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第七十夜 姐さん と 姉さん 字と意味は違うが同じ発音だから・・

普段は4列目のシートを外して 荷室にして奥社への運搬と

神域のパトロールに使われている Unimog

今日は4台の全車に4列目のシートを付けてある

緊急の代替え車両&パトロール用に予備車を一台残して

ファントムⅡと入れ替わり玄関前にUnimogの三台の車列が出来る


先頭のUnimogにはご当主様ご夫妻と知らないふた組のご夫婦

3台目に寝かされていて 長谷組と香織なのだが 長谷が乗る前に

景子さんが乗ってこよとすると 一人の十代前半が香織の隣にいる


「景子 婿殿と二人で 修造の話を訊いてやれ

 倉田と加藤も乗せてやってくれ」十代少女


いつもの我儘はなく

「修造 倉田 加藤 私と婿殿と同じ車らしい 乗ろう」


「景子様と同じ車 今日は渡ってグダらないで下さい」修造


「その折には 修造にも世話を掛けた 断酒会に入っての

 断酒しておるから心配は要らない 話があるそうな 聞こう」


「乗ってからお話致します」修造


比丘は荷台で寝かされたまま 隣には 座敷童子様 動けない香織

長谷たちも乗り 2名分の空きに老夫婦が乗り込むが一名分の空席

荷室で寝てるしと そこは流していく ご夫婦

長谷達三人は座敷童様と同乗とか 昨日のテラス並のびっくり


奥社に向かってUnimogが走り出す

と同時に 香織の隣の座敷童子様から 声が掛かる

「岩山家の長兄で力よりも経営の才の一郎 ひさし振りじゃな

 ヌシのお陰で三九郎は楽をしておる 奥方 少しは目を瞑れ」


振り向いても 居るのは長谷夫婦と香織だけ


「見えぬか 見えぬなら見えぬでよい 声は聴こえたか」


「お聴きできました」一郎と奥方


30分ほど林道を登ると 広い広場に到着

鳥居の前に 皆で集合なのだが まだ起きない比丘

リアゲートを開けて 見つめる三人


「瀬山さんの女癖も酷いけど 比丘さんを無理くり熾した時の機嫌も酷い」長谷


「林道のクネクネ道の揺れもお構いなしの爆睡」香織


「イタズラをしてみるかの」十代前半


真っ白の長着に帯に黒髪ロングな20代後半が寄ってきて

「私が」と 比丘の項に  ふう と息を掛ける


「冷ったっい だれだよ」と機嫌が悪い比丘


「あ・た・し」


「お局様の貞子がTVから出てきてる しかも顔出し 珍しい」比丘


「違うわよ お雪よ ひっどい言い草」

 私はちゃんと長着 貞子は襦袢だけでしょ」


周りの長谷たち 『貞子と思ったことは内緒にしておこう」と思う


諦める比丘

「雪女のお雪さん かぁ 仕方なしなんだけど ここ何処?」


「奥社の鳥居の手前の広場じゃ よう寝ておったの」十代前半


「という事は結界の外 三郎さんが来られてたら叱られますよ

 あの方は、仕来りに煩いから」比丘


「よい 今日は景子の祝言 祝の日じゃ 細かいことは言わぬ」大天狗


「比丘さん 十代が座敷童子様 大天狗さんはモロ 白い着物のお局様は?」


「ばか 俺でも お姉様の雪さん だそ さっきは貞子と間違えただけだ」


「でも 比丘さん指標だと お姉さん お局様 大台でお姉様 ですよね」


白い長着の女性に耳を摘まれて 鳥居の真ん中を斜めにくぐり 手洗いの場で

柄杓で頭から水を掛けられ 息を吹きかけられて パンチが凍る


「少し頭を冷やしなさい」と叱らてる


「どう見ても、お雪さんは、20代後半のお局様 大台は気の毒」長谷


「若作りしておるだけじゃ 大台は大台でも1000の大台じゃ」大天狗


聴こえていたみたいで、大天狗の鼻が凍結し 氷柱つららが三本ぶら下がる


「そっちの若い子 事情聴取をしたいからこっちへ」と雪女に呼ばれる長谷


鳥居の前でお辞儀をして 左端で行こうとしてると


「今日はど真ん中を通りなさない」と雪女のお局様の下知


神様なのか雪女なのかはどうでもいいけど お局様の下知だしと 真ん中で潜る

そのまま手洗いの場へ 横で比丘がコンコンと叱られている


「さっきの お姉さん お局様 大台でお姉様の詳細を教えて」


「20代前半でお姉さん 後半がお局様 大台でお姉様 です」長谷


「私だと?」


「お局様」ノータイムで行く長谷 迷ったらハマると踏み切った


「という事は20代?」


「はい」


「いい若い衆ね アキラは寝ぼけて大台に見えたのね

 顔洗って目が覚めれば きっとお局様に見えるわよね」


「比丘さん 普通に自分で起きたときはいいのですが

 無理くり熾すと 機嫌ダダ悪ですから」


手洗いの水を柄杓で汲んで顔を洗い頭を溶かすと


「はい手拭い」とお局様のお雪さんが渡す


顔と頭を拭いて

「手拭いありがとうございます お局様のお雪さん」

さっきの事は総て寝ぼけていた為 と誤魔化していく


「比丘さん 比丘さんの普段の注意どおり 優しいお局様には気をつけます

 はい手拭い とか 優しいお局様に甘やかされたら ダメ男一直線

 歩美さんも優しいお局様 いまのお雪さんの手拭 気を引きしめます」


「はい?」お雪

「先に奥の舞座に行ってるから 二人は憑いてきなさい」と比丘の耳をつまみ

長谷を連れて拝殿を越し御神体のおわす祠の前の枚座に行く雪女


「行っちゃったね」香織

「うちの計二くんも行っちゃった」歩美


「アキラと若衆の奥方かな 儂の声が聴こえ姿が見えておるか」大天狗


「はい 聴こえております 姿も立派な大天狗様 鼻に氷柱が三本」と二人


「儂に臆さず よい 憑いて参れ」

と大天狗先導で鳥居を真ん中でくぐり手洗いをし 拝殿を越し

御神体の祠の前の舞座に案内される


座る前に「大天狗様 氷柱はみっともないかと お取りします」香織

氷柱をへし折り 長い鼻をティッシュで綺麗に拭き取る


横で長谷に色々訊いている雪女のお雪さん

歩美さんも呼ばれて 雪女の所へ

お局様への足音の件とかも 「へえぇえ」とか言いながら訊いている


「27でねぇ うん 長谷くんのお局様で行くことにする

 長谷くんは お局様のお雪さん でいいわよ アキラもね」

納得して 面と向かって「お局様のお雪さん」と呼べとか言ってるけど

面と向かっての「お局様」は、喧嘩を売る時

普通は本人に直接聴こえない影でしか言わない

うれしそうに宣ってるからまぁいいか、言わないでおこう と比丘


「本人が納得してればいいのでは 歩美さんは脱出済ですし」他人事全開の長谷


鳥居の前に二人一組 順にならんで 鳥居のど真ん中でくぐる準備をしている

拝殿には宴会盆に料理などが用意してある 歩み始める岩山家の方々


「お局様のお雪さん 順番をぶっ飛ばした責任は取ってくださいね」比丘


「比丘さん お願いをする時には

 お雪姐さん 後始末の件、お願いします

 コレでないと」長谷 兄嫁とかさよのへの「お願い」で慣れてる


「お雪姉さん うんうん 理解ったわ 任して」お雪さん ウキウキ


姐さん と 姉さん 字と意味は違うが同じ発音だから・・


まったね

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