第八十七夜 お開きですよへの回答は もうイッパイともう1曲
樫村の応接で和恵さんも雅代さんも一緒にコーヒーを呑んでると
香織も起きてくる 「シャワー浴びたら スッキリ」香織
「いい話と悪い話がある どっちから訊きたい?」あきら
「悪い話から」即答
「今日の朝食は済んで お昼なのだけどフルスペックの茶事
それも 全員参加型 客五人全員になにがしかの仕事がある」
若菜達は正しかった いきなりきたよ
「いい話は」
「計二と俺で挟んで 手取り足取り 香織を一番やることがない次客へ」
「もうバンザイしてるから アキラに頼る」香織
「準備に向かいますね」和恵&雅代
茶室で準備をしながら 酒田さんも交えて密談
「なに? パンチのアキラは料理人でダイバーなんでしょ
婿殿は肚で選んだ 市井の時計屋の次男
酒田さん 他に情報はないの あの対応はおかしい」和恵
「明様はガチガチの和食 会席などの茶事の食事も熟すと」酒田
「それも 教えてもらえるように料理教室頑張ってね」本家の雅代
「今はやめて下さい お茶の話だけに」高度な料理を打ち込まれて苦しい和恵
「パンチのアキラ 料亭での代打 お座敷へもあるから熟すでしょうね
それより婿殿が率先しての指示 和恵さん 頑張ってね」雅代
始まる茶事
香織は両側からのフルサポートをして貰い何事もなく 濃茶を頂く
四客 五客は手前座のお手伝いとかもしている
お昼
食べるだけなのだが 両側からのサポートで頑張る香織
薄茶でも 両側からのフルサポートで大過なく熟していく
ただ 香織 何をどうやってとか全部左右からのフルサポート
まるで理解していない
これが明と二人だとかなり辛い事態になるのは見えた
太実家のお嬢様の宿命 岩山の長兄の婆に習おうと諦めてると
「香織 歩美さんと席変えをして」と比丘
席変えが終わると 亭主と正客の間の向こう正面に周り
「昨日の岩山神宮 奥社での内祝の際に 歩美様 計二様への
オオナムチ様からの賜り物を預かっております これから廻します
拝見してひと廻りして 亭主から 歩美様と計二様へ渡して下さい
こっちの緑を計二 赤を歩美へ お互いに掛け合ってな との仰せ」
掌の上に無から湧き出てて落ちてくる 2つの玉の首飾り
拝見され廻されて 手前座に届き そこから赤を正客の婿殿へ
緑を次客の歩美へ差し出され渡される
お互いに「こんな事もあろうかと」と言って計二と歩美で掛け合う
「いかがですか オオナムチ様」比丘
「亭主も こんな事もあろうかと との対応が良い」と言っているオオナムチ
こんな事もあろうかと 対応した亭主の和恵さんには聴こえない
との残念な結果であった
和恵
おかしい パンチのアキラはその筋があるから理解る
最後の掌に無から湧き出てきた玉の首飾り オオナムチ様からの
賜り物とか神域のモノ パンチのアキラだから こんな事もあろうかと
と 対応は出来たけど見なかったことにしないと持たない
それよりも婿殿があまりにも出来すぎている その辺の師範より上
順子さんと酒田さんに 訊きを入れないと またやらかす
お茶も修了して、車を出して玄関で載ったままの挨拶
「岩山総合病院の面会時間が16時から そろそろ行ってくる
計二は婿入り 部屋とか歩美さんと相談しとけよ」
「任して 婿殿用と夫婦用はの部屋は4年前に増築したトコがあるわ
掃除しないといけないけど 婿殿準備万端よ」歩美
「歩美さんだと4年の空き部屋 うちは9年の空き部屋
美貴達に会いに行くわよ」ファンファーレを鳴らす香織 気に入ったようだ
ファンファーレのゴッドファーザーで出発していくオープン
インカムでの会話は 香織の愚痴から
「アキラの料亭の板場訪問で 茶事が来るからとの予言 いきなり着た
歩美さんはそこそこ熟して 私は両側からのフルサポート はぁ〜」
「いいじゃん 今から習えば 婆に習ってます これでヘボくても見逃して貰える
安全なお座敷でのお遊び 装備でむりくりいくダイブとは違う
オープンウォーター エスコートするよ」
少し考える香織 ちょっと前なら大きな事を なのだったけど 巨大な実力差
「アキラについていくからね 婿殿」
JR松平駅まえの岩山総合病院に到着して 面会の申請は 千賀子さんの名前
「はい? 千賀子さんて渡ってグダってたのを卒業して寿の
婦長の千賀子さんですか」受付の若い娘
「違います 渡ってグダって もうイッパイともう一曲 の千賀子さんです」明
「解りました そこのエレベータで3階に登って
眼の前のナースステーションへどうぞ」
と会話してると 後ろから
「二人共、さんざんな言いようね」千賀子さんが居た
「事実ですから 景子さんを車に乗せて会計をするのに まだ歌ってましたから
お開きですよへの回答は もうイッパイともう1曲
そこまでは会計を済まして離脱」
「噂ではなく 事実を騙ってますか?」受付
「パンチのアキラの証言だよ 嘘偽りはない それでも今は真っ当な婦長さん
立ち直るきっかけは 何か知らないけど 2年半前に卒業したから」
「それは 景子のお屋敷にアキラくんが通ってると聞いて もう婿入り確定で
置いてきぼりはお断りと 滝に撃たれて 心を入れ替えて渡るのをヤメたら
嫁の口が出来た 春香さんも24 気をつけないとお局様まで後3年が一瞬よ」
「千賀子さん 言葉が重いね」
「もう アキラくんがお屋敷に通うわ 夕食に連れ歩くわ 完全に出来てる状態
あのメンバー全員が焦りまくって 皆で滝に撃たれて心を入れ替えて なのよ
まさか 渡り続けられて手を出さずの ご辞退 とは思わなかったけどね」
「それでも 雅人さんと 昨日祝言 今日披露宴 景子さんも奥様に」
「話の本題に あの二人かなり体力が落ちてる 食事はオーガニックとか
無農薬とか 偏ったのしか食べていないみたいで 骨密度も低い
内臓も弱ってるというか 成長曲線の下限の下に居る
なにより弟さんが亡くなられても ネギとキャベツでは メンタルが厳しい
その辺も込みで1ヶ月の入院 小児科のチームだけでは足らなくて
栄養士と運動療法士と精神科医もチームに入れて 心身の回復を目指す
退院後はアキラくん達で 食事の栄養管理と運動管理をしてあげてね
インフルよりもメンタルでが主因で、まだ面会謝絶なの 2週間は無理」
「聞こえましたか オオナムチ様 俺は会えないので この婦長さんの案内で
病室に行けますから オオナムチ様が加護の玉の首飾りを掛けて下さい
千賀子さん あの二人の病室へ 神様のご案内を」
「どのみち 今から二人の病室へ行くから どうぞ あきらくんは2週間後ね」
憑いていったオオナムチ ベットの横で悩む
二人共 マスクで酸素吸入 指や腕にはセンサー モニターがピコピコ
爆睡しているし センサーのコード類や酸素の配管で 首飾りは無理
「むう こんな事もある 仕方なしか アキラに言って2週間後に」と
諦めて消えていく
まったね