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108話 - 生活感

 はぁ~あ……おあよ。


 寝ちゃった……

 あー、なんかすっげー体重い。


 いや~昨日ってさ……


 よくよく考えたらクラマと出会って王都来て

 ギルドいったら家族対決始まって

 バー行ったら王と会談始まって……


 やばくね!?

 年1回に分けて欲しいくらいのイベント目白押しよ!?

 昨日1日のことが数日に渡ってあったように感じる。


 王様との話が昨日だったら家族対決は3日前くらいの気がするもん。

 クラマと出会って1週間くらい経った気がするわ……

 昨日なんだ……


 そりゃ寝ちゃうわ!!


 ……


 なんでみんな同じベッドで寝てんの……。


 目が覚めて回りを見渡すと

 僕のことをエステルが抱きかかえていて、

 エステルの上にクラムとクラマが乗ってる。


 しかもクラマ獣化してるじゃん。

 トイレにでも起きたのかな。

 寝るときはまだ獣の方が安心するのかもね?


 ベッド4つある意味。

 まぁみんな小さいしな……


 ちなみにクラマは狐化すると白くてかわいい子狐さん。

 50センチくらい?


 クラマは自分の歳わからないんだって。

 数えたりする習慣無かったみたい。

 ずっと獣姿だったから子供っぽかったり話が拙いのもあるけど、狐の姿見るに子供は子供で間違いないんだと思う。


 あとずっと家族が欲しかったこともあって結構甘えん坊だね。

 ずっとエステルの服をちょこんとつかんでる。

 よかったよかった。ママッ子だね。


 さってと、皆起きてから神様と喋る前に……


 ……風呂!!

 え、ちょっと待って僕寝ちゃってお風呂入ってないんだけど!?

 何のために風呂付きの部屋借りたんだ!!


 しかも4つあるベッド1つしかつかってないし……

 ご飯も食べてないし……

 何のためにこの部屋借りたんだ!?


 あ、エステルはご飯食べたんだ。

 テーブルの上に食器があるな。

 一応ご飯つけてくださいって言ったんだよね。


 とりあえず……確か昼くらいにこの部屋でれば……

 ……窓はどこだ……えっと……

 確か赤い星が……えっと……


 いや、もうすぐ昼じゃん!!

 マジかぁ……。


 こらダメだ。

 誰も起きてない。

 よっぽど昨日疲れたんだな……


 うーん。

 神様とものんびり話したいし……

 いいや、もう1泊しよう。


『みんな起きて~。もうすぐお昼だぁ~』


「はぁい……おはよごじゃ……はっ!寝坊しました!すみません!」


『いや、僕も今起きたとこ。まだ誰も起きてないよ。別に起きないといけない時間とか決めてないし寝坊とかないから。ただ部屋出ないとだから起こしただけ』


「……?」(ボンッ)


「……おあよ。……なんで?」


 あ、クラマ無意識に狐化してるのか。

 ずっと警戒しながら生きて来たから癖になってんだなこれ。


『お~は~よ~、まだねむい~』


 そうだよなぁ……僕もまだ眠いわ……


『みんなおはよ。疲れ溜まってんだよみんな。ゆっくりしてから神様と話して、ちょっとだけ出かけてまた帰ってこようよ。ダンジョンとかも急ぐ必要ないしさ?ゆったり休みながらのんびり準備してから行こう?拠点決めたりしたいしさ。別に急いで冒険したいとかないでしょ?』


 この家族みんな基本的にのんびり屋さんなのになぁ。

 今まで切羽詰まってたからすごいアクティブだった。

 なんか癖になっちゃってるよな……これから急がなくていいことはのんびりしよ~よ。


『うん~のんびりしたい~』

「私ものんびりが好きですねぇ」

「……生きてたらいい」


 生きてたらいい!究極!!


『じゃあそうしよ。エステル、目が覚めたら申し訳ないんだけど延泊の話受付でしてきてくれない?もう1泊……あ、ゆとりもって3泊くらいしよ?そんなパッと移動することもないし。ダンジョン行くにしてもこの街だもん』


 ずっと宿暮らしは費用かかるけど、家見たいしね。

 決まってから移ればいいでしょ。


 家買おうって言ったけど借家でもいいな?

 まだ王都ちゃんと見てないしな。

 お金気になればその時は依頼受けよ。


「わかりましたぁ。賛成ですぅ~。私も疲労がすごいです~」


 話し方が間延びしちゃってるもんねぇ。


『パパとたたかったもんねぇ~。クラムもつかれた~』


「……うん。たいへん」


 あ、主に僕のせいなの!?それはみんなが言ったんじゃんか!


『じゃあ僕お風呂入ろっと。ごめん2人にクリーンかけるのわすれてた。2人とも僕とお風呂はいろっか。あったかいお湯で水浴びするだけだよ』


「……?わかった」


『うん~きれいにする~』


「では、私受付いって延泊した後にみんなのお昼ごはん貰ってきますね~」


『あ、ありがとう。助かるよ』




 それから昨日と同じようにお風呂のお湯……

 溜めなかった。もう面倒くさかったから魔法ぶっぱなした。

 水と火複合して魔力で温度調整して、これくらいかな?って思ったらダバー。

 一瞬。僕お風呂に魔道具いらない。


 あ、まぁエステルとクラマが1人の時に入りたいなら欲しいかな?

 僕お湯溜めるし。クラムは出来るでしょ。


 あ、いや……蒸発……する?

 わんちゃん洪水とかにも……?


 うん、僕が溜めよ。


 その後、皆でお風呂に入った。

 石鹸の実で体洗ったらクラマの尻尾がすっごい泡の量になった。

 お風呂は好きなんだけど泡の匂いが気になるから石鹸苦手だって。


 しかも尻尾から匂いが取れないみたい。

 ちょっと嗅覚が敏感みたいだね。

 クリーンかけて匂いを消してあげた。


 まぁこの辺りは好みかもね。

 結構いい匂いするから石鹸で洗いたいならそれでいいし

 魔法でいいならそれでもいいしって感じかな。


 そしてクラムは浮かんで寝てた。

 クラムは元々きれい好きだからね。

 自分じゃなくて殻磨いてるのがクラムっぽい。

 石鹸で洗ってご満悦だった。


「私も入りますね~」(ガチャ)


 なんでだ!!


『ちょっと待って!じゃあ僕上がるから!!』


「気にしないでいいですよぉ~みんなで入りましょ~?私だけさみしいです~」


『気になるの!僕が!』


 ・

 ・

 ・


 ふぅ……いいお湯だったなぁ……

 久しぶりにお風呂はいった……やっぱお風呂はいいなぁ……


 ご飯も食べた。

 パンと薄切りのお肉少しと野菜スープだった。

 美味しかったけど軽いなぁと思ったらこれ朝ごはんだったんだって。


『明日からは朝ごはんがいるならもう少し早めにお願いしますと言われました』


『そりゃそうだね。この宿1日2食だったね。忘れてたよ。みんな3食食べないんだ?』


「裕福な方くらいですかねぇ。集落では1食の時もありましたよ」


『え、エステルずっと僕達と何も言わず3食食べてたじゃん!?』


「食べるの好きなので……」


『あ、いいのよ、無理させてたかなって思っただけ』


 この世界の人々は基本1日朝と夜の2食っぽい。

 食べたいなら出店とかでつまみ食いするんだそうだ。

 絶対食べるって習慣は無いんだって。


 ちゃんと3食食べるのは貴族くらいらしい。


 知らなかったなぁ……

 ずっと3食食べてた。これからも食べるけど。

 食べないなら昼より朝かなぁ?昼は食べたいな。


 エステルも最初は不思議だったって。

 集落では本買う為に食べなかっただけだそうだ。


 エステル意外と食べるよ?

 量で言えばご飯2杯とかは普通に食べる。

 好き嫌いないんだって。で、こう見えて結構お酒も強い。

 僕とちょっと飲むけど酔っ払ったところみたことないな。


 ちなみに僕は酔えない。

 昼間から飲んでって思ってたでしょ?

 分解しちゃうらしくて酔わないんだよなぁ……

 まぁ僕お酒が好きなだけで酔いたいわけではないからいいけど。


 あ、久々にお米食べたいなぁ…

 生活感出だしたら急に色々やりたいこと思い出した。


 クラムとクラマはあればあるだけ。

 これはサバイバル生活してるならそうなるよね。


 ただクラマは無いならいらないってタイプらしい。

 1人で生きてた時は魔物倒して生肉食べてたって。

 人とも暮らしたことがあるから何でも食べるそうだ。

 匂いの強い食べ物はちょっと苦手らしい。


 まぁお分かりの通りクラムはめっちゃ食う。

 何もしないときは寝てるか食ってるかなんか作ってる。

 その小さい体のどこに入ってんの……神秘だ。

 そしてクラムは辛いものや刺激物が苦手。


『あ、そういえば最近クラム毒飲まないね』


『ほかにもおいしいのあるしなぁ~?でもひさしぶりにのみたいかも~』


『はい、毒ポーション。一応クラムの毒混ざってないのも置いてた』


『……あれ~?あんまりおいしくない~、ん~?』


 他に好きなのなかったから飲んでただけなのか。なるほど。

 好みも色々経験すると変わるよなぁ。


 いいなぁこういう生活感。のんびり生活したり遊んだりしたいなぁ。


『で、結局延泊は出来たの?』


「大丈夫でしたよ?というよりこの部屋人気ないみたいです。ずっと泊まってくださいと言われました。とりあえず3泊だけ延長してきましたよ?」


『あ、そうなんだ……うん。それで大丈夫。まぁお風呂いらなかったら少し高値かもしれないね』


 それからも数時間ほどのんびり部屋でゴロゴロしてた。

 うんうん、こういうのがいい。


 ・

 ・

 ・


 多分今昼の15時くらいかなぁ?

 各々好きなように過ごしてた。


 エステルは本読んでたし、クラムはクラマの服考えてたみたい。

 クラマの体に布合わせたりしてた。

 部屋でゆっくり過ごすのもいいよねぇ。


 ちなみに僕は……天井見てた。

 いや、ほんとに。比喩じゃなくて。

 

 気が抜けちゃってさ……

 全てのやる気が消えてなくなった……

 ヨダレ垂れてたんじゃなかろうか。

 無の境地だった。


 さってと……


『じゃあ、みんな結構のんびりしたし、そろそろ神様と話す?』


「そうですね、はぁ……緊張してきました……」


『優しい人?達だから大丈夫だよ』


『ソフィアもデメテルもひさしぶりだ~』


「……神って……何?」


 ……神って何?!

 えっと。


 やばいスッゲー哲学的な質問来た!

 クラマたまに名言みたいなこと言うよね!?

 本人は普通に疑問なんだろうけどね。


 えっと……なんだろ……


 普通は信仰の対象とかそういう感じでしょ?

 ただ……この世界の神様は神様じゃないっていってんだよな……

 世界を作ってる人……うーん。


 クラマにわかりやすく……

 あ。


『みんなのママだ。生きてるものとか木とかお花とか……ぜーんぶ作った人』


「……みんなのママ?」


≪まぁあながち間違ってないけど……まぁいいわ。ほら、いらっしゃい≫


 あ、聞いてた。

この小説を読んでいただきありがとうございます!


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