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第七十七夜 ちょっと餅が焼けるのですが

長着と思わせない素早く 足音のしない摺足で 動く景子さん

何人かのお手伝いさんと共に戻り零したビールの後始末をササッと

お手伝いさんとやっていく


修造の太ももに見とれる はまあ仕方無しで流せる比丘だが

景子さんが率先して零したビールの処置をする インパクトだ


雅人さんは 普通に「景子 ありがとう」と言っている


あの寸足らずだから、差素早く動けるし雑巾を使う時の

袂のコントロールをしやすい 呑んで渡りグダっていたお局様から

さすが名家のお嬢様 にクラスチェンジしている

目指すべき 女性像と 香織の目には映るが

比丘には、これがディープインパクトとなり大波が襲う


「変われば変わるもんだな 修造と駅前のBarに迎えに行ってた頃は

 渡ってグダるお局様候 今日のお雪さんより酷かった」比丘


「アキラ様のご辞退で 心を入れ替えまして断酒会に」三九郎さん


「だけどさ 今週の景子さんは 俺には我儘 雅人さんには従順

 これはではダメだ 我儘を言うのは旦那じゃないと

 俺は他所の旦那 俺への我儘は昨日まで 祝言をあげた今日からは

 俺への我儘は封印 雅人さんへのみ」


「アキラにしか我儘は言えない」景子


「お局様の我儘を熟す事は出来る 月曜日の景子さんの我儘も熟すことは出来た

 ツクヨミもお雪もうずめも独身 我儘を熟す 助けてくれた恩返しで俺の役目

 我儘はひっくり返すと一番信頼している男に頼ること、甘えること

 今の景子さんの一番信頼するべき男は 雅人さんだ 熟すのも雅人さん

 俺に我儘をカマスのは 雅人さんに失礼だよ」


「でも」


「でも から先を声に出したら 俺はまた景子の前から消えないといけない

 もう一度言う 雅人さんに失礼だ

 2年半前に渡ってグダるお局様を卒業してくれていれば

 俺は婿入りをして いくらでも景子の我儘に答えれた

 でも景子は渡りグダり続け俺に甘え続けた

 このままでは景子はダメになると決断して姿を消した

 断酒会に入り真っ当になった景子 雅人さんに尽くしな」


「本来であれば奥社の摩耶の役目であるがヨッパで寝ておるので代理でな

 激怒のアキラか 2年前と同じだな 景子さんが 景子となった

 それだけ真剣に 景子の事を思っておる アキラの思いを受け取れ

 景子も雅人も冷静に全力で 全力で冷静に 顔を上げて 前に進め

 私達神々の神通力が籠もったアキラの瑠璃 大事にせよ」ツクヨミ


しかしツクヨミ 位が高すぎて聴こえているのは若い三組の夫婦と景子さんのみ

年寄りの当代には聴こえない そして雅人さんにも聴こえていない


「ちょっと、餅が焼けるのですが」香織

今の自分に足りないところを見せ付けられ

自分の男の自分の知らない過去を共有する女の我儘をダメと断る自分の男


「そりゃ 一回もHはしていないけど 1年以上の付き合いだし

 半年は膝枕で毎週寝てた女だ 真剣に先を 俺以外の行先を案内するよ

 香織は 俺に憑いてこいよ 山あり谷ありだけどな」


「我儘は?」香織


「カマせるものなら カマシて味噌 冷静に全力で熟してみせる」


「景子さん 断酒会に入られて断酒中 非常に申し訳ないのですが

 私は呑む 歩美さんも呑む その条件で女子会を今から再度お願いします

 挙式当日 明日披露宴 呑まないなら大丈夫

 雅人さん お・か・り・し・ま・す」香織


「茶室に行きますよ」とツクヨミ 憑いていくうずめ 残るお雪


「アキラ すっごいな

 自分の嫁以外の女が それも今日 別の男と祝言をあげた女が

 一番信頼して甘えてくるのが俺とか それではダメとよく言い切ったわ

 ダメ男ではないな 長谷くん コレくらいの分別は要るぞ 頑張れ」

言うだけ言って女子会に向かうお雪


お雪の声は皆に聴こえるので お局様案件と判断し触れない年寄り組


沈黙の中 長谷が口を開く

「流石 お局様特化型の比丘さん お局様の我儘をピシャリと」


「昨日でお局様は卒業 今日からは奥様だ それを言い含めないとな

 長谷も歩美さんをきっちり抑え込めよ 呑んで渡ってグダるらしい」


「これが本物のお局様特化型 景子の為を思い身を引いた男の思い

 果てしなく遠いけど 祝詞の通り前を向く


 全力で冷静に 冷静に全力で 前に行く

 スタディーを繰り返し 気力を振り絞り 1秒を大事にしろ

 反省は後でも出来る 下を向くな 今これからは 顔を上げろ 前を向け

 いくぞ レースモードに突入だ

 

 忌み言葉を削った どうしようもない祝詞でなく前に行く祝詞

 最良の祝詞を頂いた 長谷くんの反応で我に返り応えれた

 比丘さん 頑張ります 任して下さい」雅人


「雅人さんは頑張ると あとは 十七代三九郎 がんばれよ」比丘


「でも ミニのうずめさんを見てビールを零しては」長谷


「あれは俺でも零すぞ」比丘


「でも嫁は19 お腹が大きくなるらしいのに」長谷


「そうは言っても うずめさんは17才設定 アキラたちは飯も食えず」修造


「そこの1才2才の違いは大きいからな23と27並にズレるから

 やっぱ嫁は 23~27だよ 安心して娶れる」比丘


「ですよね 19と言われてて 3月に卒業式とかだとやらかし」長谷


倉田さんビールの追加持ってきていて


「倉田さん 玲美ちゃんホントに19?」と長谷


「え 今、高3で誕生日が2月ですから17ですよ サバ呼んでないかと

 修造様の嫁で押し込む時に 実家に乗り込んで母子手帳を出させて

 ワクチンの確認と戸籍謄本で確認しましたら 逆サバ読んでました」


「女性は16で結婚できるから合法だ」一昨日知ったので開きおなる修造


「奥様は17才 TVドラマか 修造はアフロにしないとな」比丘


「という事は 3月の高校の卒業式には おっきなおなかで出席

 谷上の順子さんの大学の謝恩会当日に破水より速い」長谷


「いいじゃん 祝言を昨日あげて 今日は十七代三九郎の襲名 祝って祝って

 景子さんの我儘は雅人さんへと祈って祈って ビールで乾杯」比丘


みな飲み干し 注ぎ注がれで


「俺がやるの」と訊く比丘 十六代三九郎も岩屋家の一同も諾


どうしようかと悩んでいるとオオナムチと大天狗が降臨して化現してくる

オオナムチもツクヨミと同じく位が高すぎて見えない人も多い

大天狗の三郎さんはここの全員に見えて聞こえる

ゴソゴソと話す三郎さんと比丘 任せよ との返事で


「十七代三九郎 嫁は17でお腹が大きくなる 襲名おめでとう 乾杯」大天狗


乾杯と皆が続く

大天狗 鼻が邪魔でコップでは呑めないから小瓶のビールをラッパ飲み


「十七代三九郎の襲名の乾杯の音頭が 大天狗様 目出度い」一郎


「ほんにほんに大天狗様の立会 乾杯の音頭まで」と大天狗は見える当代


まぁ 岩山家としては襲名の内定で大天狗様がご来臨して化現までしてる

これは嬉しい事柄 大天狗の三郎さんを持ち上げる

三郎さん 朝イチ 化現して一言言ったらお局様の吹雪で鼻は凍るわ氷柱が三本

いいとこ無しで終わりかけた所で この皆の大天狗を有難がる扱い るんるん


大天狗の三郎は歓待されているが 扱いが空気なオオナムチ

位が高すぎで化現しても 見えない者には見えない

岩山家側の当代には見えていないので空気の扱いしかならない

へそを曲げるオオナムチ


まったね

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