第四十九夜 色留袖を着た歩美さん
沈黙の4人に 第一礼装の父母が加わる
「どうしたの?」母
「カクカクシカジカで 奥山と片瀬の見合いを
なんだけど 片瀬のお姉さんが大台の小姑
しかも相手の要求値が富士山よりも高い」比丘
「いいじゃない ほっとけば」母
「え?」と皆
「その片瀬くんのとこは 墓も仏壇もないから家を継ぐとかは
考えなくて良くて 両親の面倒はお姉さんに任して 出ちゃえばいい
うちの飲食店街にマンションも用意するし 彼女さんと住めばいい」母
「はい?」
「うちとか 樫村とか それこそ岩山家まで行くと墓何処か神社まである
代々つがないといけない だから 婿取り部門お局様部が出来る
継がなくていい 嫁も家に入れなくていい なんでしょ
親の事は お姉さんが 結婚して出てってから考えればいい」
「そっか 私も歩美さんも お嬢様 が足かせで婿取り部門
その足枷がないから 自由に」香織
「そうよ 息子さんが居るトコだって お嫁さんにしっかり子の三人はだし
そのお嫁さんだって 血は遠くで 氏素性がしっかりしてるとか関門よ
だから純金会やら椙淑聖光のOG会の結束が硬いのよ」母
「奥山は?」
「天涯孤独 でも親方がしっかりした一国の人 婿養子案件にぴったり
本人だけ見ればいい 親方はどうなんですか」母
「立派な方です 分野は違いますが同じ料理人で付き合いもあります」清原
「じゃ親方を口説けばいいと 上からだと揉める 明くんが素性隠して友人で
行くのがいいわね 素性がバレたらバレたときで なんとかなる」母
どうしても飲食店街を早急にまとめて さよのを出したい母の気迫
ピンポーンとチャイムが成る
母と香織と三人で迎えに行くと 留袖二人とスーツの若い衆
「うっわ 3年ぶり 修造が当てたんか」比丘
「運があるやろ 明のお誘いだ 引き当てて恩返しだ」
日焼けで真っ黒で歯は真っ白で 修造と呼ばれた20代後半のスーツ
「修造は俺とタメ年で 俺が景子さんを迎えに行き始めた頃にさ
景子さんを帰そうと必死になってて 俺が引き取って三人で飲んで食って
大人しくさせて俺の車に乗せてると 会計とかヤッてくれてさ
車から降ろすコンビは抜群だ」比丘
「なんで うちの車には乗らないのに 明のボログルマには乗るのか
不思議だったけど それよりも連れて帰れると助かった だった」修造
「そちらの お二人は」香織
「パンチのアキラからの呼び出しで 料理教室のご挨拶に参りました
蒲上の谷上順子 と その姑の千恵子 でございます」
「歩美さんに説教をカマシてくれた 順子さんですか」比丘
「説教をかましたらパンチのアキラの料理教室開催で焦って
姑に「料理の基礎を」と土下座の勢いで頼んだ 順子さんです」千恵子
「お義母さん・・」
「香織 俺 この手の女性同士の力関係はさっぱりだから任すな」
「明 そこは絶対に首突っ込んだらダメだから 兄達からも伝えろと
物凄い反省をしての言葉で 物凄い重みがあった」修造
「上がって下さい 本来なら応接ですが 人も増えてきますので
リビングで 珈琲でも」母
リビングに着くと 清原さんは「報告完了 板場に戻ります」と帰っていく
「明 俺 板場の椅子の方が座り心地がいい」と室田さんは移動していく
「パンチのアキラ 篠田と瑞穂の板長とは 順子さん頑張って」楽しそうな千恵子
座って 珈琲を一口のんだ修造
「明 倉田さんもボンクラをカマした リカバリ案を相談したい」
「はい? 見合いの仲人は お義母さんたちに頼んだぞ」
「今日な 高島暦だと仏滅なんだ 一般的に慶事は避ける」
その場の全員 「あ!!」 だれも見ていなかった
「でもさ 最速でまとめないと❍高が迫ってる これも大事
なにか言い訳が必要 まさか❍高が近いから とは言えない
11時半から 景子様が禊を行い その後 神域で潔斎に入る
祠の奥の声 の指示だそうだ 慶事そのもの これで行こう」
「どう切り出す?」
「最初に 立会人の挨拶にしてくれ
禊が始まる時間に合わせた とか適当パンチで能書き垂れる」
「お任せします」父母
「倉田さんも 明が大事に見てるは月の満ち欠けだけ これを忘れてた
倉田さんも釣りするけどルアー船にお任せで 全然気にしないから」
「そうなんだ 今日明日明後日は満月 ツクヨミ的には慶事
まぁ新月でも ツクヨミだからご機嫌を取ればいい」
ピンポーン 長谷到着 一人だけ
「あれ 親父さんとかは?」と皆で訊くと
「明日にすれば定休日 今日営業日でな 一人で頑張ってこいって」
「いいじゃない 私が推すから なにせさよののカンと私のペシをした男」順子
「じゃそれで」と軽い長谷 決まる
リビングであつまると長谷に興味津々な谷上家の姑の千恵子さん
あれこれ 話を聞き出してる
長谷の疑問の エロBBAが称号の件で爆笑してしまい
「他所様のお家で 端ない事を」と凹むお姑さん
「香織 谷上のお姑さんを 見習いなさい」ボソッとな母
11時になると色留袖を着た歩美さんと父母と酒田さんがが到着
リビングで 集まり雑談開始で 見合いより先に自己紹介とか済んでしまう
「写真の振り袖かと思いました」と長谷 ボロっと言ってしまう
速攻で修造が動き 目で比丘を誘い 長谷を両側から抑えて移動
「長谷くん 27の振り袖はキツイ」
「そうなんですか 写真で見て綺麗だったから」長谷
「うんうん」比丘
「え? そう言う感覚なの?」修造
「お局様ばかりだったから」比丘
「お正月は振り袖でカレーだし」長谷
「なら いいか」
長谷くんも明と同じく 倉田さん曰くのお局様耐性抜群な特化型か
景子さんも難なく熟したと 異世界からの来訪者だな
まったね