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158話 - みんなの装飾品

 伝説のクラム事件と時計選びが終わった後……


 僕はアクセサリーいらないので椅子に座って待っている。

 ちょっとまだ疲れてるし、装飾品は全部僕の能力だしね。


 興味ないんじゃないよ?

 僕割と服好きだもん。

 ただ、それなら魔道具や魔鉱の装飾品である必要もないかと思ってね。


(ピョンピョン)


 お、最初……意外だな。

 クラムが戻ってきた。


『パパ~クラムいらない~』


『いらないの!?』


『クラムしんかするかもでしょ~?またつくって~?むこーは貝につけてよ~』


 あ、そうか。

 僕とクラム進化するかもしれないし先何になるかわかんないもんな。

 ミスリルとかばあちゃんの髭使ってるから貝にもつけれるか。


 ってかアイテムボックスなんにでもつけてるしな。

 木に炎付与したし。

 付けれるのは何でもつけれるんだろうね。


 まあその辺は気分だ。

 付与と関係なくても魔力伝導はいいことに越したことない。


 エステルは特にね。

 魔力纏わせること多いから。


 だからやっぱりオリハルコンはいらん!


 体に魔力が伝わる場所なら装飾品は効果あるからな。

 温度変化も貝に付けるキーホルダーがいいか。


『おっけー。じゃあそうしよっか。温度変化はとりあえず貝に付けれるキーホルダーでいい?温度変化無効は取り外しできた方がいいよ?』


『うん~!かいにつけとく~!またアクセサリーもつくってね~!ほかのかっていい~?』


『うん、好きなの買っておいで。あ、金貨までに買えるミスリルのチェーンとか見てきてくれない?綺麗にチェーン作るのはさすがに大変だ』


『わかった~いっしょにかってくるね~!』


 センス関係ないものなら作れるけど……

 チェーンみたいに細々大量に連結させるの手作業はかなりキツイからな……


「クロムさん、わたしは……ネックレスと指輪でいいですか!」


『いいですよ?……そんな意気込んでどしたの?どっちがどっち?』


「ネックレスはクラムちゃんが作ってくれるお花の形にしてください。そっちが温度変化無効で……」


『じゃあそれ世界樹で作ろうか。クラムに頼もう。指輪に耐性系ね?』


「で……指輪は左手の小指に……クロムさんが作ってください……」


『おっけー。指ならそこがよさそうだね。そっちは燃えないと思うけどミスリルにしとこう。指輪だしね。また指のサイズ測らせてね?』


 そこだとあんまり剣術の邪魔にもならなそうだ。

 なんでそんなに意気込んでるのかと思った。

 左手の薬指とかに頼まれるのかと……


「いいんですか!?」 


『え、いいよ……?なんで……?』


 僕もピンキーリングとかサムリングとか結構好きだよ?


 生み出すセンスはないけどアパレル業もしてたからさ。

 服飾系が全くわからんとかではないよ?

 

 おしゃれ好きでも絵を描けるセンスは別物じゃんか。


「では他のものもクラムちゃんとみてきますね~♪」


『ん……?うん』


 へんなの?

 僕もみんなの布選んだり普段からしてるよ?

 シンプルな指輪なら作れるかなぁ……うーん。


 そして意外とクラマが一番悩んでるんだな?

 邪魔にならないものって言ったからかな。

 全部邪魔なんだな……きっと。


「……邪魔にならない……装飾品ない?」


 お、珍しく職員さんとクラマが話してる。

 レアケースだ。聞いてみよっと。


「邪魔ですか……なるほど。手は冒険に酷使されるので?あぁ、剣を装備なさってますね。お客様は剣術使いですか」


「うん……手と腕は……あ、足も……。あと服も……首も邪魔……」


 全滅じゃんか……

 そりゃ悩むわ……


「そうですね?では耳はいかがです?」


「……耳?」


 耳……イヤリングとかピアス?


「大きな耳をもつ獣人の方は特に耳に装飾品を付けるのも人気ですよ?お客様にはお似合いだと思います」


 あ、そういえば!

 たまに獣人さんの耳にもついてたね!

 ウルフェンさん耳にピアスついてたわ!


 でもピアス痛くない?

 クラマがいいなら反対とかはしないけど……


「……ミスリルのある?」


「こちら等はいかがでしょう?」


 そういって職員さんが下から取り出したのは……

 リングタイプの……ピアスかな?

 イヤリングっぽい金具はついてないな?


「こちらなら耳に穴を開けなくとも大丈夫です。ミスリル銀がベースですが先端に特殊な金属が使ってありまして金属と金属が魔力で引き合うのです。激しく動いてもとれることはありませんし、強く挟んでいるわけでもないので痛くもありません。取り外したいときはここを押せば……どうですか?」


「……簡単……つけてみていい?」


 クラマがつけさせてもらって頭を振っている。


 すげぇ。全然取れない。

 異世界金属?魔力のおかげ?

 磁石的な感じだよね。


 マグネットピアスって気になる人は気になるんだよな。

 挟まってるの痛いし。

 あれは痛くないんだなぁ。


 便利だなぁ。

 まだまだ知らないこといっぱいあるなぁ。

 こっち来てからまだあんまり経ってないしな。


『クラマー!それ欲しいなら2個買って!僕その仕組みは今作れない!僕が作ったのじゃなくてもいい?』


『……戦闘に関係ないからいい。これ……いい。邪魔じゃない……付与できる?』


『なんでも大丈夫~!あ、やっぱり5個買って!今後何か付けるときクラマはそれがいいでしょ?』


 あれなら3連ピアスみたいに並べてつけてもカッコよさそう。

 クラマに似合いそうだ。

 全体的に白、灰、銀っぽいからミスリル似合うんだよな。


「じゃあ……5個」


「5個ですか。こちらは土魔法を使って磁力というものを生み出して作られている製品なのです。こちらの魔法、ドワーフにしか扱える物が居ないので結構お値段しますよ?5つですと金貨7枚と銀貨50枚になります。ちなみに磁石を使ったものもありますが少し……気になるかもしれません」


 うわっほい!

 1個150万!!

 ほぼ家と同じ値段!!!


 あ、磁石はあったんだね。

 まぁ採掘すりゃ出てくるか。

 マグネタイトとかあるのかな。


 というか……

 土魔法で磁力使えるんだ。

 発想に無かったなぁ。出来るかなぁ……

 買い物から発想を得ることもあるんだなぁ。


 ちらっとクラマがこっちみた。


『いいよいいよ!みんなで稼いでるし命かかってんだから。1個金貨10枚でも買う。いけいけ~!』


「……大丈夫。……ちょうだい」


 そう、そしてクラマが気に入るアクセサリーなんてここを逃すともうないかもしれない!!

 必要な時にいいものがないと困る!

 付けてくれるなら今それをまとめ買いするのだ!!


「ミスリル以外にも素材はありますよ?魔石がついているものも……」


「……いい。……その色が好き」


 そうそう。

 クラマちゃんと好みあるのよ?

 色々つけることに興味がないだけ。


 割とクラムと着流しの柄一緒に選んでるよ。

 趣味がいぶし銀って感じ。

 シンプルイズベストなだけ。


 白、灰、黒、銀、藍あたりが色の好みだね。


 かなり気に入ってるっぽいね。

 外してないもん試着から。

 そのまま買い取るみたいだね。


 左狐耳の外側根元に2連ピアスがついてる。

 かっこいいー!!めっちゃ似合うな!!

 あれにあのまま付与してあげよう。


 その後もう少しみんなアクセサリーを選んだ。

 さすがに時計買ってそれぞれ少しアクセサリー買ったから結構値段した。


 金貨19枚半……。


 10枚はクラムだ。

 結局いっぱい買ってた。


 このレベルでお金使ったの初めてじゃない??

 しっかり家以外の買い物なんてエステルの本くらいのもんだよ。

 たまにはショッピングもしないとね!


 まぁでもどっちみちクラムのあれはほとんどみんなの服に生まれ変わるんだ~。

 よくアクセサリーで服の装飾してるの。


 パーツ扱いだね。良き良き。

 たまにはこういうショッピングもいいなぁ~

 いい気分転換になった。


 今日は疲れたし、帰ってゆっくり寝よっと。

この小説を読んでいただきありがとうございます!



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