


「うむ。そうだ。だが他にも話はある」


『まぁいいよ。話すだけ話してみなよ』


 まぁとりあえず話を聞いてからだな。


「わかった。順を追って話そう。まず、竜人の血を飲めば不老不死になれる。この話は知っているか?」


『まず不老不死!?いや、知らんけど……』


 まずって単語から絶対に紡がれないであろう二の句が出てきて既に困惑するわ!


「そのせいで多額の懸賞金を懸けられた。様々な者から狙われ、結局、私の一族は皆冒険者に殺されたのだ。そして私だけが生き残った。それからは姿を偽り、蜥蜴人だとずっと演技をして生きてきたのだ。人の事は信用できなかった。いつ命を狙われるかわからなかったからな」


 演技……。

 だからずっと演技から話に入るのか?

 それが癖なのかもしれないな……。


「その後、私は隠れながら100年以上ずっと鍛えた。復讐する為にな。冒険者ギルドに入り私の家族の抹殺に関与した冒険者の情報を調べ、長い時間をかけ皆殺しにした。ここで一旦話を置こう。どうだ?私は過去の恨みを原動力に生きて来た。幻滅したか?このような輩に協力はしたくないか?それならここで話は終わりにしよう」


『いや、別に。家族でしょ?僕も確実に復讐すると思うし。印象が変わったりはしないな。協力するかしないかは協力の内容によるね』


 この世界の常識が今ひとつわからん。


 盗賊の件もあるしね。

 盗賊に身を落としたら魔物扱い、だっけ。

 だから僕が地球の常識を突きつけるのはナンセンスだ。


 で、気持ちはわかる。

 僕も絶対に復讐する。

 クラマだってそうだしね。


 だからこの世界の復讐に関して印象がどうとかは決めないことにしてる。


 ってかそもそも会長の印象最悪だから。

 これ以上落ちようがないもん。


 協力するとしても仕事の関係以上はごめんだ。

 友達にはなれん!


「そうか、では続きを話そう。私は復讐を終えた。だがそれだけでは気が収まらなかったのだ。私はもう私みたいな存在を産み出したくない。だから私は冒険者協会の会長になった。竜人の懸賞金や情報は協会から抹消した。今はそのような情報で悪しき冒険者が他の人々を苦しめることが無いように会長をしている。それが私の会長である理由だ」


『なるほどなぁ…………』


「あぁ。そうなんだ」


 なんか話のテンポ悪いな……。

 どうしたんだ?


『えっと……。続きは?』


「これで終わりだ」


 え、終わり!?

 話しは理解したけど僕が協力することは!?


『そ、そうか。嘘にしては随分具体的だな。今回は嘘じゃないと思って聞くからな?頼むぞ』


「私は嘘つきだが、こんな意味のない嘘はつかないさ」


 うーん。

 会長ってあまり感情の起伏がないんだよな……。

 どういう心境で話してるのかよくわかんないんだよ。

 会長の真意が全く見えないんだよね……。 


『同情はする。大変だったんだな……。会長の過去の話だな?あと、会長が会長になった理由もわかった。きっと誰にも話したことないことなんだろ?』


「そうだ。この話をすることにも勇気が必要だった」


 だから、少したどたどしかったりこっちの様子を伺いながら話してたんだね。

 勇気が必要だったようにはあまり見えなかったけど会長的にはそうだったんだな。


『そうか……。重大な話をしてくれてありがとう。で、その話の続きを聞きたいんだけど』


「続き?続きはないぞ?」


『えっと……。僕に何して欲しいの?』


「わからないか?」


『わかるかッ!』


 この話のどこからどう掴めばいいんだよ!

 貴族や商売人はこんなことしてんのか!?

 それが上流階級では普通なのか!?


「そうか。だが、私の人生のことはもう話した。あとは何を言えばいいんだ?」


『なんで今まで饒舌だったのに急にそんな話せなくなるの……?』


「私はこれまでの人生で自分の事を話したことが殆ど無いのだ。自分の要望をどう伝えていいかわからない」


 ……そういうことか。

 自分の事を隠して生きて来たんだもんな。


 仕事上の事とか演技をしてる時はつらつらと話せるのに自分の事はうまく話せないのか……。

 確かに、重い話なのにあまり会長自身の感情は籠ってないんだよね。

 それが違和感だったのか……。


『わかった。じゃあ僕が聞くことに応えてくれ』


「うむ。助かる」


『復讐はもう終わったことだろ?僕には何もできないぞ?他に協力して欲しいことがあるのか?残党を倒す、とか?』


「ないな。自分の事には自分で片を付けた」


『会長は僕の協力に何を求めてんの?会長職の手伝いは僕には出来ないと思うけど……』


「それはそうだろうな。クロ殿に会長職は務まらん」


『う、うん……。そこまでハッキリ言わんでも……。じゃあ僕の協力を手にして成し遂げたい目的はなんなの?』


「目的は同じだ。人々が強くなるよう育成したい」


『なんで?僕は明確に理由があるでしょ。人々が滅ばないようにって言う理由がね?会長はなんで人々を強くしたいのかが伝わってこないんだよ……』


 強くなるにも目的があるでしょ。

 仇を打つとかもそうだろうし、闘技大会で優勝するもあるだろうしさ。

 王様になりたいって人も居たじゃん。


 その理由によって協力するかしないか全然変わってくるじゃん……。


「あぁ。すまん。悪しき冒険者が他の人々を苦しめることが無いように育成したい。ただ自衛も大事だろう?だから私は皆が悪しきものに対抗できる力を持つべきだ、と思う。だから目的はクロ殿と同じだ」


『……いや、それなら人が皆弱くなっても皆強くなっても同じことじゃないの?悪しき冒険者が強くなっちゃったらどうすんの?』


「確かにそれはそうだな。……ふむ」


『まぁ何となくわかった。要するに弱い人や騙されるような人を救いたいんだね?』


「そうだ!私は弱き者を救いたい。私が弱き時に救ってくれる者は居なかったからな……。これでわかったか!……やはり自分の事を話すことは苦手だ。手間をかけてすまない」


『いや、それはいいけどさ……。ギャップに戸惑うよ……。そしてまだわかんないよ……』


「そうか……。話すことは難しいのだな」


 良く言うよ……。

 僕散々騙されたんだからな……。


『続き行くよ?弱き者を救いたいことは理解した。で、会長は僕に具体的に何をして欲しいの?』


「弱き者を救って欲しいのだ」


 ……。


『わかった……。会長は今何してんの?もうそこから推測するよ』


「私の行動を話せばいいのか?今は私個人的にハイエルフを助けに行く策を練っている」


『ハイエルフッ!?』


「あぁ。逸話に出てくるようなものだ。存在も不明確だ。エルフ共の話からでしか聞くことが無い種族なのだ。だが私はハイエルフを救いたい。信じられないだろうな」


 僕が驚いたから信じられないって方向で捉えられたのかな。

 でも信じられないのは信じられないんだ。

 今までそんな人見たことなかったんだもん……。

 なんで会長がハイエルフを……。


『り、理由は?』


「エルフは皆口々にハイエルフが同胞だと言う。だがどう考えてもエルフに迫害されている気がしてならない。ハイエルフが存在するなら何故誰もハイエルフを見たことがないのだ!冒険者協会の会長の私ですら1人も知らないのだぞ?おかしいと思わないか!?」


 少し感情が話しに籠った。

 これは嘘じゃない。

 わかる。


 そうか。

 やっぱり違和感はこれだったんだ……。

 演技をしている時のほうが感情が籠ってるんだ。

 なのに自分の話をしだしてから感情が籠ってなかった。


 何が重要で何が重要じゃないか会長から見抜けないのはここだ……。

 これ、多分無意識なんだろうな。

 もうそうなっちゃってるんだ……。

 ずっとそう過ごしてきたから。


「ハイエルフの存在が本当なら、ニヴルヘイムが本当に存在するなら、きっと魔の森に幽閉されているはずだ。そして関係者の口は封じられているはずだ。きっと契約魔法等を使ってな」


『そう、かもな……』


「だがこれは私の空想上の理論だ。実際に現場を見て抑えないとなんとも言えないのだ。それなのに魔の森に入れるものが居ない。とりあえずはじめに、ハイエルフの現状の確認に協力して欲しい」


『うん、目的がやっとわかった。その為に僕は何をすればいいの?』


「魔の森に入る事が可能な冒険者を育成したい。その協力をして欲しい。これが嘘偽りない私の望みだ」


『そうか……。それで冒険者を強くしたいって言ってたんだな』


「それだけではない。まだまだ人の手の届かない場所に囚われた民や残された民が居るはずだ!そのような者を救える人材を育成したいのだ。それが私の望みだ。どうだ!伝わったか!?」


『うん。ちゃんと伝わった。それが理由なら……』


「協力してくれるなら私の血も取引材料に入れるぞ!コップ1杯ほどで不老不死になれるらしいが……」


『は!?なんで途中で話に入ってくるんだよ!!今協力してやろうかと思ったのにッ!それが1番要らない!余計だッ!不死なんてもう懲り懲りだッ!!』


「……要らない?不老不死だぞ……?」


 ふざけんなよ!

 やっと僕不死の呪縛から解放されたんだぞ!


 不死は不死だけどソフィア様に回収してもらえるからな!

 その血を飲んで不労不死になんてなったら僕今度こそ死ねなくなるだろうが!


『僕は家族と一緒に死ぬんだ!死にたいんだよ!頼まれたって不死になんかなるもんかッ!お前の血なんか絶対要らないっ!』


「そうか。クロ殿は私の血は要らないか……。それは困ったな……。それでは私にこれ以上の取引材料なんて……はは……は……」


 ポタッポタッ。


『なんで泣いてんの!?』


「え……?」


 ・

 ・

 ・


 会長が急に泣き出してしばらく時間が経った。

 少し落ち着いたらしい。

 僕はただただソワソワしていた。


 僕が泣かせちゃったのかな……。

 感情の起伏が少ない会長が泣くんだからよっぽどだろ……。

 デリカシーなかったかなぁ……。


「すまないな。少し感情が高ぶってしまった。もう大丈夫だ」


『……あ、あのね?血が汚いとか言ってるんじゃないよ?要らないの。不死が嫌なの。わかる?僕にもちゃんと理由があるんだよ。……でもデリカシー無かったよね。泣くと思わなかった。傷つけてごめん……』


「あっはっは!そうではない!逆だ!私はこの血のせいでずっと人から狙われて生きてきたのだ。だから興味がないと言われたのが嬉しかったのだと思う。そのような御仁と出会ったのは初めてだったのだ。それだけだ。気にするな」


 ずっと興味ないって言ってるけどな!

 こいつやっぱり話聞かないじゃんか……。


 あぁ、不死がどうたらってことを踏まえてか。

 だからなんやねんって感じだ。


『傷ついたわけじゃないならいいけどさ……。不死の怖さを知らない人はなりたいって思うのかもなぁ……』


 まぁ僕も転生前にそう思ったからこうなってんだけどね。

 ……まぁそれでも人を殺してまで自分が不老不死になろうとは思わないけど。


「不老不死など幻だ。そのような者存在しない」


 そうだよね。

 そんなの幻……ん?


『いやいやいやいや。実際なれることはなれるんでしょ?血を飲めば。幻では無いんじゃないの?』


「竜人の寿命は500程だ。だが若い期間が長い。私は若く見えるだろう?」


『まぁそうだね。人で言えば20代前半って言われても違和感はないね』


「そのせいだな。過去に竜人を見た愚かな吟遊詩人が謳ったらしいのだ。竜人の血を飲めば不老不死になれる、とな……」


『なるほど……。で?』


「まだわからないか?不老不死など嘘だ」


『……は!?……もうやだ……僕信じてたのに……』


 また僕嘘つかれたのか……。

 やっぱこいつの言いたいことわからん……。

 どこからどこまでが嘘で本当なんだ……。


「話を聞いてくれ。血を飲めば不老不死になるというのは嘘だ。そもそも竜人は不老不死ではない。450程から急に老化が進むのだ。竜人が不老不死ではないのに竜人の血を飲んで不老不死になるわけないだろう?」


『まぁそれを聞いたら確かにそうだけど……』


「だが私の家族はその嘘のせいで殺された。馬鹿な情報を信じた冒険者のせいでな……。私はずっとその嘘のせいで命を狙われて生きてきたのだ。それは事実なのだ」


『それは本当だよね!?頼むよほんと……。で、その情報を僕に話したのはなんで?』


「本当だ。何故とは不思議なことを言うな?私の命に関わる話をしたのだ。その情報を人々に流すと私はまた狙われる。嘘か誠か等関係ないのだ。もし不老不死になれるなら、という幻想だけで私は殺されるだろうな」


 そうだな。

 不老不死なんてものが存在するかもしれないと思うだけで動く人は多そうだ。

 それこそおばあちゃんが作った超神水とかも寿命伸びそうで怪しい。

 戦争が起こりそうだって思ったもん。


「だからこの情報が等価交換にならないか、と言う話だ。私の命を握っていると言っても過言ではないだろう?」


 あぁそうだった。

 命に関わる話をするからそれを協力の対価にしてくれって話だったな。


『話は分かったけど、血を取引材料にするとか言うなよ!要らん事言いすぎだろッ!』


「私の血を取引材料にする、と言ったのは、このような噂が立っている竜人の命でよければクロ殿に委ねよう、と言いたかっただけだ。すまない。このような話し方ばかりして生きてきたんだ……」


 めんどくせぇ……。

 直接的な表現を避けて貴族と話すとかそういうことか?

 嘘ばかりついたり演技して生きて来たって言ってたもんな……。


 自分の気持ちを表現するのが苦手だとも言ってたし。

 うーん……。


『わかった……。はぁ……。……最終確認だ。嘘じゃないんだな?』


「問題ない。これは本当の話だ。私が竜人だと知られると殺される。懸賞金はもうかかっていないが、まだ竜人の不老不死伝説を信じている輩はいるはずだ。それは間違いない」


『その情報を協力の等価交換にしようと思ってるのか?』


「いや、そうではない。クロ殿との話を漏らさない対価にしようと思ったのだ。クロ殿の信用の対価、だな。協力はまた別件だろう?それは個々の話を聞いて判断してくれて構わない」


 それはそうだな。

 その物事に協力するかどうかはその内容によるもんね。

 僕の信用を得る為の対価、か。


『わかった。却下だ。対価にはならないな』


「やはり信用してもらえないか。いつの間にか嘘をつくことが普通になってしまったな。クロ殿に嫌われて当然だ。まぁ、腹の探り合いが得意なおかげで私は会長になったのだから結果よかったのだがな……はは」


『そうじゃない。そんな情報いらんから対価にならないと言っている!何度も言ってるだろ!興味がないんだッ!……まぁもちろん他人には話さないけどな。ちなみに僕はお前の命に1番興味がない!握りたくもないッ!二度と命かけんな!』


「ふふ、そうか……。嬉しいな。これが嬉しいという気持ちか……。そのようなことを言われたのは初めてだ。だが、そうなると私はどう信用してもらえばいいんだ……」


『自業自得だろそんなの……。出会った当初から演技され続けてちゃ信用も出来ないよ……』


「だがそれは必要だったのだ」


『必要でも言い方とかやり方があるって言ってんの!!』


「そうだな。すまない」


 あぁ……。

 もうめんどくせぇ……。

 僕クラムを狙うって言われた気持ちまだ消えてないんだからね!


 散々騙されてもう何がなんだかわかんないよ……。

 そんな簡単にものの数分で信用できないっての。


 でも、仕方ないのは分かるんだよ……。

 あぁぁもう!!


『わかった!じゃ、せめてもうちょい真っすぐに話してくれない?僕貴族とかじゃないし、回りくどい言い方されてもわかんないんだよ。あと、騙すとか、演技とか交えないでそのままの会長と話したいんだよね。話し下手でも演技しない方がいいよ。ちゃんと相手に信用して欲しいならね?』


「わかった。尽力しよう」


『後、命は大事にしてくれない?淡々と命懸けるとか言われても逆に軽く感じちゃうんだって。そして命は懸けんな!』


「私の本心を真っすぐに、か……」


『そうそう。しっかり真っすぐ感情を伝えてくれる方が話しやすいんだよ。感情包み隠してると本心がわかんなくなるんだよね。まぁ仕方ないのかもしれないけど練習しようよ。僕お偉いさんじゃないし、会長の命狙ったりしないからさ?信用はそれからだ。これから頼むよ……』


「感情……か……」


 はぁ。

 色々原因があったのは分かったけどさ……。

 僕根本的にこいつの事好きになれないな。

 苦手なのは苦手なんだもん。


 ってか単純に疲れる。

 ほんと帰りたい……。


「あ!閃いたぞ!感情をそのまま真っすぐだな!」


『そうだけどなんだよ……。ってかもう等価交換の条件とか要らないって……』


「そうはいかんのだ!しっかり信用してもらわないとな!」


『だからそんなすぐに信用とか無理だって……。第一印象最悪なんだから……』


 僕は会長の事はまだ信用できない。

 ただ、重要な話を僕にしたことは伝わった。


 自分の命を取引に出してまで僕に協力を取り付けてハイエルフさん達を救いたかったんでしょ?

 だからもうその気持ちだけで満足なんだって。


 一旦僕の話を聞いてもらわないと先に進まないな。

 もうハイエルフ救出してるんだもん……。


 まぁエデンのことを話す程まだ信用できないし、何か新しい魔法を作ってしばらく監視しとくことは必要になるかなぁ……。


 はぁ。

 甘くて温かいコーヒーがおいしい……。


 最近熱くない程度に温度変化無効使うって言う小技覚えたんだよね。

 熱いものも飲めるようになったんだ。


 一旦リフレッシュしよっと。

 ズズーッ。


 


「私の事を娶ってくれ!」


『ブフォッ……ゲッホゲッホ………はぁ!?!?』

この小説を読んでいただきありがとうございます!



モチベUPの為に評価、ブクマ、感想、レビュー等にぜひご協力をお願いいたします♪

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