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112話 - 闘気と妖術

あれから数時間程はただの雑談をして戻ってきた。

まぁ必要な話ばっかりしてもね。

今までの生活を僕ら目線で神様たちと話してた。


夜になっちゃったなぁ。

今日は一旦またここで寝て、明日物件選びにでも王都回るか。

その後色々買い物して……

ダンジョンはそれからでいいな。


神様と話してる時って特に時間が止まったりはないみたい。

≪話す為だけに世界の時間軸止められないわ≫だそうです。

そりゃそう。ごもっともすぎる。


だから話す場所は考えないとね。

でも止めようはあるってことなんだねその言い方だときっと。


あ、あと別れ際にアテナ様にダメージカットの道具作って下さいって言ったら


≪別にいいけどちっと時間かかるぞ?つーかダンジョンの奥行ってやったほうが早くね?あそこも他の階層とか外に影響ないようにしてるから思いっきりやっていいぞ≫


って。

で、ソフィア様も


≪まぁ直接君の営みに影響なさそうだしいいけど……。また君からMPもらうわよ?ただ、私もダンジョンの奥で戦ってくれる方がありがたいかしら?魔法もすごく使うだろうし、巻き込まれて魔物も倒されるでしょ。せっかくだしエネルギーの循環に協力してよ。やる事同じなのに、そっちの方が早いし、訓練にもなるし、魔石も手に入るし、エネルギー循環にもなるし、クロム君のMPも減らないし……1石5鳥でいい事づくめじゃない。ね?≫


……って。


お世話になってるしいいんだけどね。

僕らもそっちのがメリットデカそうだし。

ソフィア様やっぱ効率厨だな。


それと一応教会とか行く方がいいか聞いたの。

別に私達を崇めてるわけでもないし、気にしなくていいって。

転生の時に話すのに教会にでも行けば?って言ったのはただの言葉の綾らしい。


人々が祈ってる神は幻想だからって。


でも逆に気になるよな……。

じゃあ教会はなにしてんだ……?

王都の教会って今孤児院の経営もしていないらしいけど……

うーん。


あ、明日帰りに一応孤児院見に行こっと。

あの捕まってた子たちはちゃんと保護してもらえただろうか……


さて、そんな感じかな?

皆神様と何してたんだろう?


『いい神々だったでしょ?みんな楽しかった?何してたの?』


「デメテルのおへやみながらおかし食べてた~クラムのおにんぎょうかざってくれてたの~!」


『お!よかったなあ。神が食べてるお菓子ってどんなのだ……』


「くだものでつくってるっていってたよ~?あまくておいしーの」


へー。今度食べてみたいな。

ってか意識なのに食べれるんだ……

すげーな神パワー。


「……気持ちよかった。マッサージ」


『あ。クラマは本当に寝てたんだ……』


「……うん。あと心の……。なにか……ん……」


『あ、いいよ難しい事気にしなくて。クラマがリラックスできたなら良かった。仲良くできそう?』


「うん。……ヒュプやさしい」


そかそか。能力よりそれが一番何よりだよ。


「私も体の力の使い方を教えてもらいました!他の世界では気功とか闘気と言われているみたいです。」


あ、一番やばいやつ来た……

聞きたくねぇー!!


『それ……だいじょぶそ?星消えないっすかね……』


「あ、そういう感じじゃなかったですよ、ふふ。できることは無属性魔法に近いって言われました。私は魔力が精霊さんに吸収されてしまうので助かります!体の活性化をしたりエネルギーを圧縮したり。その代わり魔力ではなく体力を使うんです。ちょっと疲れますね」


あ、無属性とおんなじ感じか!よかったあああ

エステルシールドとか張るのちょっと向いてなかったから助かる!


……でも体力ってHP減らない?


『え、ちょっとそれでなんかしてよ。ステータス見たい』


「じゃあ少し闘気を高めてみましょうか。私ができるのはまだこれくらいなのですが……ふっ」


おお……なんか……すご……嘘です。何もわからんです。

魔力が高まってもないし圧力とかも感じないなぁ……


髪の毛が逆立って……はない。

特に怒ってもない。元々金髪だし。

あ、でもちょっと汗ばんでる。大変そう?


アテナ様の加護ないからかな?

神様が教えてくれてることってこの世界では覚えられないって言ってたもんね?


エステルのステータスに影響がありそうなとこ”鑑定”で出して!


【ステータス】

★種族:ハイエルフ

名前:エステル・エル・エーデルフェルト

加護:闘神アテナの加護 (小) クロムの加護

SP:93/100


【ギフト】

・闘気術


おお!SP!?スタミナってことかな?

初めてこんな表示見たな……エステル特別仕様かな?

HPは減ってなくて良かった。

闘気術かぁ。なんかかっこいいねぇ。


ここを僕は自分で感じ取れないから使えないんだろうな。

にゃるほど~


「ふぅ~。慣れてないので疲れますね。どうでしたか?」


『エステルにSPっていう表示出来てたね?スタミナかなぁ?HPが減ってるわけではないみたい。』


「そうなんですね!鍛えれば力を蓄積できる量も増えるらしいです。これから頑張らないとですね!」


『何できるかわかんないし、とりあえず無属性魔法に似た用なことやってみれば練習になりそうだね』


「そうですね、色々試してみたいです!」


無属性か……僕もシールドばっかりであんまり使えてないんだよね。

エステルと一緒にアレンジの練習してみようかな。

それにしても戦いのバリエーション広いなぁ……


そして表記上はアテナ様やっぱり闘神なんだね。

破壊神とかじゃなくて良かった……


ちなみに……クラマは?


【ステータス】

★種族:獣人(古代種・天狐)

名前:クラマ

加護:夢神ヒュプノスの加護 (小) クロムの加護


【ギフト】

・獣化

・妖術


ヒュプノス様夢の神様なんだ!

じゃあオネイロスとかでもよかったかもしれないな。

まぁお気に召されたみたいだしいいでしょうきっと。


で、スキルから幻術が消えてギフトの方に妖術って入ってる。

(あやかし)レベルで使えるようになったってことだね。

なんかすごく妖狐っぽい。天狐なんだけど。

不思議な技使えるようになるんだろうなぁ……楽しみだ。


『クラマは何か変わった気がする?』


「ん……わからない……ヒュプが……思ったこと幻術みたいに色々試してみるといいって」


ほう……幻術の上位互換的な感じなのかな?

特に使用感は変わんないんだね。

僕は幻術の使い方わかんないからここはクラマお任せかも。


『見せたい幻とかを使うときにもっと濃いくイメージしてみたらいいかもね?』


「……やってみる。ありがと」


あと、僕がソフィア様の加護(大)になってた。

クラムに至ってはデメテル様の加護から大中小表示消えた。


抱き合ってたしな……

いつの間にそんな仲良くなったんだ……

花咲かクラムしてた時かな。


この辺は多分神様と仲良くなったとか扱える力が増えたとか認識すればいいのかなきっと。


あーそうだそうだ。鑑定だ。


『ソフィア様に鑑定の事聞いてみたんだけどさ、鑑定能力はスキルとしてあるって。でも表記はその人次第らしい。使える人が把握しやすいように認識されてるんだって。HPとかMPってこの世界の人に見せてもわかんないでしょって言われた。確かに……』


「そうですね。でも……じゃあ注意しないと……」


『そうだねぇ……。でも僕が創造スキルで作った鑑定より上位の能力はスキルにはないって』


「あ、それなら少し安心ですか……ふぅ」


僕みたいにHPとかMPみたいに表記されてるわけではないし自在ではないみたい。


それこそクラムの「かんてー」みたいに、つよいーとかよわいーみたいな感じの場合もあるみたい。

当人がどう強さを認識しているのか次第って話だった。


あの鑑定魔道具のことも使った人がそういう認識だったんじゃない?って。

やっぱそうだったな。

その人が氷とか雷とかの上位能力知らなかったんだな。


他の人に見られた時に気持ち悪くなるのは僕が鑑定を持っていて、その能力より下位の能力で僕を覗き見ようとしてるから排除しようとしてるらしい。


皆に付けた阻害能力で気持ち悪くなるのは僕が見られると気持ち悪い!って意識で作ったからそうなったっぽい。

でもまぁこれはこのままでいいでしょ。


それ聞いたから、僕自身の能力に干渉したときには気持ち悪くならないようにって意識したら僕が見るときに気持ち悪くなることはなくなったって。

ちゃんと僕のイメージで作られてるんだなぁって感じだ。


『まぁでも、もしも誰かに見られた時の為に鑑定誤魔化す能力考えとくよ。ステータス隠蔽して10分の1くらいのステータスになるように書き換えてくれるようにしたらいいでしょ』


「そうですね!鑑定魔道具を使う機会もあると思いますし」


『うん、じゃあス≪スキル【ステータス隠蔽】を取得しました≫


……


「どうしました?」


『もうできたのでみんなに付けとくっすー』


「あ、は~い。いつものことですね、ふふ」


神様とお話したまとめはこんな感じかな?

2人に加護つけてもらえると思わなかった。


デメテル様がクラムに加護宿してくれたおかげだな。

ありがたやぁ。これでより安全になった。


『まぁんじゃ今日はお風呂入って寝よっか。明日は家見にいってちょっと孤児院とかも見に行ってみよ?』


「今日はのんびりできましたねぇ。孤児院ちょうど気になってました。さて、私もみんなと一緒にお風呂……」


『じゃあクラムとクラマ入れてあげて?』


「む~」


いや、だって!

父としてどうかと思うんです!?

エステル目線ではペット枠かもしれんけども!!


『エステルとおふろ~』


お、クラムはお風呂好きになったみたいだね。

さーっと行っちゃった。

エステルもトボトボついてった。

すまぬ。もう少し考えさせてくれ……


すると……

クラマが俯きながら歩いてきた。


「……パパ」


『ん?どったの?』


「うん……ねぇねと武器……作って欲しい。借りた剣……ちょっと……短い……。パパとの練習大変だった」


あー、そうだよなぁ。

クラマ刺突とかも結構使ってたし間合いきっついよなぁ……

ずっと首傾げながら戦ってたのはそれでか。


『いやいや遠慮しなくていいよ。ってか全然ちょっとじゃないでしょ。あのデバフ剣エステルの双剣練習用に作ったやつだもん。しかもエステルがちゃんと狙うように短めに作ったから短剣未満ナイフ以上ってくらいの長さだよあれ。せいぜい刀の3分の1くらいしか長さなかったでしょ?』


そうなんだよね。

エステルの普段使いに使ってた短剣より更に短いんだよね……

狙う癖付けさせてあげたかったからさ。


エステルも、もうそのままでいい気もしてきたんだけどね。

あの後これからはもう自由にやってって言ったら喜んでたわ。

エステルは双剣で丁寧に切るくらいなら棒ぶん回してる方が絶対強い。


ガチ戦で敵になるとめちゃくちゃ戦法の方がかなりウザいことを実感したな。

おっさんが玄人に刺さるって言ってたのはこれかって感じだ。

まぁ僕戦闘の玄人ではないんだけども。


あの模擬戦は僕の勉強にもなったなぁ。


エステルもクラマも使えないならあの剣もういらないなー。

まぁタダの木で作ったし刃は溶かせばいいや。


「……うん、すごく使いにくかった。……ごめんね」


でもそれでも充分強かったけどねぇ。

ギルマスのおっさんより全然強かったよ。

ビビったわ。


『謝んなくていいよ。とりあえず渡しただけだからね。でもなぁ……作ってあげたいんだけどまともに使えそうな素材が鉄と世界樹のあまりしかないんだぁ。超強い素材と超弱い素材しかねぇ……。明日クラマ用の武器素材見に行く?王都だしミスリルとかあるっしょ。あるの買ってもいいよ』


「……2人に作って欲しい。……あれと同じがいい。長さだけ」


『作るのはもちろん。でも刃は鉄でいいの?同じって中空洞ってこと?』


「うん。考え……ある」


ほう……。

まぁクラマがそういうなら……


『あとは世界樹使うと目立つかなぁって。せっかく持ってるから使ってあげたい……。でもあんま気軽に持ち歩けなくなるしなぁ』


「……なんでママの双剣も布とか皮巻かないの?……持ちにくいよ?」


『なんと!?』


「鞘も外を何かで包めばいい……とおもう。じぃじは……持ち手には滑り止めに皮巻いてた。ぼくは……布でいい。よく巻き直すから」


うん、ぜんっぜん思い浮かばなかった。

こういうとこだぞ!!


なんでエステルもそのまま使ってたんだろ……

持ちにくかっただろうに……


あ、エステルはそういうことわかんないのか。

すまんことしたな……


「あと……ちょっと細工してほしい……。ねぇねがお風呂から出たら言うね」


『了解。クラマがそれでいいならいいよ。刀はクラマのが詳しいだろうしね。好みの長さもあるだろうし教えてよ。ちょうどダンジョン入る前にちゃんとした武器欲しかったし、ついでにエステルのも作り直そっか』


「おねがい。ありがと。……じゃあお風呂いってくる」


『いってらっしゃーい!』


あーめっちゃ盲点だ……

素人知識で作るとしょーもないとこ抜けるんだよなぁ……


グリップ全く思い浮かばなかった。

僕使わないからなぁ。

ってかテニスラケットですらグリップ別売りであるもんなぁ。


充分休んだし今日作りますかー!

ダンジョンに行く準備していかないとね。


……どこで作ろ。

宿でカンカンできんよねぇ……。


そっと飛んで王都の外いこっかな……

やっぱ家早く欲しいなぁ。

この小説を読んでいただきありがとうございます!


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