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第四十四夜 順子 30にして姑の有り難み噛み締める

長谷の月曜日のお昼前からのお局様耐性の話を騙るさよのさん


「まぁ長谷は総て他人事だし その他人事で自分を済ませれる

 長谷の他人事な景子さんの判定で10分は固まった 見る目はある

 それに金曜日の岩山家の内々の内祝いの席にも連れて行くから」


「そんな事 一言も言ってなかったけど口止めしてるの」さよの


「いや 本人達にはまだ言っていない 明日の見合いで両家の合意の後で

 俺から岩山家の使いへの口上で伝える」


「それって 本人もだけど樫村家も寝耳に水 た・の・し・み」さよの


「でしょ お義姉さんも理解ってきましたね」


「金曜の夜から ボロクソの扱い 焦る順子先輩の顔が見たい」さよの


「長谷を事前に観た樫村の分家筆頭の娘 なにか適当な言い訳で呼びましょう」


「底意地は悪いけど 長谷くんの婿入り先の樫村家での地位は3段は上がる

 それを樫村本家からの伝聞でなく 分家筆頭の娘も現認 強いわね」母


「そそ 分家筆頭の娘で 蒲上の谷上の嫁の現認 巻き込める」比丘


ピピピピ Gショックのアラームが鳴る

「客が来る時間だ お屋敷に戻りましょう

 お義姉さんから 順子先輩への呼び出しを、お願いしますね

 呼び出し理由は 料理教室の件でパンチのあきらが話あるで」比丘


「はいはい 思惑渦巻きまくりで 帰りましょう」母


出ていく三人 見送るさよの


さくっと谷上家へ電話して 谷上家のお姑さんと話し込み

明日の順子先輩の身柄を抑えるさよの

底意地は悪くなったかも知れないけど楽しみ と、おばさん一直線


お姑さんから話があると和室に呼ばれ 煎茶を勧められる順子さん


「明日は子供の用事もないはずで お弁当もないわよね」

語り始めるお姑さん ドキドキな順子さん


「11時半に方丈家へ来て欲しい とパンチのあきら

 樫村本家の婿取りのお見合いも11時半から

 そこに立ち会えってことですか」


「そうよね 蒲上の谷上家の嫡男の嫁で 樫村の分家筆頭の娘

 立ち会ってきなさい 私も方丈家とはご無沙汰だし行こうかしら」軽い姑


「お義母さん 一緒に お願いします」順子 30にして姑の有り難み噛み締める


方丈家の車庫に仕舞われるセルシオ

荷物を持って門の奥を横切ると 門の前で若衆が二人


「まだ30分も前だ あがって珈琲でも」比丘

応接の洋室に入る三人


「これを お試しを」竹屋の若衆


「なに焦ってる?」


「金曜日からの 内祝い 式・披露宴 3番と4番を任されました」


「俺でいいの?」


「先月の篠田の2番の代打 何事もなく熟しましたよね」


「おかげで俺はヤクザ疑惑だ 篠田のダークスーツは着ない」


「それは置いておいて ご感想を」と軽く流され


普通の風呂敷から出された筑前煮とアイスBoxから出された刺身二種

皿は4人前づつある が 少なくツマもなければ刺身だけ

筑前煮は普通に 3人前 だけどひと皿に各種が盛りつけ

コレだけ食べると中華が食えない けど 二人の真剣な目に負けて

全部頂く


「お造り この皿と此の皿 熟成が違うだけで二人で引いてるよね

 美味しくどうぞ で良いと思う なにも迷わず

 筑前煮 これが圧力釜 こっちは二人 圧力釜が旨い

 技術に走りすぎて迷い過ぎだよ もっと美味しくどうぞだけでいい」


一瞬喜び 凹む二人

「お館様と親方夫妻と同じ意見」


「え? 三九郎さんと竹田のおばちゃんが板場に入って味見をしたの?」


「はい 朝から準備をしていて 出てくる前に味見をされて

 圧力釜は景子様の作です」


「俺の時は 圧力釜はなんて と拒絶したのに はぁ〜

 それもこれも ご辞退と姿を消したからかぁ 縁がなかった

 雅人さんは美味しいトコ持ってくなぁ ええ男やし仕方ない」


「例のイタメシと中華の店長の件 明日の朝までお待ちを

 朝10時には第一報で推せるか推せないかだけを

 夕方には 裏を取ったメンツでここに報告に着ます」

比丘の愚痴を軽く無視して 例の二人の報告に入る


「了解 お願いする

 筑前煮 心の理解らないヘボ相手なら 技術に走ったのが良い

 味だけならダンチで旨い 客の心を感じろ 技術の先の話だ

 迷うなら 景子さんと雅人さんに圧力釜で作って貰え」


「それは 竹屋の板場として」


「いいじゃん 一般客の多い土曜日の披露宴は板場のこの筑前煮を出せばいい

 金曜日なんか内々の内祝い 身内だけだけど 心まで読んでくるのばかりだ

 景子さんが ここまで来ましたのご披露 で済ませれる 筋はある


 二人のは景子さんの膝枕で昼寝をする前の俺の料理と同じだ

 技術と美味しくどうぞ までだ その先は愛おしく愛情を込めて

 それだけなんだけど板場に立つとな

 板場の緊張感 客に出す 店の看板 色々が邪魔をする」


「また言われた」


「膝枕は別に景子さんに限定されていないよ 愛おしく思ってくれる相方でいい

 その膝で寝てそれを感じて受け入れるだけでいい 竹田の親方は妾の膝だ」


「」


「結衣さんの膝で愛情の補給をしてすよね って親方に聞いて味噌」


「」


「んなん おばちゃんの愛情は全部景子さんと孫娘に行っている 親方の分はない

 どこかで補給しないと枯渇する 俺も切れかけて香織の膝で補給したからな」


「倉田さんが自称独身なのは 複数の彼女がいるからと」


「それ 挙田の佳奈さんな 昨日カマ掛けたらゲロった 他は居ない

 三九郎さんも奥様の阿国おくにさんの膝で間に合ってるから妾が居ない

 ネタにしたかったけど 探せなかったんだよね


 明日一日 休めるよう親方に申請して彼女なり嫁さんなりとデートして

 夕方にゆっくり膝枕で寝かせて貰って 愛おしい愛情の補給をしてきな」


「明日のいきなりの 板場放棄はなかなか出来ません」二人


「言い訳は 膝枕で愛情を補給してきます けど五夜温泉には行きませんから

 親方なら意味が理解るから 通るよ」


皿などを片付けた若衆二人を玄関に送り出して二人を見送るはずが

竹田の親方が玄関に座り込んで居た


「抜け出した二人を追いかけてきて ここで待っておったら

 そんな大声で 五夜温泉とか聞こえてきたら 許すしかない」親方


「決まり 明日はデートと愛情の補給 がんばれ」比丘


まったね

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