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98話 - 古代種

祝!ep100!ここでちょうど1万PV!ありがとうございます♪

今後もご愛読よろしくお願いいたします!!

 白い狐の男の子獣人……。


 この子はなんで捕まってたんだ?

 なんで狐の姿でずっといたんだ?

 なんで馬車から逃げて来たの?


 色々わからないことが多すぎるぞ……


「スライム……喋るの……?」


『しゃべれるよ~?』


『あ、あぁ。いやまぁ、落ち着いたら説明するよ。僕らのことより優先度高い事色々あるから。まず服着よっか?』


「……ない」


 ないかぁー!だよねー!!なんも持ってないもんなぁー!!


「私の服着ます?」


 いや、エステル持ってる服全部ワンピースじゃんか……


『いや、この子男の子みたいだからさ……なんかとりあえずシンプルな布かけてあげて』


 白いケモ耳に、白髪。

 ふっさふさの真っ白な尻尾。

 北国にいる狐さんみたいな感じだね。


 眠そうな目にかかった長い前髪……

 すごい……なんていうか儚げな美少年だなぁ……


 よし、とり合えず布かけてくれたし……


『ご飯食べれる?クラムがつくってくれたスープあるから食べながら話そうか』


「いいの……?」


『食べて~!おいしいよ~?おかわりあるからいっぱいどうぞ~』


「……うん。ありがと」


 スープを飲みだした。ゆっくりだけどかなりお腹を空かせている様子で手は止まらない。


「お名前はなんていうんです?」


「……わからない」


 わからない?


『名前つけてもらってなかったってことか?』


 ステータス上には確かにこの子名前がないんだよね……


「……ちがう。……いろいろ。呼ばれてた」


 決まった名前がなかったってことか?


『家族はいるのか?』


「……死んだ……とおもう。むかし」


『そうか、悪かった。嫌な事聞いたな』


「……大丈夫」


『なんでずっと獣の姿だったんだ?』


「……じぃじに危ない……言われたから」


『人の姿が?』


「……そう」


『じぃじは家族?』


「……ちがう。育ててくれた」


『そっか。じぃじも……多分いないんだよな』


「……うん。ころされた」


 この子かなり無口だな。

 というより言葉はわかるけどあまり話慣れていないって感じだ。

 この子の話をまとめると


 ・家族はいない。昔に殺されたと思う。もう覚えていない。

 ・気が付いたらおじいちゃんに育てられていた。おじいちゃんも戦争で殺された

 ・人の姿は危ないとおじいちゃんから言われたから基本的に獣の姿で過ごしてきた

 ・いろんな町を点々としていた。人は危ないと言われたから定住をしていなかった。たまに町でご飯をもらったりしていた。色んな名前で呼ばれていたから名前がわからない。


『おじいちゃんには名前つけてもらわなかったの?』


「じぃじは……死ぬから……大切な人につけてもらいなさい……いわれた」


 特殊な家系だったのか?


『じゃあ、人についていくのが危ないと思って馬車から逃げて来たのか』


「……そう」


『なるほどなぁ…』


「……なんで、わかった?」


『ん?あ、君が獣人だってことか?』


「……うん」


 まぁこの子に話しても特になんもなさそうか。


『んー、人の情報を見れる能力持ってるんだよ。それでだ。他の人には気付かれないと思うよ』


「……そう……よかった」


 ずっと隠れて過ごしてきたのにいきなり獣人だって知られたらびっくりしたよな。

 悪かったな……ただ死にそうだったからな……


『なんであんな大ケガしてたの?ってかなんで捕まったの?』


「……つかまってない。ごはんくれた子……つかまった」


『あぁ、わざとついていったんだな。抱かれてたって言ってた子か』


 そうなんだよ。この子さ……実はボチボチつよいんだよ。

 ずっと一人で暮らしてきたからだろうな。


 少なくともあそこの人間に負けそうな感じではないんだよ。


「……うん。離れると泣くから」


『ケガは?』


「……暗いとこ……連れて行こうとした……おとな」


『牢屋で連れて行かれそうな人を守っていたってことか?』


「……そう……泣くから」


 なるほどな……牢屋の中の様子まで見れてなかった。

 申し訳ない事をしたな。守ってくれたんだな。


『ありがとうな。僕たちが気付けばよかった。ごめんな』


『ごめんね~』


「ありがとうございます。ごめんね……」


「……なんで?」


『いや、こっちの話。お前その子について行かなくて良かったの?守ってたのに?』


「……人といっしょ……こわい。……すぐ出ていくつもり……だった」


『なるほど、何となく理解したよ。ちょっと立ち寄った村でご飯貰ってた子が目の前で連れて行かれちゃったんだな。でその子を守るために馬車に乗っていた。と。そんな感じで合ってるか?』


 奴隷商?運び屋は多分この子も売れて儲けものだとか思ってスルーしてたんだろうな。


「……たぶん。あってる」


 そうか……。いいやつじゃん。


『これからどうすんの?』


「……これから?……いっしょ」


『ずっと獣の姿で転々とするってこと?』


「……それしか……わからない」


 んんんんんん。

 こっからは僕の想像になるけど……

 この子多分色々教えてもらう前に回りの大人がみんないなくなっちゃったんだな。


 で、この子の種族に詳しかったじぃじって人が……

 人の姿は危ないって言ったからそれだけを守ってずっと生きてきてるんだ……


 うううう。危ないのかこの子……


『なぁ、君の秘密ちょっとこのエステルって女の子に聞いていいか?』


 バッ!!


 そういうと男の子は急に立ち上がりこちらに向かって臨戦態勢をとった。


「……なんで……わかった」


『僕君の情報見れるんだって。大丈夫だよ。僕ら君になにもしないし。』


「もうわかっていますよ?私も鑑定しましたから。私も危ない種族です。ハイエルフなんですよ?だから怖がらなくていいです♪」


『そうだよなぁ……うん、というか僕もクラムもみんなやばいからなここは。喋れるスライムも人からかなり狙われると思うぞ?だから心配すんな。お前よりやばいかもな!あっはっは!は~ぁ』


 うん。全然笑えない……

 ここ全員やばいよな……


「……そうなの?」


『うん、だから心配すんな。お前のことは誰にも言わない。知らないとお前もみんなも危ないから話すだけだ。だから気にしないでご飯食え?』


「……うん、いいよ。……わかった」


『ふぅ。じゃあ、本人に許可とったし、会議しようか。』


「はい」


『かいぎ~?』


『……古代種ってなに?』


【ステータス】


 ★種族:獣人(古代種・天狐)

 名前:

 状態:

 加護:

 LV12 / 500:経験値 621 / 1800

 HP:1638 / 1812

 MP:5184 / 5184

 力:1218

 防御:628

 敏捷:2812

 器用:1815

 知能:2132

 魅力:816

 幸運:921


【魔法】

 ・光 LV3 ・闇lv3


【スキル】

 ・魔力感知 LV6

 ・体術 LV3

 ・刀術 LV2

 ・縮地 LV2

 ・隠密 LV8

 ・治癒 LV3

 ・幻術 LV2

 ・暗殺 LV3

 ・投擲 LV4


【ギフト】

 ・獣化


 ---------------


 天狐……?

 前世で幻の生き物って聞いたことあるな……

 なんか色々気になるステータスだな……


「私も家族から聞いたことがあるだけなのですが……簡単に言えばハイエルフと同じ感じだと思っていただければいいとおもいます。昔から生きている種族で今はもうほとんど姿が見えない種だと……。でも実際どのような種族がいるのかは私にもわかりません。見られることなんてありませんから……」


 ハイエルフの獣人バージョンって感じか。

 なるほどね。ほとんど存在していない……と。


 エルフにハイエルフが邪険に扱われていたように……

 獣人に狙われる種族とかなのかもしれないのか?


『刀とかって誰かに教えてもらったの?』


「……かたな?……けん?……じぃじ」


『じぃじは戦闘民族かなにか?』


「……?……戦い……する……一族……言ってた」


 じぃじ何もんだよ…

 それでじぃじ戦争でやられちゃったのかよ……


 この子は刀とか剣の違いわからず戦う術を教えてもらったのかな。

 体術とかも覚えてる。その他……暗殺に幻術に……

 縮地って……高速移動の極みみたいなスキルじゃんか。


 この子忍びの一族かなんかなのか?

 じぃじ物騒だぞ……子供になに教えてんだよ……。


 でもずっと獣の姿だったから使いどころなかったんだろうけど……


 本当にわざと捕まったんだな……。

 この子冒険者B級くらいの力あるぞ?

 あいつ等なんか瞬殺だろ……


『幻術って初めてみたんだけど何ができるの?』


「……見る?……ひさしぶり」


 男の子がゆっくり立ち上がって歩いてくる。

 ゆっくり歩いて……(シュンッ)


 へ。姿がぶれた!?


(トントン)


 『ひぃッ』 うしろ!?


「………へた……おそい」


 下手なの!?今姿ブレたよ!?

 スピードだけなら追えなくはなかったけど……

 姿残って惑わされた……


『これって……幻術と縮地?』


「……あたり……すごいね」




 こわいよぉ……

 この子怖いよお……

この小説を読んでいただきありがとうございます!


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