第七十九夜 女神様方も 手酌なひとり酒のお局様 には近寄らず
「大天狗様と共に飛ぶ三柱の女神が見えましたね」雅人さん
「あ、ツクヨミも見えたんだ うんうん 頑張ろう
いつもグだったお雪さんを背中に乗せての帰還となるのが嫌で渋い顔になる
ウズメだけなら素直に帰ると踏んで一人背中にで済む予定だったんだけど
誰も載っていない? お雪さんもウズメもツクヨミも自力で飛んでた?
酔っ払っていないのか」
「歩美さんは? 中の様子はどうでした?」出てこないから、少し心配な長谷
「最初は香織さんが一杯煽って 昔の女に とか愚痴り始めて
女は男の最後の女になりたいのですよ と説教をいれまして
アキラの最後の女 どころか アキラの女にすら成れなかった私ですが
雅人さんの最後の女になれるように断酒会に入り 今日の筑前煮まで来ました
とか話してるウチは平和でしたが
そうですね 明の最後の女 頑張ります と香織さんの惚気が始まり
料理はいいけどお抹茶のお稽古が と愚痴になっていき
お抹茶のお稽古頑張りなさい と歩美さんが上から
お料理教室頑張って下さい と香織さんも上から
えぐり合いが始まり、まま一杯と女神様達が仲裁の注ぎ注がれ5人で呑まれて
すぐに渡った香織さん
『歩美さんは引き出しなのに その撮影用の着物と着付け
やらかすに決まっている 他の皆は動けるように用心して寸足らず』
と歩美さんをエグッてから寝落ちして寝子けております
エグられた歩美さんは一升瓶を抱えて ひとり酒手酌酒を始めてしまい
女神様達も ひとり酒手酌のお局様 には近寄らず 距離をとったところで
大天狗様のお迎え サクッと撤退していきました」
「香織は本人の申告通り 少し呑んでサクッと寝子けてると」アキラ
「情報通り 渡ってグダって ひとり酒手酌酒 2ヶ月間は見逃します」長谷
「雅人さんが渡ってグダってるお局様の体験してみたいと申して降りましたから
雅人さん 絶好の機会 体験をしてきては如何ですか」根に持ってる景子
「とりあえず呑むのを止める説得をして寝かすだけでいいですよね」雅人
「此の茶室 押し入れがあって布団が入ってるから香織にも掛けて下さい」比丘
「では 前を向いて」と入っていく雅人さん
「俺も見に行ってきます」長谷も憑いて入っていく
「景子さん かなりの我儘を雅人さんにカマシましたね」
「無理です との回答待ちでしたが サクッと入っていった
渡ったお局様を熟せれればよいのですが なにか自信があるような」
「最後は長谷に投げればいいので 底の余裕はあるでしょう」
「内側の障子を開けておきました 覗けますよ こちらへ」
と玲美の案内で障子の開いた窓に行く皆
「もういっぱいだけ」「まだいい」とか歩美の声が聴こえてくる
説得に掛かり宥めすかしている二人の声も聴こえてきていて
「計二くん リーサルウエポンに行くしかない」
「計二 行きまーす」と雅人さんと長谷の声が聴こえたら
いきなり静かになって 出てくる二人
「あれはアキラでもやれなかった 長谷くん凄い」修造
「そう言う 修造は出来るのか」アキラ
「やる必要がない 嫁は17才 更にお腹に赤子 呑まない」
「そうでもないですよ この1週間 お義姉さんが大学同期前後の方々から
呑みのお誘いが毎晩 多い時はダブルヘッダー 先に寿で呑まされ
渡るらしいのです 兄が迎えに行って グダってるのを黙らせて連れて帰る
リーサルウエポンとして乱用してるらしく 廻りから暑い熱い夫婦と」雅人
「沙也加さん 私には 先輩、渡るお局様の卒業おめでとう御座います とか
散々に奥様自慢をしてたのに 渡りグダる奥様ですね と明日訊いてみます」
沙也加 大学の一代先輩と解り 先輩後輩 でも寿だと先輩 煽っていた
「いやぁ全開でテグナー杉の右に飛び込む並の度胸一発
雅人さん情報がなかったら 飛び込めなかった
さよのさんの香織さんへの司令を瀬山さんから聞いたのと一致してた
女癖は最悪ですけど情報は精確」長谷
「瀬山情報ってなに?」と五人
「比丘さんが 香織さんを口説いた時に あまりの惚気に 瀬山さん達は
流れ弾を被弾しまくりで 切れたさよのさんが口を塞げと怒鳴って
香織さんが口で 比丘さんの口を塞いだと 香織さん凄えですよ」
「アキラはしてもらう側か」と呆れる修造
「兄は止める側ですが 景子さんは止めることが出来るお姉様
呑み杉になりそうで 止まらなければ よろしく」雅人さん
「膝枕で抑え込みます」と返す景子さんだがお姉様にカチン 3日しか違わない
「3日でもお姉さんには違わない 雅人さん 一歩前進 一歩づつ前に行けがいい
現身の座敷童を任した」
「はい? 現身の座敷童 景子(さん|様)が」雅人と修造
「そう しかも いま現在は強化版座敷童」アキラ
「それは 気圧される者ばかりで 俺はお迎えに行っていたので理解る
その現身の座敷童を軽く扱える そして今日の神々とも面識あり
お局様特化型のアキラは 何者なんだ」修造
「ただの縁と運に愛された男だよ」アキラ
はぐらかされたのか、でも アキラが縁と運に愛された男は岩山では周知のこと
「縁と運 オオナムチ様とツクヨミ様に愛された男ですよね」景子
「それ話したっけ?」
「いえ 私の膝で寝子けてる時に 他の神々とは まったく異質な
オオナムチ様とツクヨミ様の慈しみの眼差しを見ておりますので」
「そっか、景子の膝で寝子けている時にみてたのか
神話の世界でも現身の世界でも 親にはブサイクと嫌われたが
縁と運が助けてくれるからな 景子に会えたのも縁と運
グダってその縁が切れたのも運 こうして再会したのも運
運は良い事もダメなことも運んでくる 良い悪いは人の思い
これでいいかな 十七代三九郎殿 強化版座敷童の旦那さん」
「餅が山ほど焼けますね
膝枕で寝子けて三人の慈しみの眼差しで見守られた
でも、その内の一人 現身の座敷童は今現在 俺の嫁となり
慈しみの眼差しを向けてくれます あとは任せて下さい」雅人
「雅人さんと景子さんの縁は深まった 雅人さんの肚も決まった
俺と長谷の関係で 岩山家側の課題はなにか残ってる?」
「俺の 十七代三九郎 襲名披露宴の参席をお願いしたい」
「正式の継承式なら 母屋の仏壇のある四八に床間に神棚を置いて
今日のメンバー+αまでの仕来りだと膝枕で景子から聞いている
底までなら参席出来るけど 外向けの襲名披露宴は無理だよ
明日の結婚披露宴と同じ 景子さんをご辞退した男 だぞ」
「俺は関係が薄いので四八なら 羽織袴もあるそうですから」長谷
「樫村の婿 今日の一番の上座 一郎さんの弟子 どれだ?」アキラ
「パンチのアキラの樫村料理教室を出禁になった男で」計二
「それなら俺は パンチ料理教室の指導教官で」アキラ
「また 軽い肩書に」雅人さん
「軽くしないと今日の上座の上二人 ど上座が待ってる」アキラ&計二
「長谷くんもアキラも全然軽くない ど上座は嫌と なにか考える」修造
まったね