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99話 - 家族

 どうしよう……

 さすがにハイエルフと同じ感じの種族の子を孤児院に預けるのは危ないな……


 ぱっと見、僕には普通の獣人と違いわからないんだけど……

 狐っぽい獣人の人もいたしさ……

 白い……くらい?


『君って他の獣人と何か違うの?』


「……?……わからない」


『いっしょだよね~?』


『エステル分かる?』


「ハイエルフも見た目ではわからないように……特に見た目から判別されることはないと思いますね。ただ、すごい特徴的な見た目の種族が居たらその限りではないと思いますけど……」


 うーん……。しいて言えば……あと鑑定使える人がいたらってくらい?

 あー、王様なんか神の眼とか言ってたっけ?

 どんなのか教えてもらってたらよかったかなぁ……


 でも僕魔力ぐあってやったら弾けたけど……

 なんか阻害系の技とか……


≪スキル【鑑定阻害】を取得しました≫


 ……


『ちょっと技かけていい?』


「……痛くない?」


『うん。痛くない痛くない』


「……いいよ」


 ……”鑑定阻害”


『どう?なんか変?』


「……わからない」


 からの……”鑑定”ッ!


 あぁ。ちょっと抵抗あるわ。


『どう?』


「すこし……きもちわるい」


 ふむ……阻害してるからそれに抵抗しようとして気持ち悪くなってるのかな。

 そういえば僕って鑑定かけられたら気持ち悪いけど他の人あんまりそんなこと聞かないんだよな……


『エステルとクラムって僕に鑑定かけられたら気持ち悪い?』


「いいえ?掛けられてもわかりません」


『クラムちょっとだけわかるかな~?でもふつう~?』


 僕には何か鑑定を妨害する力がそもそも働いてるのかもしれない?

 この辺も王様に聞いてみたらよかったかも……


 じゃあ……2人に”鑑定阻害”からの……”鑑定”ッ!


『どう?』


「気持ち悪いです……」


『これやだ~!』


 ふ~む。なるほど。これずっとかけとく方がいいな?

 一回掛けたら意識しなくてもかかりっぱなしっぽいな。


『今みんなに鑑定を阻害するスキルをかけたんだよ。誰かに鑑定されそうになったら気持ち悪くなるとおもうからわかるでしょ?それかけっぱなしにしとくね。気持ち悪くなったら報告!おっけ?』


「……うん」「ハイ!助かります!」『あ~い』


 はぁ……でも阻害できるようになっちゃったか。

 まぁ出来てたんだろうけどね。

 じゃあもう連れていくしかないでしょ。


『君に任せるけど……僕らについてくるか?』


「……?……ぼくといっしょ……あぶない」


『いや、ここそもそもみんな危ないから。君1人入っても変わんないよ』


「連れて行ってあげるんです?」


『うん。さすがにこの子預けるのは怖いな。で、僕らと一緒だと特にこの子が入っても何も変わらない。……子供ほおりだすのは……僕が嫌だし、子供1人なら面倒みれるよ。奴隷を連れて行かなかったのは人数の問題と……あと強さだな。僕らと一緒だと危ないでしょ?』


「そうですね……普通の子を守れると思えません……」


『君は戦うの大丈夫なんだよね?』


「……そう……生きてきたから……教えられた」


『そっか。だからこの子を連れて行くのには特に問題はないんだよ。この子の生き方は僕らが居なくても変わらない。僕らは元々この子といてもいなくても危ない。だから何も変わらない。1人仲間が増えるだけ。でしょ?』


「ふふ♪はい、私は歓迎ですよ?」


『クラムもいいよ~?』


『一人が好き、とかある?』


「……ひとり……さみしい。……ぼく……あぶないから……じゃま」


『そう、誰かといたかったのか』


「……うん」


 そらそうだよな。……見た目通りなら10歳くらいだぞ。

 自分が邪魔だなんて……こんな小さい子が……

 でもさみしいから村に行ってご飯貰ったり離れたりしてたのか。


『わかった。でも僕ら君1人でいるより多分あぶないぞ?それでもいいか?守れるようにはする。』


「……うん。……一緒に行く」


 仲間増やす気なかったんだけどなぁ……

 いいよ。子供好きだし。守れるか心配なだけなんだ。


 危ないってこの子には言ったけどこの子の場合は1人の方が絶対あぶない。

 この子も強いけど……ここのみんなの方がまだ強い。


 すごい思いがけないところで仲間が増えちゃったな。

 まぁ、楽しめばいいや。


『じゃあ、これからは僕達と一緒だ。よろしくな』


「エステルです。ママって思ってもらってもいいんですよ?ふふ♪」


「……ママ?」


『じゃあクラムおねぇちゃんね~!』


「ねぇね?」


『ねぇねかわいい~!えへへ~』


 クラムの方が絶対年下じゃんか……

 いや、まぁ好きにしたらいいけど……


「クロムだ。」


『こっちはパパだよ~?』


『いや、まぁクラムには……パパって呼ばれてるけど……』


 いや別に僕みんなのパパである必要は……


「……家族……うれしい。……ずっと欲しかった」


 ちょっと待って、え!?

 なんか変な事になってきたぞ……


≪個体名 に加護:クロムの加護を付与しました≫


 だあああああああああああああああああああ!!!!!

 まただあああああああああああああ!!!!


「……なに?……加護?」


 何なのよこの加護!!どういう条件で付いてんの!!

 家族になる事が条件なの!?確定演出かなんか!?


『いいよ……守りやすいよ……うん』


「加護が……ついたんですか?」


『そう……』


『みんないっしょだぁ~』


『よし!じゃあ名前つけてあげよう!僕らがつけていいの?』


「……うん……ありがと」


『……じゃあクラマね。白と黒の石の名前。光と闇の魔法覚えてるでしょ?後、刀つかうんだよね。前世で刀が使われていた国の赴きがある癒しの石の名前なんだ。成長とか信頼し合える関係を願ったりする石。僕も石からとった名前なんだよね?みんな似てるしね。クラムとクラマとクロム。どう?』


「素敵だと思います。いい意味ですね♪……でも私だけ名前ちがいます」


 いやそんなこと言われても……

 エステルは元々エステルじゃんか……


『クラマ~!よろしくね~』


「……クラマ。……うん……ありがと」


 まぁ……あと前世で強い狐さんによくつけられてた。

 由来はよく知らないなぁ。古い言い伝えとかなのかな?


 ……この子しっぽ増えたりするのかな。

 天狐って尻尾ふえるんだっけ?あれは九尾の狐?


『クラマって……しっぽ増えたりするの?』


「………何で……知ってるの?………まだ……2本。強くなったら増えるって……じぃじが」


 うわ……マジか。この世界ほんと前世とつながってんだなぁ。


『さてじゃあ今日はここで寝て、明日王都行こう!クラマの特訓もしたいし次はダンジョンだな!』


「……がんばる」「楽しみですね♪」『おー!!』


『あ、そうだ。クラマって獣と人どっちが通常なの?』


「……ずっと獣でいた。でも……本当はこっち。……獣化……すこしだけ疲れる」


『じゃあ、これからはそっちでいるといいよ。隠れなくていいから』


「……いいの?」


 隠れてなんか過ごさせたくない。いいよ。普通で居れば。

 守ればいいんでしょ?僕も特訓しないとな。


『当たり前だ。いいに決まってる。あ、でも……服つくらないと……』


『クラムつくる~?』


「……ねぇね……作ってくれるの?」


『いいよ~?えへへ~でもエステルの服しかつくったことないなぁ~』


 クラムがここにきてまさかのお姉ちゃん属性をつけようとしている。

 デレデレじゃんか……。


『ちょっと一緒にかんがえるか……ちなみにその姿だと何で戦うの?』


「……なんでも……じぃじとは剣で練習してた」


 うーん。この子の剣って刀のことでしょ?

 作れるかな……取りあえず金属ないし普通の鉄でつくるのもなぁ……


『エステル、とりあえず前作ったデバフ剣貸してあげてくれる?』


「これ……大丈夫です?壊れちゃわないです……?」


 エステルが短剣を2本とも抜いて地面に置いた。


『わざと折れやすいように薄く作った短剣なんだよ……またちゃんとクラマ専用につくるけど素材ないからさ。それとりあえず使える?折ってもいいから』


 ……おお、見てる見てる。

 考えてる……。剣も使えるかな……。


「……双剣?……2本は……できない」


『あぁ、そりゃそうだよね。一本つかえばいいよ』


 考えながら剣を持って木の方へ歩いていった……裸で。


(ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュ)


 ……ズドドドドドドドドドド


 バラバラになった……やっば……

 この子やっぱもうかなり強いわ。

 身体能力のぞいたら既に一番じゃないか?


 戦闘民族に鍛えられたんだもんなぁ……

 戦い方が……僕らとは違う……


「……折れないよ?……すごく切れる……いい剣……でもぼくがダメ。……体がひさしぶりで動かない」


 ダメなんだ……それ……


「私……あんなに苦労したのに……グス」


「……ママに教える?」


「……はい。グスン」


 あぁ。技量が凄いんだこの子。

 エステルは……どんまい。



 うん、連れていくのに全く問題なさそうだな。でも……


 ……プラプラしてるから。

 ……可愛いお尻が丸見えだからさ。

 ……獣姿だったから羞恥心なくなっちゃってんだ。


 なんとかしないと。今日は徹夜だな。




 そんなこんなで1人仲間(家族)が増えました。

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