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287話 - 訓練の方向性

「綺麗なお花畑ですね~!」


『ほんとに綺麗だよね!ダンジョンから解放された気分だなぁ』


「クロムはダンジョン生活じゃからのぉ。ずっと暗い場所に居ても気分が滅入ってしまうのじゃ」


『ほんとそれ。赤い空間(溶岩階層)暗い空間(暗黒階層)しか最近見てなかったからなぁ。あぁ、猛吹雪で空間すら見えないところもあったわ……。最深部とかもう先見えなかったもんな……』


「……起きたばかりなのに眠くなる」


『わかる。外より快適じゃない?空気も綺麗だし、環境良すぎて眠くなっちゃうよね』


 本日は早朝からダンジョン3階層に簡易休息所を設置。

 そこから朝食を食べて二度寝して今はお昼頃。

 みんなで91階層から100階層までの散歩中だ。


 今は95階層。

 階層から階層までそんなに離れてるわけじゃないから僕らなら1時間あれば90階層から100階層を往復できちゃうくらいだ。


 僕等は基本80階層、90階層、100階層に家を建てていた。

 全部洞窟内だった……。


 熱いか暗いか寒いかしかなかったんだよね。

 まぁ温度変化無効とかライト魔石とかはつけっぱなし。

 クリーンで空気清浄もしてるから環境が悪いわけではないんだけどね。

 そろそろ普通を忘れるところだったよ……。


 ここなら常時クリーンとか使う必要もない!

 普通って最高だ!!

 僕常時魔法唱えっぱなしだったからね……。


 ……って思ったんだけどなんか魔法唱えてないとソワソワする。

 変な癖がついちゃった。

 もうカニの時からこれだし慣れちゃったよ……。

 だから新階層を観光しながらも、結局今もトカゲは僕の魔法でやられ続けているんだけどね。


『さいしょはなにつくろっかなぁ~』


「家は近場の方がええじゃろ?100階層でいいんじゃないかぇ?」


『そうだねぇ~!ゆうえんちとおしろはどうしよ~?95かいにつくる~?』


『楽しみなのはいいけど最初は家建ててよ……』


『パパ~!おうさまにおしろにいっていいかきいてくれた~?』


『あ、うん。さっきメール返ってきたよ。王様かリトさんがいる時にエデンに帰ったら城に帰る時に一緒に連れて帰ってくれるって。帰りは窓開けてくれるから好きにこっそり帰っていいって』


『やった~!ありがとパパ~!きょうの夜いってきていい~?』


 クラムは新しくなったダンジョン内に何を作ろうかワクワクしている。

 すごく楽しそうだ。


『良いけど、迷惑かけちゃダメだよ?他の人に見つからないようにね?お城内は飛ぶの禁止だよ?あ、あと、クラムの貝殻目立つから置いて行ってね?』


『え~!はずすのやだ~!』


『ダメダメ。お城に連れて入るのはいいけど貝殻だけ外して欲しいんだって。それがなければ見つかった時も普通の小さなスライムだから全然大丈夫なんだけど、貴族が多いから危ないって言ってたの。クルードみたいなやつになんか言われたら嫌でしょ?また”その貝殻を寄越せ!”とか言われるよ?』


『ちぇ~。わかった~』


 まぁ王様のことは信用してるし、そんなやばいことは起こらないと思うんだけどね。

 ただ、王様からクラムを城に連れて行く条件って言われたんだ。


 ①王様達以外と念話で話さないこと。

 ②勝手にウロチョロしないこと。

 ③貝殻を外すこと。


 だって。


 普通のスライムが王城に入ってるのは問題ない。

 王様がスライムを育てだしたって思われるだけって言ってる。


 もはや堂々とクラムを肩に乗っけててもただの笑い話だそうだ。

 だから普通のスライムのようにしてくれれば問題ないって。


 ただ、城の中には目ざとい人もいる。

 クラムの貝殻が高級なことはすぐわかっちゃうんだと。

 話題にはなっちゃうらしい。


 クラムの元の貝?

 コーラルシェルって有名な界隈には有名らしいんだ。

 もちろんラクトさんにも見られたことがあるしね。

 ラクトさんも驚いてた。


 だから、万が一見つかった時の為に背負ってる貝殻だけ外して欲しいって言われたんだ。

 まぁ、当然だね。


「3階層は見ておかなくてもいいのです?」


『ちらちら見るよ。でもたまににしよ?あんまりそれに意識持って行かれ過ぎても疲れちゃうじゃん?晩御飯食べながら皆でちょっと見るとか、朝の時間に進捗を確認するとかそれくらいにしようと思うよ』


 朝ごはん食べながらニュース見るとか、夕食食べながらバラエティー見るとかそんな感覚でいいよね。

 テレビ感覚くらいにする。

 ちなみに僕はご飯を食べながらテレビを見るのはオッケー派だ。


「それもそうじゃのぉ。我らには我らのやることがあるしの」


「優先順位は1番下でいいんでしたもんね?」


『そうそう。人のことは人に任せろって言われてるしね。今日はクラムの建築に付き合うんだ。家建てて落ち着いたら訓練だね!』


 今日はいったん休憩。

 昨日色々話したから気分転換だね。




 その夜……。


『はぁ~あ。僕やっぱりボッチじゃん……』


 新たなクラムハウスは100階層に建った。

 家は転送門からすぐの所に欲しいからね。


 もちろんフェンリルでも使えるゆったりハウスだ。

 家だけはとりあえず普通にしてくれた。

 王都で購入した家の形ベースだね。


 そしてクラムは特訓後には王様に会いに行った。

 王城観光はとても楽しかったそう。

 今日は王城に泊まってくるんだって。


 その他の皆も安定してエデンに帰った。

 色々やることがあるそうだけど僕には教えてくれない……。

 エステルの様子から何か隠しごとをしてることは明白なんだけどなぁ。


『まぁ気にせずにいこっと。さて、一応ポケダン見とくか……』


 そこから5時間程ポケダンつけっぱなしにしながら訓練していた。

 3階層の様子を確認するとちらほら冒険者が休憩所に入って行ってるようだ。

 少しくらいこれで変わればいいんだけど……。

 ちょっとでも進捗がいいようなら休憩所を増やすことも考えようかな。


『よし、ポケダンはおしまい!遮音オフッ』


 GRAAAAAAAAAA!

 GRAAAAAAAAAA!

 GRAAAAAAAAAA!


 ドドドドドドドドドドドッ。


『トカゲの魔法うるさ……。まぁでも5時間トカゲに包囲されっぱなしでも耐えられたな。多重結界でトカゲの隕石は防げるみたいだ。でもやっぱコスパ悪いなぁ……。よし、帰ろっと』


 帰ってちょっとお酒飲んで寝よ。

 昨日龍の嫌な話聞いて怒って疲れた……。


 僕怒るのすごく苦手なんだよね……。

 それにやっぱ1人ぼっちは寂しいんだもん。


 まぁもちろんトカゲは寝てる間も倒すけどね。

 エネルギー稼ぎはしとかないとなぁ。


 ダンジョンの必要のない階層から全部の魔素をかき集めればもう少しならレベル上がるかなぁ。

 レベル上げが一番難しいんだよ……。

 今後どうやってレベル上げて行こうか考えながら寝よっかな……。


 ・

 ・

 ・


 翌日……。


 お城の中には見たこともない装飾品がいっぱいだったようだ。

 新鮮ですごく楽しかったんだって。

 昨日はクラムが寝るまでずっとメールしてたんだ。


 もちろん今日から早速お城制作に取り掛かるらしい。

 もちろん最優先はトレーニングだけどね。


『パパはおしろのおっきいでんきつくって~?んんんんんんん…”くりすたるれーるが~ん”』バシュンッ!


『うわっっと』シュンッ。


 ドガアアアアアアアアンッ!

 GRAAAAA………


『お城のおっきい電気って……』シュンッ


 GRAAAAAAAAAA!

 ドウッ。


『……シャンデリア!?』シュンッ


 GRAAAAAAAAAA!

 ドウッ。


『僕そんなの作れるかな……』シュンッ


 シャンデリアってどう作るんだよ……。

 王様に高級品は閉まっておいてって頼もうかなぁ……。


 朝には皆集合して朝食を食べた。

 そこから今はトカゲ階層で特訓中だ。


『てかクラムは改造トカゲ倒せるじゃん!すごいね!蒼氷と雷の複合?いいじゃん!』


『でもすごくちからためないとダメなの~。トカゲたおせてもほかのまものたおせないよ~』


「私も負けませんッ!”瞬雷火刃”ッ」ビシュンッ!


『うわッ!びっくりした……』シュンッ。


 GRAAAAA………


『おお!エステルもトカゲ倒せたね!前言ってた火と雷と闘気の複合魔法でしょ?』


「そうですね!闘気を混ぜるとかなり攻撃力が高くなるみたいです!」


 エステルは闘気の複合がキーだ。

 闘気あり気だとクラムと並ぶくらいの攻撃力がでるな。

 闘気すごいなぁ。


「”火雷槍”」バシュンッ!


『おわっとッ!!』シュンッ。


 クラマは攻撃をうまく隠して打つのがうまいなぁ……。

 1番ぞわっとするよ……。


『ふう。あぶなかった……。今の火雷槍よかったね!クラマは雷属性強化中?』


 クラマは普段大きな魔法使わないんだ。

 ただ訓練中は僕がアドバイスした通り割り切って魔法打ちまくることにしたみたいだね。


 その方がいいね。

 この世界では魔法使いまくるほど強くなるからね。


「……うん。火と雷ならぼくも使えそう。でも、もう少し雷を強化したい。……パパは何してるの?」


 すたッ。ふぅ。

 階層前に戻ってきた。

 ちょっと休憩っと。


『僕は攻撃を瞬間転移(ワープ)で躱す練習してるんだよ?』


「……攻撃はしないの?」


 そこなんだよね……。

 昨日の夜中に50階層以上の魔素をかき集めてトカゲのレベルもう少し上げたんだよ。

 また少しだけ僕のレベルは上がったんだけどまたすぐに経験値取得量0になっちゃった……。


『この体のレベルを上げるのも目的の1つなんだけどさ?僕はもう改造トカゲ倒してもレベルあがらないんだよね……。だから無駄に力をつけないようにみんなと居る時は出来るだけ躱す練習をすることにしたの』


 僕が力を付ける程レベルは上がりにくくなる。

 でも僕はこの体をMAXのレベル500まで持って行かないと行けない。

 経験値稼ぐのなかなか難しいんだよ……。


 だから僕はレベルが500になるまでは経験値取得できる魔物しか倒さない方がいいと思うんだ。

 でもそれだと家族の皆の訓練が厳しくなりすぎる。

 だから家族の訓練の時間は完全に転移に訓練内容を割り振ることにしたんだ。


 ずっとこんなことやってるからステータスが伸びる秘訣みたいなのが分かってきてるんだよね。

 簡単な話、体に負荷を掛ければ伸びるんだ。


 だからその逆でステータスを伸ばさないような魔法の使い方をすればいい。

 強力な負荷を掛けなければいいんだ。


 でもMPは欲しい……。

 HPとMPはあまり強さには関連付いていないみたい。

 これをすごく上げたところで経験値取得量には関わらないみたいなんだよね。


 で、考えたのがこれ。

 瞬間転移(ワープ)を使いまくる訓練。


 瞬間転移(ワープ)はもう普通に使う分には問題ないんだ。

 もちろん全力でやると負荷がかかるよ?

 逆に飛距離が短ければ体に負荷はかからない。


 だから瞬間転移(ワープ)や多連結界でMPを無理なくずっと消費し続けるって感じの訓練をしてるんだ。


 この方法ならステータスは伸ばさずにMPの増幅だけ出来る。

 まぁ簡単に言えば長距離走してる感じだね。


 力、防御、敏捷、知能なんかのステータス関連は筋トレや短距離走をしたほうが伸びるんだよね。

 MPやHPは長距離走をする方が伸びるんだ。


 だから僕は一旦MP伸ばしにリソースを全振りする!

 目指せ70億だ!


『パパはいろいろかんがえてるんだね~』


『また僕とクラムみたいにレベルが上がらなくて困るの嫌だからね。もう僕魔石食べてもレベル上がんないしさ……。本当にどうしようもなくなっちゃうもん』


「アンくんの転生にはそれが不可欠ですもんね。私達にも協力出来ることがあれば言ってください!」


『それなら僕だけ階層内に入るから僕にも遠慮なく魔法打ってきていいよ?それも躱す訓練になるし』


「……もうやってる。当たらない」

『やってるよ~?パパねらうほうがとっくんになるもん~!』


 もうやってたんですね……。

 通りでなんか僕の方に魔法飛んでくるなぁと思ってたよ……。

 トカゲは色んな所にいるのにさ……。


『自分で狙ってって言っておいてなんだけどさ……。もう少しパパを丁寧に扱って欲しいな……』


 かけっこの時から思ってたんだけどさ……。

 この子ら僕の事遠慮なく攻撃するよねぇ。

 われもの注意とかのシールつくっておでこに張っておこうかな……。


「えぇ……。ずっとクロムさんが階層内で飛び回っているのにクロムさんには一切攻撃が当たらないので……。少しムキになってしまいまして……」


『お前もかエステル……。僕は一応婚約者じゃなかったのか……』


「違います!信用のなせる技なんです!」


 ものはいいようだね……。

 日本語って便利だよなぁ。

 あ、いや日本語じゃなかったか。


『はぁ。まぁいいや。ってことでトカゲ倒す訓練しながら僕のこともガンガン狙ってきてね?』


「……ぼくもその訓練やりたい」


『確かにクラマにも効果的か……。もう少し防御力があがってしっかり結界張れるようになったら躱す訓練するのもいいかもね?クラマなら妖術とか使って敵を惑わすのもいいかも?』


「……そうだね。わかった。そうする」


『あれ、そういえばおばあちゃんは?』


 さっきまでここで皆と一緒に訓練してたんだけど……。


「おばあ様は水化の訓練に家の方に戻りましたね?一旦昼食を取りに帰りますか?」


『おなかすいた~!かえろ~?』


「……うん。休憩も大切」


 ・

 ・

 ・


 家って言ってもおばあちゃんが居たのは80階層の家の方だった。

 ってか家の前にいた。

 家の玄関の前で両腕を伸ばして変な体制で立っているんだ。


「むむむむむ……」


 ボコッボコッ。

 ピキピキピキ……。


 うわ……。

 おばあちゃんの右手が沸騰しそうで左手が氷りそうだ……。


「おお、皆帰ってきたんじゃのぉ。おかえり。昼食かえ?我も休憩するとするかのぉ」


 それからお家の中に入って一旦休憩にご飯を食べることにした。

 今日はココちゃんが作ってくれたご飯だ。


 ココちゃん元気かなぁ。

 僕も会いたいなぁ……。


『へ~なるほど。うまい事考えたね?』


「そうなのじゃ!家にもクロムのスキルがかかっておるじゃろ?じゃから家から手を出して訓練しておったのじゃ!じゃがむずかしいのぉ……。力を弱めると沸騰してしまうし、強めると凍ってしまうのじゃ」


 80階層は溶岩階層の最終地点だ。

 スキル無しだと布が発火してもおかしくない温度なんだ。

 水なんかすぐに蒸発しちゃう。

 もちろん僕らの服にはその辺りのスキルは掛けてあるから燃えないんだけどね。


 おばあちゃんは家から両腕を出して腕の部分だけを水化してたみたい。

 水が蒸発しそうな環境で水化の水の温度を下げながら沸騰しないように耐えていたんだって。


『水化のコントロールって結構難しいんだねぇ』


「そうじゃのぉ。そもそも氷化を覚えんかったらここまでの温度調整はできんかった。この訓練を成せれば炎龍にも対抗できると思うのじゃ!」


 今も両腕を水化してくれてるんだけどよく見ると透明にみえ……ないな。


「水化してるかどうか見ても判別できないんですねぇ」


「わかるようにもできるのじゃ?ほれ」


 おお、おばあちゃんの手が手の形をした水になった!

 へぇ~。

 こんな作りになってるんだなぁ。


 でもそうすると服邪魔じゃない?

 服はそのままだけど……。


 そういえばおばあちゃんが最初に人に変身したときって服着てたよな?

 どういう仕組みだ??

 

 今はクラムが作った服だから服消えてないけど……。

 魔素に還る服とか作れるのかなぁ。


『おばあちゃんすご~い!』


「……すごい。でも、しないほうがいいね」


「そうじゃろ?わかることにメリットはないのじゃ。じゃから我は基本分からんようにギリギリのところで水化しておるんじゃ。指でも落としてみるかぇ?腕の1、2本くらいなら魔力を消費すればすぐに戻るから問題ないのじゃ!痛くもないぞ?」


『「「嫌だ(です)よ……」」』


 痛くないとかいう問題じゃないって……。

 なんでおばあちゃんの腕を落とさにゃならんのよ……。


 でも腕くらいなら即時再生できるんだね。

 ただ、その分魔力は消費する、と。


『でもほんとのパパはクラムにからだバラバラにしてっていったけどね~!』


『すみません……。あの時の僕が本当に失礼しました……』


 これから僕等は対龍に向けて訓練をしていく。

 皆訓練の方向性が定まったみたいだね。


 僕はとりあえず転移とMP強化。

 あとレベル上げだな。


 エステルは闘気関連、あと回復も覚えるそうだ。

 クラマは魔法の強化と妖術関連だな。

 おばあちゃんは水化の調整と攻撃魔法の練習。


 クラムは……。

 クラム何するんだろ?

 まぁクラムは遊んでるのが1番効果的だからクラムはクラムでいいんだ。


 もちろんその他のことや生活もやりながらだけどね。

 焦っても居ないしのんびり訓練。

 もちろんちゃんと遊びもする!


 そして龍に対抗できるような強さを得た時に龍の巣に行こうって計画を練っているんだ。

 コツコツ楽しく頑張っていこう!


 ……さて、早速その他①をやりますか。

 ポケダンポケダンっと。


『ご飯食べながら3階層の様子でも見よっか。”スマホ巨大化”』


 食事の最中、スマホをテレビサイズにしてリビングの壁にひっかけた。

 みんなで様子をみたいからね。


『パパ~!クラムがつくったおうちみせて~?』


『そうだね。昨日の夜訓練しながら見てたけど、ちょこちょこ人が入って行ってたよ?』


『にんきだったらいいなあ~!』


『人気だったらもう少し休憩所増やしてみよっか?』


 今日も簡易休憩所はうまく機能してるかなぁ。

 まだ稼働2日目だからそんなに変わりないと思うけどね。


 ポケダンの監視画面を起動。

 3階層の画面からクラムが作った簡易休憩所前に移動した。


『ん?なんだこれ。順番待ち?』


『あれ~?なんでクラムのおうちにはいらないの~?いっぱい~?』


「行列が出来ていますね?そんなに人気なのでしょうか?」



 クラムの休憩所の前には10人くらい並んでいる。

 そんなに人気なのかな?

 結構階層の端の方には作ったと思うんだけど……。


「あ、1パーティー帰ってしまいましたね?何をしてるのでしょうか……」


『3人くらいならはいれるよ~?なんで~?』


 さすがに小さめのボロっていっても休憩所だからね?

 20人くらいなら入るでしょ……

 そんなに中がパンパンなのか?


「……冒険者が入口前に立ってる。……パパ、その鎧の人、大きくして」


 行列の先。

 クラムが作った休憩所のドアの前。

 この人は人間か?獣人か?


 見た目にはよくわからない。

 でも、3階層に入るには少し高価そうな鎧を付けた冒険者が立っている。

 こいつがなにかしてるのか……?


『あ、うん……。拡大っと……。はッ!?』


「こやつ……。他の冒険者から金を巻き上げておるぞ……。どういうことじゃ……」

この小説を読んでいただきありがとうございます!



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