第八十五夜 そうなんです 兄貴 季節でドリアンを輸入して まぁ臭い
別室に移動した 分家筆頭 樫村運輸の跡取りと嫁と妹の三人
「兄貴 だめだ 長谷くんの肚には勝てない 樫村の総帥は長谷くん」
「歩美の婿が総帥に これには俺は異論はまったくない
一代飛ばしての中継ぎなら手伝いはする ここまでが俺の役目だ
そもそも運輸だけで手一杯だ これ以上は趣味のカートと料理に影響が出る
今日の岩山の内祝い 参席しただけでも格が違う
今もファントムⅡで送られてきて確認した」
趣味7割と実家の柵での仕事で3割にしたい兄貴
それでも従業員の生活もあるから趣味2割 仕事8割で頑張っている
これ以上の仕事は 嫌だわなぁと順子
「では、なぜあの警告が」
下を向く和恵
「和恵姉さん まさか兄貴を樫村の総帥とか狙った」
「歩美さんの婿がボンクラなら うちの人の活躍の場と 先月までは」
「和恵 そんなことを」
「それは 自分の惚れた男が一番 余程の相手でなければ 目指せです」
「和恵姐さん今は?」
「うちの人には運輸を育てるに一生懸命が道と」
「なら いい 相手は岩山の内祝いに招かれ 当主の車で送られる男
縁と運に愛された男が後ろにいる 料理教室頑張りましょう」
「料理教室? 俺の料理には手も付けないくせに」ここでは激怒の光宏さん
「兄貴のは卵の殻を割るとひよことか ディープ過ぎる料理 女性にはNG」妹
「ピータンまでは その先のトカゲとか」嫁
「和恵姉さんとは此の件では共闘できる 兄貴の料理は却下」
「やるなとは申しません その趣味仲間と八ヶ岳の別荘でやられる分には
ただし私と子供は行きませんけどね」
「兄貴 そうしときな」
「カートは子供も喜んでますので ちょこちょこと行きましょう
私もカートへ行くお弁当を作れるように頑張りますので」
「兄貴 そこで手を打ったほうがいい」
光宏さん
趣味の料理がディープ杉て却下を喰らうが カートは嫁も認めてくれた
妹のここで手を打てもある
「和恵 お弁当を持って一緒に行こうな」
「はい」
最後に惚気を食らった順子さん 愚痴る先を探しに行く
同じ時刻 応接部屋 結界を貼り声を漏れなくして電波も遮断して
「だから オオナムチ様は位が高すぎて 何度言えば」明
「むう」
「そこでヘソを曲げられても 明日の病で倒れた子の二人に加護を」
「私には普通に神様が見え聴こえますから ゴネてるとしか」香織
「だろ 渡ってグダったお局様じゃないんだから 真っ当な神様が」
「理解った 明日な」と消えていくオオナムチ
ふう〜 と結界を解く明
「景子さんの我儘を蹴ったら 今度は神様の我儘 神様の友達も大変ね」
「理解ってくれる人の数が少ないから 香織の膝で寝たい」と膝に沈むと
ポン酒にワインにビールの載ったカートを押して入ってくる順子さん
「明さんの警告で説教入れたら 俺の料理教室には来ない と兄貴が拗ねて
カクカクシカジカ こんなのが一番マシな料理教室 パンチのアキラの判定を」
ピータンのひよこ系 と 春巻き などがツマミとして載っている
見て爆笑のアキラ 目が点になる香織
「これだとベトナムか中華の南の方の料理 片瀬を呼んで判定だな
俺には判定は無理 あと酒も白酒とかがあうツマミだ」
「兄貴はそこまで考えてない いつもビール 和恵姉さんも困ってるのね」
「これだと季節でデザートがドリアン 臭うわな」アキラ
「そうなんです 兄貴 季節でドリアンを輸入して まぁ臭い」
「でもドリアン 美味しいよ このピータンも美味しいと思う ビール開けて
ピータンと春巻きで ビール」
三人で呑み食い始めると
「臭いけど 美味しい」と香織
「トカゲ料理は?」とアキラ
呼んできて喜ばしたいが 実の兄に惚気けられたら意地悪で呼びたくない
それと 樫村でトカゲ は避けたい案件
光宏さんが入ってきて
「お見苦しいところを」となっているが
「八ヶ岳の別荘での 趣味の料理 俺も誘ってね 日程合わせて行くから」
「パンチのアキラが参戦ですか」
「これ系はやったこと無いから無理 頂くだけで 白酒を持っていくよ」
「それはそれは お誘いします」明るくなる光宏さん 暗くなる香織
「香織さんは うちの近所の海辺のテラスのあるカフェへ」順子
明るくなる香織
「兄貴 香織さんの表情見てた 普通の女性はこうなの 理解った」
凹む光宏
「晩御飯ですよ」と呼ばれていくが 今日の主役の二人は爆睡中
フレンチのドカンと出してきて 取り分けで頂くスタイル
和食はパンチのアキラ イタメシと中華もいる 避けてフレンチへ
樫村家も考えて出してくる
が
主役の二人 起きないらしい
「歩美さん 一升瓶抱えて寝てましたから 足元にもう一瓶転がってましたし」
「計二と修造は呑ましたからな 奥社での頑張りもあるし寝かしておこう」
「奥社とは 岩山神宮の奥社 神域の禁域の奥社ですか」樫村の先代の正夫
「そんな言われ方をするんだ 座敷童が悲しむな お参りに行ってあげて」明
「いやいや 普通は跳ね返されて鳥居までたどり着けません」樫村当代の勝明
「そっか なら奥社の鳥居を真ん中で潜った歩美さんの婿を大事にしてあげてね
サクッと舞座まで行き 祠の扉も開けた 結果がファントムⅡ」明
「は 大事に」先代と当代
「ただ 姑だとか女性陣は甘やかさないように ダメ男になる お願いね」明
「そこは 私達 分家の女が」順子に和恵
「明 それ 自分宛て?」香織
「そうだよ 方丈の母も婆も香織も甘い どこかに頼まないと ここと遠山家」
「理解ってて それを言うのね 頑張るしか無いけど 甘いわよ」香織
「男ボンズの夢が詰まった 順子さんのご指導をね」
「うちの姑にお任せします」順子
「甘やかされてのダメ男は避けたい案件 お任せします」明
「用心深く 慎重に 常に前を向く 流石 パンチのアキラ」樫村本家の姑の佳代
「助けは谷上の姑の千恵子さんがいます お任せを」
まったね