第六十二夜 「まだまだ しょぼいけどな」と男ボンズ三人がハモる
オープンにインカムで会話する男二人
一般公道で運転しない理由を明にカクカクシカジカな計二
「それ、しばらく伏せて 赤子が出来て身動き取れなくなってからかな」明
「ずるくないですか」計二
「まぁ 明日次第だ 奥社の主がバラすかもだし」
「明さんは黙っていてくれると」
「それも不明 俺の立場がまずくなったら今日にでもバラす」自己中な明
「仕方なし 他所から漏れ聞こえてはマズイ案件 ゲロります」
喫茶店に駐車場に到着すると、ホーミーの片瀬と奥山が居る
「また 昨日と同じ組み合わせで 夫婦で乗ったらどうだ」奥山
「俺 一般公道での乗用車だと怖くて」長谷
「確かに 怖いけど 慣れでしょ」香織
「廻りの動きが読めないのですよ あと自車の動きが鈍すぎて怖い」
「俺のワンマイルでもか」奥山
「それでも、一般公道用の市販乗用車で MTもかき混ぜですよね」
カチンと来た奥山 んん?となる片瀬
「チーム名と追いかけてるシリーズを言ってみな」片瀬
「チーム佐々木withYAMAHA 鈴鹿カートシリーズ 250MT限定解除クラス」
「それってミッションカート シーケンシャルだしワンマイルでも鈍いわ」片瀬
「ハイエースかキャラバンなら トランポで乗りますからなんとか」長谷
「それで 俺のトランポ ハイエースを2回貸し出している」比丘
「チーム佐々木 って森田で店構えてる 佐々木さんのとこ?」片瀬
「お世話になってます 小遣いほぼ全部つぎ込んでますが そこでやりくり」
「スポンサードはあるのか?」片瀬
「かなり昔からチーム佐々木への迂回してのスポンサードがあります
大元は不明で どうも やりたかったけど家の事情で出来なく
正体不明のご老公が 木曜日の練習はピットに来てくれてご飯も出てくる
日曜のレース日にはバレる可能性が高いと来ないのです」
「鈴鹿のピットは魔境らしいから魅せられたら通う 俺の連れも通ってる」片瀬
考えてた奥山
「鈴鹿の250MTだとコース規制があって 全6戦の総て鈴鹿本コースだったよな
そこで戦ってれば 俺のワンマイルでも鈍いわ 一般公道を嫌がるのは判る」
「それって 毎月でいくら掛かってるの?」婿殿に借金を隠されてたら困る歩美
「チームがスポンサードを受けていまして、俺もお溢れに預かっているので
交通費とか込で小遣い8万で済ませれてます」
「姉さんの店の赤字より格段に少ない資金で頑張ってるんだ」声に出る香織
「さよのさんには、よく奢って頂いてるので悪く言えない」長谷
「そっか お局様の力の源泉 遠山はそれをしなかったから男性から人望がない
憑いてきてるのは エアロビガチ勢のみ」歩美
「ひっくり返すとストイックにエアロビ 来年の全日本チャレンジを応援」奥山
「そうですね 俺も実家住まいだったので食費は親 服とかで多少のみ
でしたからストックの100から続けられて250の限定解除までこれた
なにか稼がないと続けられない」長谷
「毎月 8万円 結構な額よね」歩美
「それくらいは」と小声の男ボンズ四人
『タックルにラインとルアーに車に交通費まで入れると』片瀬奥山
『俺のBarとかでの呑み代と煮たり焼いたり』比丘
と思うが声に出せない男ボンズの三人
「姉さんの店の赤字より全然少ない 挙句の車やお小遣いは家から
歩美さんだって、姉さんの店の下着+渡ってグダるとか そもそものね
お守りの酒田さんの人件費」釘の代わりに50口径99mmを打ち込む香織
考える歩美 季節毎で4セットはお買い上げ 年間で160万⇡
どう考えても 不利な状況証拠が並べられて 人数も1対5
悩むまでもなく認める一択 ここで揉めたら逆戻りしてお局様に転落する
スポンサードをして繋ぎ止めないとマズイ
「計二くんの趣味くらいはね樫山家で見るわよ 一緒に行けばいいしね
遠山にも 奥山くんの趣味の釣りくらいは許せと念を推す」歩美
「それが良いと思う 姉さんにお先に を言った後ですからね
そもそも長谷さん 比較対象が遠山さんでの二択と思い込んでの歩美さん
まだ23で選択肢は他にもある事に気がつく前に手を打つ」爆撃を開始する香織
「」
「趣味の世界でスポンサードまで受けれる上澄みの腕
樫山家でガッツリのスポンサードで走らして囲いこまないと
紙はまだ出していない 横槍に気をつけてね」」とどめを刺す香織
片瀬奥山組の脳内にアラート
比丘長谷組の口をふさぎ離れる
「香織さん スッゲえな 長谷の趣味を全開で擁護してる」片瀬
「しかも 歩美さんの危機感を煽りまくり」奥山
「長谷の趣味を許せも 歩美さんのタメでもあるし」片瀬
「そんな事はないわよ 私のためよ 歩美さんもこっち廻した
私と歩美さんは爆装 片瀬さんは狙撃班 これどうぞ」と紙袋を渡す
「なんですか」と受取り 袋から更に袋 出してみると指輪のケース
「サイズは未唯さんが知っていた なえ君のところにねじ込んで
今今すぐすぐで用意をして貰ったわ 弾はOK 外さないでね」香織
「え? 俺は仲人無しでプロポーズ?」ビビる片瀬
「がんばれ」一斉に香織の側に廻る四人
「奥山は 片瀬の味方につけよ」比丘
「断る 遠山さんとの縁談に問題が出たら困る」自己中になる奥山
「でも一番の親友」比丘 応援に行かせたい
「そうだそうだ 片瀬さん頑張れ」 我関せずで他人事の長谷
長谷の一言で集まる6人
「計二くん その他人事感は」歩美
「俺は 歩美さんの婿に行くのに カートを続けれる稼ぎがほしいだけ
ご飯と服と寝るトコ別で、歩美さんの下着代と同等の金額を稼ぎたい」
「それ結構キツくないか 下着屋がお義姉さん 1Set10万超えだそ」比丘
「税理士で企業会計が見れる歩美さんだから ソレくらいの収入はある
婿に誘うからには、ソレくらいの収入の仕事の宛は有るはず」香織
「樫村家としては、子種さえ付けてくれれば 娘を一人と男の子を二人
後はカートで遊んでてくれればいいけど まずは、一緒に料理を習って欲しい」
「はい?」と片瀬と奥山と比丘
「パンチはなんで はい? なんだ」片瀬
「長谷は仕込んだから 丸のハマチと鯛は捌けるよ 奥山たちは?」比丘
「俺らも イタと中華の交換会で 長谷も呼んで一緒にやったし
釣れたシーバスや黒鯛の料理も出来るようにと仕込んだ」奥山
「まだまだ しょぼいけどな」と男ボンズ三人がハモる
「その しょぼい の基準点はどこにあるの」香織
「俺」と三人がまたハモる
まったね