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第四十五夜 ヤクザ疑惑再燃なんだけど

玄関から門に行く途中で 一旦止まった親方 二人は進む

「結衣までは良い 五夜温泉までバラされては」親方


「でも二人も吹っ切れて 金曜日の本番が楽しみに」比丘


「しゃぁないか 場末の彼処で二人で並んでおったら、ばったりでは」


「たまたまですよ 姿を消して移籍した会社の部門旅行が五夜温泉

 3次会で流れていったら 親方が結衣さんと居るもん こっちがびっくり

 てっきり 行方を掴まれたかと でも親方は黙ってくれたので」


「あの時点で 明を見つけましただと せっかくのご辞退と姿を消したがな

 総てがひっくり返るからの 景子様の為にもならんしな

 金曜日は楽しみにして来てくれ じゃぁの」


門まで出て 三人を見送っていると 鬼頭弁護士が来る

「門まで出て、お待ちしておりました」


「嘘つけ お見送りで出てきただけだろ 竹屋の親方とすれ違ったよ」


「バレます?」


「竹屋の代打の打ち合わせ?」


「別件で でも竹屋も来週行くと3番4番の急成長で おいしく」


「そうなんだ 予約しないと 先月の篠田も良かったし」


先月の篠田の代打で着たダークスーツでヤクザ疑惑が発生した

弁護士と一緒にGS裏のBarに行けばヤクザ疑惑が消えるかと思い

鬼頭弁護士を頭のてっぺんから靴まで見てみる

どっからどうみてもヤクザかヤクザの顧問弁護士候

ヤクザ・任侠映画の大ファンだし、まだ今日は東映系でスーツだけど

大映系になると長着 人様の趣味に嘴を挟むのは失礼だよな


応接に案内して座り 珈琲を待つ

「これ新しく見つけた仲卸から手に入れたモカブレンド ネルで入れてきた」


紙コップとポットを出して 注いでくれる鬼頭弁護士


鬼頭弁護士 珈琲マニア 店で頂くのもだが 自分の足で探して

自分で入れて飲むのが大好き でもドリップがヘボすぎるのが難点

事務所員は「はいはい」と流すので 俺のトコで自慢するのが楽しみらしい

豆を選んで焙煎とミルの指定までしたらグダグダになったので

焙煎して豆を挽いてブレンドしたのを買うようになってから

「多少は飲める」とは事務所員さんの寸評


頂くと「あれ?普通に美味し でも夏菜子かなこさんの味がする」


「くっそ〜 一口でバレるか 夏菜子さんにプレゼントを用意しないと」


「先月のお誘いでもヘボのママだったのに いきなりこれではバレますよ」


「1億JPYを贈与したいと 相手の収入にも寄るが税金とか諸々で2億は掛かる

 それと独身のうちがいい でっかい旧家に入ってからだとややこしい

 出来れば入籍は 年明けにしてほしい 俺も簡単になる」


前置きなしで仕事の話に行った 珈琲で凹んだ時の仕草だ


「入籍だけ遅らせればいいの 結納とか式・披露宴は?」


「それは民間の話 紙の書類さえ出さなければ独身だ 区切りは年末

 元旦に紙を出してもいい 役所も婚姻届は元旦でも受け付ける」


「元旦に婚姻届 俺もそれを目指して頑張ろう」


「あと二人共婿入り 名字が変わる 事前準備したほうがいい書類は

 俺の方で用意して 夏菜子かなこさんに届けて貰う」


「そっか 面倒なんだな アパートも解約しておかないと

 でも解約するためには 引っ越し 離れの改装待ちだな」


「アパートの大家は 家賃さえ払えば問題ないから

 そもそも年内引っ越しなら3ヶ月前ルールに引っかかる

 俺から3月までで握っとくわ 4月から空くのが歓迎される」


「そっか あのアパートも鬼頭さんの紹介だし 任した」


「4月に跨るなよ 4月には新しい人を入れる それで3末で握って

 出来れば3月頭までに明け渡し 大家の修繕も余裕を持って出来る

 引き換えに、向い果樹園の花梨かりんの実のもぎ放題2年権でいいだろ」


「了解 最悪は母屋の空き部屋に置かしてもらうわ

 花梨酒を創りたいから 花梨の年券は 別途契約したい」


「果樹園と庭の木の年2回の選定代で握ればいいか 無花果も桃もあるから

 大家がな 剪定が大変で切るとか言ってる 比丘が面倒見るなら

 いっそあの土地を買うのもありだ 先々代の趣味の果樹園だしな」 

 

「年2回の剪定代ね、高い気もするけど 完熟をもげるのは魅力だからOK

 土地ごと買うのも交渉しといてだけど おいなりさんの祠があるから

 売らないと思うよ あそこ売ったら大家の商売が傾く」


「それもそうか あの祠で 今の商売が持ってるようなもんだしな

 でさ 今度はどこに代打に入る?」いきなり 食い物の話に飛んでいく


「代打は今の所 皆健康で依頼はないな それより明日のお昼がどこが来るか

 その味で 鬼頭さんにお勧め出来るかがきまる」


「そっか それは楽しみだ 今日一杯行かない?」


「夜はファミリー中華 店長を観に行く 鬼頭さんもどう?

 カクカクシカジカと説明をして 店長兼料理人が楽しみ」


「いくいく 19時だから10分前に集合な 運転手を拾って行くわ」

と出ていくので門までお見送り

500SLがフルオープンでDrが左手を振って門の前を通過していく

どっかで見た光景だよなぁ 映画かな フルオープンはカッコいい


約束の時間前で フルオープンで行こうとすると香織から「ダメ」判定

「お酒呑むんでしょ」としかられタクシーで三人で向かう


到着すると既に鬼頭さんは来ており 隣に夏菜子さん

夏菜子かなこさんに挨拶をしてると 奥山も来る

鬼頭さんも夏菜子さんも乗ったままで挨拶が出来るフルオープンのSL


奥山の引き摺られて 香織と母の元へ四人で集まる


「なぁ パンチ ヤクザ疑惑再燃なんだけど 先日の倉田さんよりモロ

 どうみてもヤクザか悪徳金融屋と極嫁だろ」


うん、言われてみるとフルオープンのSLに乗った

ヤクザ候のごついおっさんと

黒の色無地でド派手な帯 昔の東映の紅椿のおたつなお局様


「鬼頭さん 弁護士を証明できるのは持ってる?」


「額装して事務所だよ これ」 降りてきて 名刺を配る二人

比丘あきら 顧問弁護士 鬼頭剛三

鬼頭剛三 弁護士事務所 司法書士 三上夏菜子


「なぁパンチ 悪いけどVシネマで見たヤクザの顧問弁護士候

 女性は40年代の東映の任侠映画の女性主人公候」

26の男ボンズの素直な感想を繰り出す奥山

鬼頭さんが食いつく「Vシネマって何? 教えて」

夏菜子さんは「この子よく知ってる いい子だわ」


奥山の説明に ほお へぇ ふむ とメモを取る鬼頭さんと夏菜子さん


「そんなのがあるのか 買わないとな 夏菜子さん 頼める?」

「任して 明日にでも買ってくるか レンタルしてくる」


「この人達な ヤクザと任侠映画の大ファンで 500SLは偶々なんだ

 その鷹丘さんのVシネマとは まだ関係がない」


「そうか そのVシネマだと此の車かぁ 次の撮影の時に無償貸与で

 主人公の鷹丘さんに乗ってもらって サイン入れてくれたら 嬉しいな」

「そこもプロダクションを探して 当たってみます 見学も」

「夏菜子さん 任した 奥山さん 情報有難う」


奥山 完全に理解の外の話をされて困惑しかない


まったね

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