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第五十夜 香織 雅楽と巫女の舞まであるけど

応接の和室側の4間ぶち抜きの直列の四八に移動して始まるお見合い


「最初に 岩山家の使い 修造様から挨拶を」父


超適当パンチかと思ったら 和紙の書状を出して読み上げて

きっちり慶事に良い日と入れ 立会をさせて頂きますと 纏めてきた


歩美さんの紹介は 母 美弥乃 が釣り書きを読み上げる

長谷の紹介なのだが 長谷 釣書を書いていない事がココで発覚

バタバタになりかけるが 酒田さんが これを と書状を渡す

流石 出来る番頭 長谷の釣書 酒田さんが書いていた


紹介がなんとか終わるりホッとする仲人の方丈家


母 美弥乃さんが「お茶で」と言いかけた時に、いきなり


「歩美さんのとこへお婿さんに行きますので よろしく」

めっちゃ軽く 言ってしまう長谷


爆笑の谷上家の二人 呆然の樫村家 沈黙の方丈家


「私の5年間の婿探しの苦労ががが こんなにあっけなく幕を閉じて」

「うんうん」樫村父母 そこで言葉が止まる


なんとか立て直した 樫村の母

「計二さん 裸一貫で樫村へ 婿においで下さい」

でも  これを絞り出すのが精一杯


「いい!!最高の婿殿だ 本家も安泰よ」笑いが堪えきれない順子


「なんか ダメですか 比丘さんに訊いたら これでいいって」長谷


「そうそう 俺もそれしか言ってない」比丘


比丘と長谷以外が動けないと踏んだ修造がリカバリに出る

「立会人で ホントは書状を読み上げたら 仕事修了で

 明とご飯とビールの予定だっけど 出張るわ


 ご両家 良縁を結ばれ 次は結納 式・披露宴

 方丈家様の仲人で 進めて頂きたく

 以上を持って 樫村歩美 と 長谷計二の見合いは修了と致します」


「お昼にしよう 瑞穂さんから来てくれて祝宴の料理を作ってくれてる」比丘


「明 ズボラが酷くなってないか 3年前はもう少しマトモだったような」修造


「そんなん 優しいお局様に甘やかされればこうなる 長谷も気をつけろよ

 あとな 結納とかもあるが もっと大事なことがある

 長谷は 瀬山に 歩美さんは お義姉さんに

 お先に 寿 をさせて頂きます を言うのがあるから頑張れ」比丘


「それ言わすのか?」修造


「香織は すっげぇ口上の最後で お先に はお義姉さんに言ったぞ」


「さぁさぁ ご飯にしましょう」と呆れ返って総てを流しに掛かる香織


板場から宴会盆に載った料理が運ばれ 並んでいく ビールも運ばれる

覗いてて「明らしい」で済ませれる、付き合いの長い室田さん


「明らしいお見合いでした 僭越ながら この室田が乾杯の音頭を」


「お願いします」しか出ない三家


長谷と歩美さんが ど上座でお雛様席に

両側に並ぶ宴会盆 色々思う所はあるが「明だし」と諦めて

室田さんが 席次を 超適当 上下関係無しで決めていく


皆が座っっとこで ビールが回されると


「あれ ポン酒で赤い盃の三段重ねのじゃないんですね」長谷


「流石に うちでもそれはないので」と母 美弥乃


「明だし 何やらかすか判らんから持ってきた」室田さん


「神職も居なくては」樫村父


「修造 なんか 資格を持ってたろ」


正階せいかいになった 岩山の二宮で禰宜ねぎをしているから祝詞はあげれる

 けどもう少し待てないか 狩衣も装束もない」


「長谷 歩美さん 行けるって どうする」明


「やりましょう」突っ走る長谷 黙って 頷く歩美さん


スーツの修造に寄る 祝詞 瑞穂の盃セットで三三九度をヤッてしまう


「あ、長谷 入籍だけは年明け 元旦に一緒に行こう 俺も頑張る」比丘


「それ いいっすね 元旦入籍 入籍記念日で忘れようがない」長谷


「後は若い二人での前に三三九度 盃もあれば神職も居る 出来てる

 それで入籍は記念日で忘れないように 元旦とか」谷上の二人は爆笑


「神職の祝詞に 三三九度まで修了 式まであげちゃった」歩美 呆然


「婿取りで 問題山積みで歩美がお局様になり どうしようとのこの5年間

 こんなにあっけなく 婿殿が決まり 式まで」涙ぐむ樫村の三人


「ささ ビールビール 歩美さん コップ持って」

長谷に注がれる歩美 長谷に注ぎ返す歩美


「注がれましたか 見合いの成功の祝辞しか用意してないので

 樫村・長谷 ご両家 ご成婚おめでとうございます 乾杯」室田さん


乾杯 と揃い 宴席が始まっていくが 誰も祝辞が述べれていない

宴会盆を持って比丘の前に来る修造

「明 すっげなぁ 流石縁と運に愛された男 無理くりだけど形は整える」


「まぁいいじゃん 長谷の要望を熟せた 誰も反対がなかったしな

 運もあった なにしろ修造が居てくれたから 廻ったからな」


「一回分の借りは返せたか ホントにあの頃は明が神様に見えたもんな」


と二人で話し込んでると


「序だ 明のとこももヤッちまおうぜ 明は親と縁を切ってる

 方丈家は揃ってる」


「俺はいいけど 香織は?」


「振り袖だからいいけど 明はまぁその格好で行く気満々

 だけどね せめて 雅楽の演奏は欲しい」無理難題で逃げる香織


ピンポーン と鳴る 「来たか」と出ていく修造


しばらくして 7人で入ってくる

狩衣 が五人 巫女 が二人

狩衣のしょう、龍笛、太鼓に鉦鼓しょうこ 巫女二人が鈴 修造も狩衣


「今日な 長谷くんを見た時にさ ぜったいなにかやらかすと踏んで

 呼んだんだけど長谷くんのスピードに負けたわ せっかく呼んだし

 着替えたし」 雅楽の演奏が始まり 巫女が鈴を鳴らして舞う


「香織 ご要望の雅楽と巫女の舞まであるけど」


「比丘さん 香織さん 場所の交代」歩美


修造の祝詞をあげながらの先導で お雛様席へ

巫女と狩衣が左右に別れ 真ん中で修造の祝詞

盃が三宝に載せられ巫女に運ばれ 屠蘇器で盃に注いでいく巫女

鳴り響く 雅楽の音の中で 三三九度も修了


「長谷 もうっちょっと待てば これだったのに」比丘


「いいっす スーツの禰宜さんでの祝詞は、なかなかないですし

 なにより歩美さんとの誓いの盃 それがあれば俺は十分

 歩美さんは よかった やり直しは出来ないし どうしよう」


「いいわよ 神職も盃も全部本物 夫婦も本物 後は披露宴」歩美


「そうだわな 時計の針は戻らないからやった事には責任をもとう」明


「よし 着替えて 祝の宴に7人で参加」修造


「向かい側の応接の洋間でお着替えをどうぞ」香織


まったね

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