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第六十九夜 冷静に全力で 全力で冷静に 常にスタディーを繰り返し前へ

0900

電話が掛かってくる

出ると 板場の長の代理 和食の長の坂下さん との事


「お久しぶりです さざ波に在籍時にはお世話になりました

 本来なら パンチのアキラさん ご挨拶に行くべきところですが

 料理長のお子さんが8時過ぎにインフルで高熱と学校から連絡

 お迎えに行きそのまま 待機です やらかすと ご迷惑もあり電話にて」


「そんなの 当然だよ 板場でインフル 無理して出てきて撒き散らして

 臨休まであった 他は大丈夫なの」


「和食部門は全員無事です

 フレンチが料理長の守備範囲 セカンドが踏ん張ります」


「フレンチは俺も守備範囲外 セカンドの方に頑張れだけど

 発熱で即退出 某料亭で発熱しても踏ん張って 巻き添え多数で臨休

 料亭だから臨休でいけたけど ホテルだ 気をつけてな

 煎茶は坂下さんからかな ご馳走様でした

 お返しのお土産で 俺らが使ってるマスク 15枚部屋に置いてくわ

 使ってくれると嬉しい マスク手洗いうがい 頑張ってな」


「はい パンチのアキラの言葉 そこを肝に銘じます 失礼します」


電話を終えて

「煎茶は 和食部門の坂下さんからの差し入れだったみたい

 さてロビーへ行きますか」 


「着替えとかの荷物は?」


「そこに 後でサービスが回収して 酒田さんが引き取りに来る

 迎えの車に大荷物では かっこ悪い バック一個でと酒田さんの助言だ

 というか ロビーに居ると思う」


ロビーに行くと酒田さんもマスク装着して待機してる

「受け取りました荷物は とりあえず樫村に運ぶ予定でしたが

 岩山家の方で 運ぶとのこと それはそれでお願いしましたが

 アキラ様に ぜひ樫村本家での朝食を頂いて頂きたく」


何やたゴソゴソと三人で話し始める


「明日の朝は 和恵さん炭手前で薄茶から お昼を食べて濃茶へ」酒田さん


「炭手前ってちまちま ガンガン熾してがいい」比丘

「確かに ちまちま羽箒も要らない 待ちくたびれる」長谷


「要望は伝えますので 和恵さんのお点前で」酒田さん


荷物はロビーのサービスが持って待っていると

車寄せに三台のファントムⅡが並ぶ 降りてくる 景子さん


「あっ〜きら〜 迎えに来たぞ 皆さんがお待ちだ 乗って」

と言うだけ行って 元のファントムⅡに乗り込む


「香織 乗るよ 長谷たちも乗って」


ロールスの遺作のファントムⅡが三台並ぶ車寄せ

プリンセスホテルと言えど 初めての事態

更にの前後にクラウンの護衛で5台の車列


支配人まで出てきてのお見送り

荷物はクラウンに載せて 一路 松平の岩山家の神域の奥社に向かう


ファントムⅡのリヤシートに収まる二組


「ねえなんで 同じ車が三台も しかも超高級車」香織


「そんなの 壊れたらご当主様は乗れないじゃないか 予備車だよ

 そもそもご当主と景子さんで各1台 予備が各々1台となって

 岩山家に 此の車は4台ある 常に整備してるけどメシマズ車

 香織の黄色いグラマラスより格段に壊れにくいが、やっぱり壊れる

 何時壊れるか解らないから 予備車の数でカバー」比丘


ほぼ同じ質問をされた長谷

「俺らだと 予備エンジンを2基 完成車を1台 を用意する

 これがまたお金が掛かるけど フリープラクティスで壊すを想定

 メカも全力で直してくれる 公道用なら予備車だね

 ご当主様が乗る用事がある時に壊れてたら困るから予備を用意」


「壊すことが前提なのね」


「違うよ メカも整備は万全 俺も壊さない走りをする

 初期に攻めすぎたセットと俺の走りでブローとかで積み替えたけど

 今シーズンは予備エンジンはルーティンの積替えでしか使ってない

 けど、レースで勝ちに行く 万全の準備をする

 ご老公のスポンサードで出来てる 本当に有り難い

 ご老公の趣味に付き合うくらい、今なら全然平気だよ

 最初は大変だったけどね」


このストイックと言うか、勝つために総てを放り込む姿は、女には理解できない

あえて言うなら 遠山のエアロビ

生理が止まるギリまで体を追い込み全日本に行った

上位ではあったが表彰台は逃してる 表彰台は生理は止まってたとの噂

そこまで追い込む世界観かぁ


「計二くん 今から行く内祝い 岩山家のモノホンの座敷童様が主催

 なにか怖くない?」


「う〜ん 岩山家がご当主様専用の此の車でお迎え

 うちのメカの万全の整備と同じくらいの信頼感がある

 この先も座敷童様主催の内祝い

 スタートを切って1コーナーに飛び込んでいく

 同じかなぁ

 比丘さんも居るし 昨日はモノホンと一緒に紅茶を頂いた

 冷静に全力で 全力で冷静に 常にスタディーを繰り返し前へ

 佐々木さんに毎回言われていることですけどね」


あの肚の源泉はこれなんだ 比丘さんの影響だけじゃない

これは理解る女は少ない 同じ世界観に行ってる遠山くらいだ

縁と運 運んでくれた男 大事にしないと

歩美が思いにふけっていると うとうとして しゃべるのが止まる長谷

この状況で寝れる 肚が凄いわ と思うと うとうとしだす歩美


二号車の比丘は香織の膝枕で居眠り 香織も船を漕ぐ

四人共 2夜連続で頑張ったので おネムなのだ


岩山家の正門が開けられ 入っていく三台

先頭のファントムⅡから飛び降りる勢いで降りる景子さん

三台目はうとうと程度なので 着く前に運転手さんの

起きて下さいに起こされていて、ドアを開けられると降りていく長谷歩美組

ドアを開けられても降りてこない比丘香織組

運転手さんの声掛けも虚しく寝子けてる比丘 ゆすって熾してる香織


「あっきら〜 憑いたぞ 起きろ〜」と景子さんの絶叫でも起きない


倉田さんと若い衆が担架を持ち出して、寝かしたまま車から移動する


「あきらの寝起きの悪さは 昔通りとな

 自分で起きては、すこぶる機嫌がいい 起こされるとな」景子さん


「いつも早起きで ジョグに行きますから気が付かなかった」香織


そのまま4列シートの乗用のUnimogの荷室に寝かされる比丘

毛布は掛けて貰えた


まったね

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