第五十二夜 お局様の重圧からの開放だね
室田さんは知っているので黙ってみてる 奥田さん以下が固まる
「順子に 歩美さん 家庭料理教室 頑張ってね」谷上の姑
「香織さんも」順子
「香織はいいや 今の美味しくどうぞでいい 余分な技術は要らない
どうも歩美さんによると三人とも基礎の基も無いらしいから
とりあえず 家庭料理の基礎だけでも 頑張って教えます」
ホッとする香織 ずるいと思う歩美と順子 笑うお姑さん
「お手伝いさんに投げてましたから 子供の運動会のお弁当を目標で」姑
「明 家庭の奥さんのお弁当な 山本さんのお弁当とは違うからな」室田
「室田さん その 山本さんとは？」香織
「一国でな 腕は抜群で 格の高いのとかが専門だけど 他も熟す
やり切るタイプで手抜きが許せなくな 長く居ると揉め事に成るから流れ板
明を扱いてるって 石川って明の師匠でダイブショップのボスから聞いて
ダイビングもしてみたかって ちょこちょこ行ってたんだな 明が半泣き
教えて下さいって って見ても当時の俺と変わらんしだ 包丁がボロで
福井で研いだステンの尺の柳刃と６寸の出刃と七寸の菜切の3本渡した」
「あの包丁は助かりましたが この包丁なら出来てあたり前 と言われて
更に要求値が上がったところで 九州の巡業へ行かれてその後は半年に1度
2週間位居候で見て頂きました でも4年経っても天ぷらのダメはダメです
ダイブ関係の伝で渡仏してカリプソ号のシェフやってたら
若っかい仏人に口説かれて結婚したそうで、マルセイユの嫁さんの実家の
レストランでシェフに修まって☆を５個にして帰国する気がしないらしいです」
「それ初めて聞いた ５年前から行方不明で消息も不明だったけどそんなんか
山本さんらしいが マルセイユなら魚料理 まぁ抜群だわな」室田さん
「俺 去年 メシマズで訓練と仕事して スイスに行って時計のOHして
行ってみるかと 山本さんの店も知らないけどマルセイユに行って
ジモティのダイブショップ探してレジャーダイブしてたら
店の人にディナーをと誘われていったら山本さんが居て
美味しい何か を頂いてきました」
「そこで ちゃんとしたメニューの名前を言えないとこが ズボラ」修造
「だって 仏語で書いてあって コースで１つの料理の名前が長い 無理」
「まぁいい 明だ仕方ない 山本さんが元気っていうのも判ったし ヨシ」
ピンポーン 「香織 件の先輩のお見合いはどうだっった」との声
「同級生が 来たみたい」迎えに行く香織 襖を開けて覗く皆
「どうしたの いきなり来て」
「ほら ちょうど若い二人での時間 その隙きにと」若菜
「うんうん 香織の彼氏も見たい」英美
と５人の女性が玄関にいる
「香織 あがって貰って ご飯を一緒に食べよう」明
「瑞穂の料理長まで出張って創った料理 美味しいわよ どうぞ」香織
「ちょっと訊いて遅めのご飯にの予定が 頂いていいのですか」聡子
「足りなければ 追加でなにか作ればいい どうぞ」明も迎えに行く
「あパンチ ホントだったんが パンチのアキラを口説いたって」聡子
「オープンにしてきたから言うけど OG会お局様部門 大荒れよ
正月あけのOG会に出る時は パンチのアキラと腕組んでいきなよ
そこまで行けば お局様も黙る」若菜
「そうそう 式とかはまだだろうから 横槍気をつけてね」康恵
「まあまぁ あがって ビールでも呑みながら」明
五人を上がらせて 座らせて ビールを注いで
「乾杯」と室田さん
「ねえ香織はパンチのアキラとクッツク 件の光金四の先輩は？」英美
「歩美さんなら そこに居るわよ」香織
五人が急速に気まずくなっていく 香織を呼んで 隅に離れて
「若い二人での時間じゃないの？ 居るってことは」聡子
「やっぱお局様だと お断りなの」英美
「それがねぇ カクカクシカジカで、そこのスーツが禰宜さんで
三宝に載った盃もあって 祝詞で祝われて 三三九度まで修了」
「はい？？？？？？？？」
「私は 延期要望で無理難題の雅楽をリクエストしたら こっちの6人で
雅楽を奏でられ巫女は鈴を鳴らして舞うわで 三三九度までさっきやったわ」
「はい？？？？」
「指輪は？」若菜
「最近は神前でも 指輪交換があるらしいけど 岩山の神社ではやらない
俺は岩山の二宮の禰宜だからやらない 後で買いに行けばいい」修造
「結納とかは」聡子
「なしなし お局様のとこにお婿さんに来て貰うのよ 裸一貫でOKよ
親が回復したら こっちが結納を納めに行くわよ」歩美 強い
「明は？」香織
「俺 親とは縁切ってるから実家は関係ない 俺もお婿さんだし」
「なしなし ご飯が終わったらデカイスーパーへ行って
さよのさんに お先に を言うついでに 指輪を見てきましょう」歩美
「イケイケになってる」
「お局様の重圧からの開放だね」
「❍高も躱せそうだしね」
「あああああ ホテル抑えてない 新婚初夜 ❍高回避よ」
「谷上で押さえました 今日の今日なので2番めの部屋ですが ご容赦を」姑
「食べて食べて みんなでデカイスーパーへ」歩美 イケイケ
皆で 楽しくご飯を頂いてると
「やっぱり 姉がお局様だとキツイの？」若菜
「本人がお局様もキツイわよ 夜な夜なお局様への足音が聞こえてくるわよ」歩美
「まだ２３だし」英美
「先月 誕生日が来て２４ まだ２４」若菜
「私もそう思ってた１年間が２３と２４と２５とありました」歩美 爆弾投下
「ま ２４までに決めないとね」自分は済んだ香織
「そうよ ２５になると夜な夜な聞こえてくるのよ お局様への足音が」歩美
英美と若菜 以外の三人は婚約済で式の招待状を発送済
「がんばってね」と三人 余裕ぶちかましで他人事
「そうはいっても姉より先には」若菜
「姉さん お先に寿をさせて頂きます って言うだけよ」実績のある香織 強い
明も計二も修造も 離れて固まっている 会話には加わる気はない宣言
まったね
