149話 - 70階層の階層主
何か今まで色々考えて来たけど……
精神耐性あっても怖いもんは怖い!
光と闇は物質ありそうだし……魔法の上限はなかったし……
想像するのは大事だけどあまり決めつけたり縛られて行動するのはやめよ。
そうなったらそう!!
そういうもん!
僕にはこの世界のことはわからん!
受け入れる方が学ぶもの多そうだ。
守ってもらえるって思ったら庇護もらったんだもん。
自分の弱さを受け入れるって大切だね。
あれから一旦68階層の階段でまた寝泊りして、
今……ボス階層へ下っている。
半日あれば一気にボス階層まで来れたんだけど、
壁とかないから一気に魔物が押し寄せてくるんだよ
このエリアは僕だけじゃなくてみんな精神疲労が結構あるんだ。
肉体疲労だけじゃないからね。
気疲れしちゃうよ……
だから半分ずつで区切った感じ。
ここが70階層か……
『すごいな……ここ……』
「不思議なエリアですねぇ」
岩でできた1本橋の様な10mくらいの幅の通路があってその先にいつもの石門がある……
その先は多分全体みると200m以上の平たい……
舞台って言えばいいのか?
観客席とかがあるわけじゃないけど。
ここで戦います!って感じの円形の地面がある。
でも魔物いないよ……?
その時魔素の様なものが舞台の中心に集まり出した。
『え!?すご!!何このシステム!?』
「……すごい」
『すご~い!』
「神様の力ってすごいんですねぇ……」
みるみる魔素が魔物の形になっていく……
しばらく見ていると……そこに現れたのは……
「んーちょっと遠いですけど……お話でみたことありますねぇ」
「……ぼく……初めて」
『とりさんのあたまなのにからだちがう~!』
『あれ……グリフォンかなぁ?”千里眼”……』
鷲の様な頭にライオンの様な体……
多分そうだと思う。
『なるほどなぁ。まぁずっとただ魔物置いてても意味ないもんな。この階層に入ったら構築される仕様か……。もう本格的にこの階層って普通の冒険者到達できないだろうしな……。この先全部こんなのかな……』
何だよあのワイバーンの数。
ワイバーン倒せる冒険者でも無理だろあんなの。
崖っぷちだしな……。
キャシーのステータス見てないけど10000超えてても絶対来ないわ。
キャシー戦うの嫌いだし。
「えぇ……もう攻略させる気はありませんでしたよね……。ソフィア様がそうだと言ってたと聞きましたけど……」
『うん……”鑑定”』
★種族:グリフォン
・LV162 / 180:経験値 -
・HP:8216 / 8216
・MP:7216 / 7216
・力:12656
・防御:8215
・敏捷:16289
・器用:6712
・知能:3689
・魅力:721
・幸運:326
【魔法】
・嵐 LV9
・雷 LV3
【スキル】
・暗殺・隠密
・魔力感知
・瞬足 ・縮地
・望遠・聴力強化
・治癒 LV7
・体術 LV7
・回避 LV8
・空歩 LV8
・天駆 LV7
『いや、しかもあいつめっちゃ強いな……平均ステータス12000くらいあるじゃん……』
「えぇ……このエリアの主ともなるとこうなるのですか……」
ちなみに僕がよくいう平均ステータスっていうのは基本フィジカル面のことだ。
力、防御、敏捷の平均。
HPやMPは魔物によってかなり差がある。
個体差もあるしね。
ちなみにワイバーンはHP平均4000位だった。
MPは2000位くらいしかなかった。
器用と知能も魔物は低めだし。
魅力とか幸運とかを参考にしてもね……
運とか……視野に入れて戦闘できんもん……
「天駆と縮地……」
『いやほんとじゃん!しかも魔法嵐と雷って……。どっちも上位属性の上に雷属性持ってるやつ初めて見た……』
「そうですね……天駆と縮地もですが……雷魔法も厄介そうです……」
『これって、ここから倒せないのかなぁ……壁ないけど……』
ずるいって!?
知らん!僕は安全策が一番なのだ!!
僕とクラムのステータスがあいつ上回ってようが関係ない!!
そして早くこの階層から出たいのだ!
なんなら一旦帰りたい!!
GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!(バンッ)
その時……グリフォンが風の弾丸をこっちに向けて吐き出した!
(シュンッ)
『あ、消えた。そりゃそうだよねぇ……ちぇ。一応……ショット!』(バンッ)
(シュンッ)
舞台に合わせて魔力の弾丸はかき消されてしまった。
『攻撃魔法はちゃんと弾くようになってるんだなぁ……』
「……ぼく……行こうか?」
『クラムは~いいかなぁ~?はやいしめんどくさそう~』
クラムのほうが全然もう早いし余裕だろうけどね。
インフェルノウルフにイライラしてたからなぁ……
速度重視の獣系嫌いなんだな。
わかるよ、理屈じゃないよね。
「ここは私が行く方がいいですね。クラマ君は雷属性は危ないでしょう?クラムちゃんは念の為先の階層の方がいいと思います。ステータスも私近いくらいですしね」
「……ママは」
「”雷撃”ッ」(バチバチッ)
「レベル3くらいの雷属性なら受け流せると思います!」
おお……
僕がインパクトの瞬間に力を込めてとか言ったから完成した雷パンチの効果がこんなところに……
『まぁ専用の装備は作れると思うよ?どっちでも大丈夫だけど……ってかみんなで行けばいいとおもうんですよね。個人戦しないとダメな決まりはないんですよ?他の冒険者さんはみんなパーティーでやってると思うんです?60階層みたいに冷気なら通すかもしれないし行動できないようにしちゃうのもありだと思いますよ?』
僕は……家族の為なら……
邪道を貫いてもいい!!
僕等に関係ない魔物のことなど知らん!
「せっかくですから!あと私クラマくんと練習していてなかなか縮地には手こずるんですよ。なので!私に行かせてください♪」
『クラムはいいよ~?』
「……ぼくも……僕より縮地は遅そう。……天駆はまだおなじくらい」
グリフォンだもんな。
空駆ける生き物って感じだもん。
『んー、任せるところは任せるっていったからいいけどさ~。でも中には一緒に入るよ?さすがにやられそうになったら放置はしとけないよ』
「わかりました♪じゃあ……3分の1までで!クラムちゃんのシールドの中で見ててください!」
『は~い!』「……わかった」
『へ~い……心配なのは心配だもん……』
「ふふ♪じゃあ行きましょうか。じゃあクラマ君、クロムさんをお願いします!」
「……ん……大丈夫」
『クラムたちにはし~るどはっとくよ~?エステルは~?』
「せっかくやるんですから!手助け無用です♪」
『は~い!』
『じゃあ服に付けた付与はどうするの?今無効だよ?』
『あ、取っておいてください!』
『へ~い……”付与”解除』(シュン)
付与は自在に解除できるんだ……
言わなきゃよかったかなぁ~。
でもまぁ……見守るところは見守るって言ったし。
まぁちょうど今のエステルといい勝負くらいかきっと。
・
・
・
(ギギギ……)
みんなで100m程の通路を歩いていき石門を開く……
GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!(バンッ)
おっと先制攻撃か!?
風弾打って来た!!(バンッ)
まぁクラムのシールド張ってるからね。
大丈夫だよ。嵐属性くらいじゃね。
僕等だけなら無効だし。
シュッ……
エステルが勢いよく飛び出した!
「闘気脚ッ!」バシィッ!
GRU!!
UUUUUUUU……
右サイドに回って闘気を纏った足でグリフォンを蹴り上げた!
みたいだ……名前的にたぶん……
闘気見えんもん……
おお、すごい。
あれでぶっ飛ばないんだ。
怯みはしたが……
さすがステータス同じくらいなだけあるな……
「私が相手ですよ?私を狙ってくださいッ!!」
GYAAAAAAAAAAA
エステルがそういうや否や電撃がエステルを襲った。
タッタッタッタッ
「そうそう、それでいいですよ」
それをエステルはバク転で避けた。
身軽だなぁエステルは……すごいな。
「でも、魔法もいいですが、足使わないと勝っちゃいますよ?”瞬動”」
シュッ!
「こっちですよ。氷双連刃ッ」(ズババババッ)
またグリフォンのサイドに回って体を回転させながらの双剣の連撃だ。
今回はファンネルしないらしいな。
ちゃんと色々使って戦うつもりみたいだ。
久々に双剣見た気がする。
エステルの瞬動は瞬足の上位互換らしい。
縮地と違って体力やMPを消費している間はずっと動けるみたいだ。
ただ縮地の方が一瞬の動きは速い。
一瞬に爆発的に力を放出しているのか連続して動き続けるのかの差だろう。
すると……
グリフォンがステップして後ろに下がった。
「火炎弾ッ!!」(ババババババッ)
それを追いかけるようにエステルの炎の弾丸!
おお、今度は弓か!!
いいね!それこそエステルの持ち味って感じ!!
すごい高速バトルだ……
シュン……
その時……グリフォンの姿がぶれた。
「後ろッ!ぐっ……」
『エステルッ!!』
「……縮地」
火炎弾を避けたグリフォンが瞬くまにエステルの背後に回って体当たりを仕掛けた。
気付いて躱そうとはしたのだが掠ってしまったようだ。
「大丈夫です!こうでないと……せっかく戦うのですから……」
『なら……邪魔にならないように黙って見とく……』
『がんばれエステル~!!』
『……ちゃんと見て……ママなら大丈夫』
「はい!行きますよ~!”瞬動”っ!」
うう……声出しちゃうよ……
エステルって……
戦いだすと結構スイッチはいるよね。
でも最近真剣に戦うことなんか僕らの練習くらいしかないもん……
真剣になるよね。
黙って応援しよう!
頑張れエステル!エステルなら勝てる!!
この小説を読んでいただきありがとうございます!
モチベUPの為に評価、ブクマ、感想、レビュー等にぜひご協力をお願いいたします♪




