第九十四夜 Omron 人の心があるな
ぞっとする香織
幼稚園 お弁当になる あきらなら子供向けもきっと熟す
そんなの1回でもお弁当を創らせて食べさせられたら差が歴然
子供は遠慮なんかしない 食べたい で押してくる
「共同戦線を 相互安全保障協定を結びましょう 遠山さんも歩美さんも
乗ってくるので、きっと多極間相互安全保障協力機構になる」
「奈真波さんも誘います お兄ちゃんも奥山さんとクッキーの合作実績あり
希さんも 勇次郎さんも仲間になる 一歩前へ行く 相互協力を」
覗いていた母
料理人は普通の家ではキッチンが狭いから料理しないのだけど
ウチには母屋に板場があって尺の包丁も余裕だし鋳物のバーナーもある
離れなら少し広め程度 速く改修して向こうに追い遣らないと
「あれ お義母さん 覗いてて 香織 角のジム行くぞ
入会案内のチラシが今朝ポストに入ってたそうだ
ペア割引というのがあって締切が今月末まで 今行けるよな」
「香織さん 行って恩を売る 少しでも恩を売る」文香
見送る文香 入ってくる母
「大変ねぇ 出来る彼氏というか旦那で」母
「香織さんほどでは無いですけど おじやで背筋が凍るなんて初体験
あんなので幼稚園の子供のお弁当を持たせたら 翌日から
>お子さんがお弁当を食べないんです って園から電話が来そうで」
「頑張って差を詰めれば なんとかならないの」母
「ウチと勇次郎さん 奥山さんの三人だけなら あんな化け物 すいません
関わってやり合ったら 相乗効果で一歩も二歩も進む」
「だからかぁ 二人が料理してるの少し見ただけでコーヒーへ
関わってないのよ 食べてはいるけど食べさせては居ない
警戒してると思うのよね 貴女だけには食べさせた意味はなにか?」
「私だけ?」
「この屋敷に来て10日も経ってないけど、香織とさよのと琴美ちゃんの三人
琴美ちゃんには 食べさせて 感想を訊いて 熱心に料理教室誘ってた
香織には自力で行けるから頑張れと 見込みがなければ誘わないし
どっちかなぁ ここまで行ける を見せたのかもね」
「見せられても 遠すぎて」
「それが解かればいいんじゃない 代打専門で自分の味はまず出さない
あきらくんの其の物の味 って 食べてる人は少ないのね」
「隠してるのですか?」
「さざ波の板さんによると パンチのアキラが前に出ると代打の後で揉める
絶対に 自分の味を前に出さずに店の味に合わせる との事
ポンと入って その店の味に合わせれる 狂気の技よね」
「代打で入ってパンチのアキラの味 店の看板がおかしくなる
他でも パンチの味をだすと その味を求めて代打に入ったお店にお客さん
抜けた後に戻せない 味が変わる それは後で揉めますね
実家の和菓子屋 父から兄へ代かわりに向けて 商品分けてますから
少し見てただけでコーヒーに なにか言いたくなるとか 混じりたくなる
それだと スイッチしてても二人の味が変わる
私へのおじやは、ここまで目指せる かぁ 頑張って目指します」
「気負わず 頑張ればいいと思うわよ 技術は追いつくとか、無理・無茶な事
あきらくん「技術の先に 美味しくどうぞの心」と どこの板場でも同じこと言う
母の『美味しくどうぞの心』を子供も理解ってくれるわよ」母
「そう思わないと やらかしますね ここで熱出しのもなにかの縁
香織さんのお母さんと話せたのも運 大事にします」
ピンポーン とチャイムを鳴らし 「ただいまーま」と返ってくる明と香織
明 なにか紙袋を持って帰ってきた
紙袋を持って、脱衣所のTANITAのところへ行く明 憑いていく香織と母
「ジムでジムの人と密談して 買ってたの 中身は今から見れるらしわ」香織
TANITA の横に設置される Omron ハンドル付き体組成計
「香織が TANITA には人の心がない とボヤいてたので より正確に測れる
Omron のこれななら きっと人の心がある数値を出してくれるのでは
と設置してみました」明
「そういう問題とは違うでしょ」香織
でも、母は新しいのに興味津々 明と二人で取説に夢中
ハンドルを持って こう? とか二人で始めてる
「TANITAも新しいの出てて 機能UPしてるからそれにしようかと悩んだけど
人の心がないらしいので Omron にしてみました」
「TANITAは4人までしか登録できないから 爺婆父母はTANITAで
香織とあきらくんは Omron でいいわね 香織 身長は」母
「そうそう 一回両方で測ってみて 測定機差も見ておかないと」明
楽しそうに TANITAとOmronの体組成計で測っている二人
「おじいさんが水準器をそこの押し入れに入れてたはずだから」母
水準器を持ち出して 床の水平度を 二人で確認し始める
「すごい 水平が出てる」
「当たり前よ 方丈土木に建築に建設の 本家の母屋よ
香織 諦めてガウンに着替えて TANITA と Omron に乗りなさい」母
ガウンをOmronに乗せて風袋の設定をする 旧式のTANITAも出来る
これが 諦めた顔 という顔を目一杯に出して ガウンに着替えて
TANITAとOmronに乗る香織
Omronの方が0.2%体脂肪率が少ない
でも、それが x.1 と (x-1).9
「Omron 人の心があるな」 「ねえ、あきらくん」とか言ってる明と母
「頑張って 23まで戻すわ」と目眩を堪えながら言うしかない香織
「その辺までで 13%は乳も揺れないし膝も硬い
明日から ジムでスイムをがんばろう」明
まったね