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130話 - スライムの寿命

≪じゃあちょっと変えてやろうかしら?≫(パチンッ)


 なにしたの!?


≪みてみれば?≫


 え、”鑑定”


 -----


【ステータス】

 ★種族:オリジンスライム

 名前:クロム

 役職:創造神ソフィアの使いっ走り


 -----


 は!?ちょっと!なんで!?

 加護でいいじゃん!!

 役職ってなんぞ!?仕事じゃん!?


≪なんでって。ただの憂さ晴らしよ。意味なんてないわ。だから仕事なんだって私達は。これでめでたく君もうちの社員ね≫


 せめて使徒とかにしてよ!!

 ほぼ変わらんだろーに!!


≪え~いやよ。君がそう頭で考えたんでしょ。それの方が面白そうじゃない≫


 ……くぅ~。僕この称号背負っていきていくのか。


≪問題あるの?変えましょうか?≫


 やります~!迷惑かけた分は返します~!!

 僕も等価交換が信条なの賛成です~ちぇ~


 もういいよ……多大なるご迷惑かけたし……。

 それくらいちゃんと返したいと思うよ。


≪ありがと♪たすかるわ≫


 10年間命守られてきた恩ってどれくらいで返せるんだろうか……

 これから僕がご飯食べておいしくなる気持ちも家族と遊べるたのしさも……

 全部ソフィア様のおかげじゃん!!


 おもーーーーい!!

 くっそぉ~


≪重いのは君の勝手な妄想でしょうに……。そんなこと考えなくていいわよ……。私が何すると思ってんのよ……≫



 で、これ力なんかかわったんすか~?


≪やさぐれたわね、ふふ。そっちのほうがいいわよ。君は気を使いすぎ。えっとね、君が使える能力はかわってない。加護カンスト能力はいらないんでしょ?≫


 いりません!

 ってか考えてみたら最近もらえる情報も前よりかなり濃密なこと多いですよね?


 僕のカルマ値は減るけど加護がもらった時に比べてたくさん干渉できるようになったんでしょきっと。


≪干渉はしてないんですけれどね?言いたいことはわかるわ。まぁご明察よ。最初の能力では寿命を教えてあげるレベルでも無理ですもの≫


 神ペディアで情報検索してるようなもんだからな。

 聞いたこと教えてもらえるだけでもかなりすごい。

 すげえ検索エンジン持ってるようなもんだ。


≪そのとおりね?≫


 じゃあ何が変わったんです?


≪君自身の能力や運命に干渉はしない。いや、まぁちょっとするかしら。あそこ行ってきて、とかね≫


 え……僕のカルマ値削れないですか……


≪だからそこよ。そこは私の力を使う。君がやりたいことには私は不干渉。でも私が助けてほしいことには私の力を使って君を動かせるようにした、と言えばいいかしら?≫


 要するにマジで使いっぱしりじゃん!!

 金払うからパン買ってこいっつってますか!?


≪あはははは。そこまで無意味な事しないわよ。そんな趣味ないない。ただ行っても行かなくてもいいなら行ってくれたら助かるっていうだけ。クロム君がやりたくないことに手出しはしないから安心して≫


 例えば……?(じ~っ)


≪疑ってるわね……。じゃあダンジョン最下層まで行ってきてくれる?≫


 え……。マジで言ってます……?


≪クロム君も行きたかったんでしょ?クラマ君やみんなの成長の為に。ただ行けるかどうかわからないのとトラブルにあったからそれなら別に、と思ったのよね?≫


 あ、当たりです。

 行きたくないわけじゃなくて面倒なら行きたくない、です。

 特訓はしたいっすね。


≪だから、面倒じゃないなら行ってきてくれると助かるな?ってだけの話。私の力使っておねだりが出来るようになったといえばわかるかしら?もちろん断ってもいいわ。今まで私からお願いした事すらないでしょ?ダンジョンで特訓して欲しい、はそれなりに皆の加護与える為に力使ったもの。クラム君関係といえどもね?等価交換よ。ただ、嫌な子に特訓を強いることは運命操作でしょ?それはしないわ≫


 あぁ、珍しいなそんなこと言うのって思いました。

 なるほど……


≪しかもどうせするつもりだったでしょ?何も運命変わってないわよ。私から君にお願いするだけでも本来できないことなの。それを私の力を使ってならできるようにしただけ、わかった?君を強くしたりするわけじゃないわ。私がおねだりできるようになっただけよ。かわいいでしょ?≫


 いや、まぁソフィア様は美人タイプっすかね。


≪そんな話じゃないんですけれど。まぁありがと。ダンジョンの最下部なんかそこ出来てから誰も行ってないのよ。ちょっと魔素ひっかきまわしてきて欲しいわ。エネルギー効率がよくなるの≫


 わかったっす~。

 でも他のやつとトラブルになるならいかないっすよ~?


≪もちろんもちろん!君はそういう性格だもの。それでいいわよ~。じゃあまたそういうことがあったらおねだりするわ♪たすかる~!!≫


 ………かなりキャラ砕けたな。

 いや、そこまでお世話させてたんでしょうねぇ~


≪えぇ、ほんとにね!じゃあ君戻す前に不死どうするの?寿命の話はもういいでしょ?≫


 あ、そっすね~。決めとかないと明日突然意思無くなったら終わりますね。


≪えぇ、もう一刻を争うわね≫


 じゃあ僕が意思無くした判断して自主的に復活も不可能な状況になったら5年後に回収してください!

 何かしらで生き返るかもしれんので!


≪わかったわ~。なんかこんな話してたら自分で死期定めたみたいなイメージ沸く子もいるけど全然ちがうから。君達の文明的に考えればしたら死んだらおばけにならないように天国に連れて行ってね。って言ってるようなもんよ。だから深く考えなくていいわよ。≫


 そうじゃん。

 僕ただの生霊の類になりそうだったんじゃん……

 ほんとやべぇわ。今日寿命の話してよかった……


≪こっちのセリフよ!!じゃあみんなに寿命教えてあげてらっしゃいな?200年って言っといた方がいいんじゃない?その後の話とかは家族以外にはわからないと思うわよ?ほら!こんなことも言える!自由に話せるって素晴らしいわ~!≫


 あぁ、今まで好きにすれば?しかいえなかったんだもんな。

 僕の運命に迷惑かけないように。


 神様の意思はほとんどないスタンスで居たわけだもんな。

 使いっぱしりに進化したからソフィア様の力で意思を話せるようになった感じなんだね。


≪そういうこと~!じゃあね~!あ、多分ダンジョンの件も大丈夫だと思うわ~。まぁ流れに身をまかせてきいてなさ~い≫


 ……いっちゃった。

 変なことになったけどとりあえずおばけにならなくてよかった……

 はぁ~あ。不死怖すぎる……。


『おわっ!!』


「こいつどこのスライムだ?」

「珍しい色してるわね~警備隊にでも届ける?」


 逃げろ!(ピョンピョン)


「あ、いっちゃった……大丈夫かし……


 やば、外でソフィア様に意識集中してた……。

 人に群がられてたわ……ふぃ~。


 ・

 ・

 ・


(カランカラン)


「おかえりなさい~大丈夫ですか?」


『急用だったのか?寿命の話してたから申し訳なくなっちまってよ……すまん。そんな嫌な……


『ちがうちがう!気にすんなって!寿命って前調べたことあったなと思って家に帰って書留たもの漁ってたの!』


 王様ちょっとナイーブだったな……すまん。

 いや、まぁ色々考えながら生きてきたらそうもなるわ。


『お!ほんとか!?わかったか?』


『んー、僕もクラムもあと150年くらいは大丈夫じゃないかな?変な事しなければ。僕は進化もしないし、このままならね』


 ちょっと少なく見積もっとこ。

 不死とか寄生の件は改めてあとで家族と話すか。


『あら、クロムちゃん長生きなのねぇ?スライムでは全然ないわね』


『スライムってどのくらい生きるの?』


「体は1年くらいでなくなっちゃいます……。生まれ変わるとは言い伝えにありましたが……だから……ずっと不安で……グス」


『そうなの!?じゃあ僕いつ消えてもおかしくなかったってこと!?』


「……はい」「そうねぇ……」「ええ……」

「知らなかったのかよクロム……」


 ひぇ……じゃあエステルめちゃくちゃ不安だったんじゃん……

 そりゃ王様も僕の能力広めたくないわ……

 後2人に関しても先は長くないって思ってたのか……


 いや、まぁ僕ばあちゃん特製だからさ。

 アンノウンにならなくてもそれはないだろうけど、そんなの家族以外しらないもんな……


 知ってても寿命どうのはわからんわな……

 うわ……僕の寿命のことで神様共々皆不安にさせてたのか……


『ごめん……な?寿命そんな大事な情報だって思ってなかったよ……』


 寄生して進化して寄生して不死で……

 なんかもうよくわかんなくなってた……

 ちゃんとライフプランニング考えよっと……

このお話でやっと不死(生霊)からの脱却を果たしました!

ここはこのお話で結構重要でした。

ダンジョンからすこし話はずれてしまって申し訳ない。

次回からまた戻ります!


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この小説を読んでいただきありがとうございます!



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