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135話 - ヴァンパイア公爵は強いんです

 

 え……じゃあ……もうレベル上がらないってこと………


 ステータスは僕らの特訓でしかあげれないの……?


 まだヴァンパイア公爵倒せるようになったくらいなのに……


≪なにいってんのあなた?ヴァンパイア公爵ってなによ≫


『え、だって洞窟コウモリ平均ステータス30くらいだったんですよ!?』


≪だから何よ≫


『ヴァンパイアはコウモリ従えてるって言うじゃないですか?100匹くらいは従えてますよね?』


≪いや、知らんけど……≫


『そういうもんなんですよ世の中は!じゃあステータスは100倍は固いわけですよ。でもやっぱそこには箔がつくでしょ?って考えると計算上ヴァンパイアはステータス5000になるわけっす!』


『そうそう~そういうもんなの~!』


≪そ、そうなの……?ちょっと私の頭にはなかった計算だけど……≫


『そこからですよ!ヴァンパイアって爵位があるんですよね?たかがコウモリごときを従えているヴァンパイアはせいぜい男爵級っすわ。その次の子爵は超少なく見積もっても1.5倍くらいのステータスになるでしょ?それを公爵級まで繰り返すと5000・7500・11250・16875・25312.5ってなるでしょ?やっと僕等公爵級まできたんですよ!』


『でしょ~?がんばったの~!』


≪ま、まぁ計算上はそうね……?≫

(何の話をされてるのかしらわたしは……)


『でもこっからですよ……その次は四天王ですわ……』


≪……≫


『四天王って言うからには公爵のステータス2倍は固いんス!でもきっとそれ倒したところで我は四天王の中で最弱……とかいうんすよ!じゃあ四天王最強ってどうなるんすか!?さらに2倍には絶対なるでしょ!?そっからもう魔王とかで出したら、魔王なんか四天王や他の幹部で取り囲んでも絶対勝てないから魔王は魔王なんです!じゃあもう10倍ですよ!そうなったらもうここでステータス200万は行く計算ですよ!?絶対その後また裏ボスとか神とかいうやつが出てくるはずなの!だから魔王や裏ボスがでてきても安心安全のスローライフを築けるようクラムとステータス1億を目標にここまで頑張ってきたのに……あんまりだ………僕達には魔王すら倒せないのか…………経験値もらえないなんてそんな……………………僕………戦い嫌いなのに……………ここまでがんばって……………………僕の幸せな家族スローライフ計画が…………………』


『ソフィアのおに~!あくま~』


≪ちょ!ちょーっと待った!何そのスーパーインフレしてるステータス!?何よヴァンパイア公爵って!なんで爵位上がったら強くなる計算なの!?っていうか魔王って魔国の王のはなし!?ただのジジィじゃないあいつ!なんで魔王にあなたが襲われる算段で話してるの!?あいつがステータス200万ってどういうこと!?あなたの方が多分既に全然強いわよ!なんで私悪者みたいになってるわけ!?ちょっと本当になにいってるかわかんないんですけど!?≫


『だって……ひょっとしたらこの後も宇宙の帝王みたいなやつが侵略してくるかもしれないし……だから……僕絶対家族守らないと……異世界こわいじゃんか………グス』


『よしよし~!クラムもいっしょにがんばるよ~?』


≪宇宙の帝王ってなによ……そもそもその付近に宇宙に進出してる惑星ないわよ……≫


『そうなの?じゃあ宇宙から侵略されない?1000年生きるエステルも大丈夫?』


≪1000年生きても宇宙科学が出来そうな文明なんて近くにありませんー。その銀河に人が住める星なんてそこだけですー。銀河単位で行動可能な宇宙船なんて相当先の文明だからね?他の星からの侵略者なんか来ないわよ何万年も……はぁ……ネガティブすぎるでしょ君…………≫


『じゃあ僕ステータス1億目指さなくていいの?』


≪ステータス1億ってなによ。歩いたら天災じゃない……生物としてどうなのそれ……。作らないわよそんな生物。私が困るでしょ……はぁ……。それこそアテナ呼ぶわよそこまで行く前に≫


『ソフィアおにじゃない~?』


≪鬼じゃないわよ……誠に遺憾ね。その辺りでレベル伸び悩んでるのにどうやってステータス1億とかになるのよ……ちょっと考えたらわかるでしょ?≫


『じゃあステータスに上限とかってあるんです?それなら僕もカンストしてからトレーニング止めますけど』


『クラムも~!およ~ふくつくるの~!』


≪いや、特に上限は設定してないけど……鍛えれば鍛えるだけ伸びるわよ………≫


『ほらー!すごい特訓方法開発してステータス爆伸びする人もいるかもしれないじゃないですかー!!昨今急に変身したり怒りで目覚めたり何かの能力に覚醒したりするタイプとか多いんですよ~?どうするんですか5回とか変身したら!ひょっとしたら変な食べ物食べて強くなっちゃったりするかもしれないじゃないですか!僕は絶対家族守らないとダメなんです!パパなので!!』


≪そ、そう。パパだもんね……がんばって………≫

(クロム君に多分何を言っても無駄だわ……)


『まだまだ特訓がんばらないとね!パパとがんばろーなクラム!』


『うん~!パパといっしょ~!』


≪………≫

(クラムちゃんが不憫すぎるわ……デメテルに相談しましょ……)


≪ゴホン。で、あなた達レベルの話どうしたのよ……。ステータスの話に話しがねじ曲がってるわ……。クラムちゃんの進化のことで悩んでたんでしょ?≫


『あ、そうでしたそうでした。聞きたかったのは、レベルが上がる時にトレーニングしてた方がレベルの伸びが良かった部分なんですよ』


≪そうね?蓄積した努力はそこで身になるようにしていたわね?≫


『あ、やっぱりそうなってましたか。ただ、この前クラムのレベルが上がった時にちょっと気付いたんですけどステータスが伸びなくなったんです。表現しにくいんですけど、今まである程度の割合で伸びてきてたのが現状高いステータス程ストンって落ちた気がしたんですよ。毎日ステータス見てたからわかるんですけどね?』


≪ほう?≫


『数値上は上がってる風にみえるんです。10000と1000だったら1割上がってもそりゃ母数が高いステータスの方が伸びるじゃないですか?』


『そりゃそうね?』


『なのに、この前レベルが上がった時にその割合よりは少なかったんです。1000の方は100上がったのに、10000のほうは500しかあがらなかったら10000の方が上がってない計算にならないですか?』


≪なるほどね?すごい見てるのね……≫


『もちろん。無駄にしたくないので!だからなんでかな~って。蓄積した分レベル上がる時にステータスが伸びるならたくさん蓄積させてレベル上げた方がいいじゃないですか?それなのにレベル上がった時に割合下がったから……。で、いつの間にか努力蓄積させまくってたらレベル上がらなくなったし……なんか本末転倒だなと……』


≪……≫


『僕等ってレベル上限値に達したらステータス伸びなくなっちゃいますか?』


≪いや、それは関係ないわ。別にトレーニングして自分達の能力が上がれば上がるわよ≫


『あ、とりあえずよかった。レベルMAXになったらステータス止まるならレベル上げない方がいいじゃないですか?だからレベルケチってたんですよ。まぁもうレベル上がんないんですけど……じゃあなんで割合落ちたんだろ……特訓がんばってたのに……』


≪うーん。その辺りの話するならちょっと君で言うカルマ値削れるわよ?結構世界の根底に関わることになってくるから……≫


『え……』


 マジか……。

 いや、でもそらそうだよな……

 さすがに強くなる仕組みを教えてくれってチートもいいところだよな。


 でも、効率よく強くなりたいから毎日計算頑張ってたのにここで魔石食べてレベル上げちゃって後悔したら意味わかんなくなるもんな……


 でも僕が寄生する時にクラムがレベルたりなかったら悲しいし……

 無駄なレベルのあげ方したくない……

 レベルだけ上がってステータス全く伸びないみたいな……


≪あぁ、そういうことね。君達魔石食べようとしてるのね?≫


『ませき~?ワンちゃんたべてたの~?くらむもたべるの~?』


『あ、はい……見てませんでした?』


≪ずっとずっとみてないわよ。他にもやらないといけないことあるもの。呼ばれた時や集合して重要な話してるなって思うときにアクセスしてみてるから。それこそ、この君達の経験値の悩みのことは私知らなかったし。戦いに興味ないから私≫


『そりゃそうですね。そもそも魔石ってなんで経験値になるんですか?』


≪あれって魔力の塊だからね。魔力をとって栄養を摂取してるというより、魔物の体内の魔素と交わって体内を巡って魔力の活性化につながるのよ。魔物は人より魔力含有量がおおいから直接接種しても問題ないの。飴みたいに溶けると思うわよ?≫


『なるほど、ちゃんと理屈あるんだ。で、僕達もう経験値伸びないので最悪魔石食べてレベル上げるしかないと思ったんですよ。僕が寄生したときにクラムが経験値たりなくて僕と同じ姿になれないと悲しいでしょう?クラムは僕と似た姿になりたい?』


『うん~パパといっしょがいい~』


『そっか。ずっと一緒な?』


『うん!』


 あと、もし、僕が居なくなっても大丈夫なように……

 クラムやエステルやクラマにできる限りの力を残してあげたい。


 僕だってずっと一緒に居たいけど……

 どうしても前世心半ばで家族と別れたあの記憶が消えない……

 僕はずっと、一緒に暮らしたかったのに……


 もしまたあんなことになったら……

 だからせめて……家族には……


≪はぁ。なるほど。理解したわ。なんか意味わかんないこと言ってんなと思ったけどクラムちゃんと家族

の為なのね≫


 僕なんかどうでもいい。

 家族だけ幸せになってくれればそれで……


『僕は姿変えるにはもう寄生しかないと思うので。でもクラムは逆に進化しかないじゃないですか。でもこのままだと進化するの無謀だなと思ったんですよ』


 あと寿命の話です。

 ソフィア様は声出さなくてもいけるでしょ?


(コクン)


 あ、気付いてくれた。よかった。


≪理解したわ。そうね。じゃあ聞いておく方がいいと思うわ。私もこんな事態初めてですからね。特に君が悪い運命に向かうとかクラムちゃんの運命に関与するとかは全くないわよ。私が君に使える力が減るだけ。君は自分で努力して強くなるんでしょう?じゃあ問題ないわ。半年間程私に相談するのを控えるくらいね≫


『ソフィアとデメテルとおはなしできなくなるの~?』


≪そうねぇ……。でもクラムちゃんのことかんがえるとね?またお話しできるから≫


『すみません、僕もお話したいんですけど……クラムの為にお願いできますか?』


≪あはは、言ってなさいな。でも見てはいるからね≫

この小説を読んでいただきありがとうございます!



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